【第1回 全日本大学軟式野球選抜大会 準々決勝 vs東京学芸大】

[スコア]
学芸 | 100 010 100 | 3
法政 | 000 010 100 | 2

[バッテリー]
​切原(4回1/3),藤野(2/3回),久米(1回),池田大(3回)-髙井

[スタメン]
⑥大貫
③野中
⑨高橋
②髙井
⑤飛田
⑧安松
⑦利渉
①切原
④小池勝

ベスト8へ駒を進めた法政。
2戦連続で東京対決となった。

法政の先発マウンドには、ここ1,2回戦リリーフに回っていた切原侑大。

初回。先頭の佐々木をセカンド内野安打で出塁させると、2番日高のバントで1死2塁のピンチを迎える。すると続く3番窪田にセンター前に運ばれ、2塁ランナーがホームを狙うも、ここはセンター安松が好送球でタッチアウト。しかし、次の4番関にも一二塁間を破られ、ライト高橋がバックホームするも今度はセーフ。この試合も先制点を許す。

​初回から追う展開となった法政は、初回。先頭の大貫が三振。2番野中はショートフライに倒れるも、3番高橋が四球で出塁し、盗塁を決める。続く髙井も四球で1,2塁とチャンスをつくるも、5番飛田の当たりは惜しくもセカンドライナーでチェンジ。

2回の切原。1死から6番岩渕に右中間を破るツーベースを打たれるも、後続を断ち切り0点で抑える。

追いかける法政は、2回に切原、3回に高橋が2死からヒットで出塁し、得点圏に進むも、後が続かず。学芸先発・加藤田を前に、なかなかホームを踏めない。

一方の切原も、3回,4回とランナーを許すも、要所を締めるピッチングで0を並べる。

しかし5回。1死から9番加藤田に右中間にツーベースを打たれると、続く1番佐々木にも同じく右中間に運ばれスリーベース。追加点を許す。
ここで法政は、2番手藤野にスイッチ。今大会初登板となる2年生右腕は、先頭の日高を四球で歩かせ1,3塁とするも、続く窪田をセカンドゴロに打ち取る。小池勝から大貫、野中へと華麗に送られ4-6-3。ピンチを最少失点で切り抜け、ベンチにも勢いがつく。

その裏の法政。先頭藤野のところで代打・濱田が打席へ。見事四球を勝ち取り、この試合初の先頭バッターが出塁する。すると盗塁後、9番小池勝も四球を貰い、1,2塁。ここで学芸大はエース郷右近へと継投する。
​迎えるは1番大貫とのJAPAN対決。しかしここはスリーバント失敗に終わり1死。しかし、2番野中の打席で相手捕手が弾いたのを見て、濱田が進塁。小池勝が盗塁し、2,3塁としてから、野中が見事な叩きを決め、1点を返す。

1点ビハインドで迎えた後半戦。
法政は3人目久米をマウンドへ送る。
先頭の4番関にライト前ヒットを打たれ、バントと四球で1死1,2塁のピンチを迎える。しかしここで踏ん張りを見せた久米。7番野原をサードゴロに仕留めると、5-4-3のダブルプレー。
緊迫した展開でリリーフした2年生が、再三のピンチを凌ぐ。

しかし7回。2イニング目となる久米は、先頭渡邉をショートゴロに打ち取るも、送球エラーで無死2塁。続く9番郷右近もエラーで出塁を許し、1,2塁。ここで法政は4番手池田大晟を投入。凌いで攻撃に繋げたい場面だったが、1番佐々木のバントヒットで満塁。2番日高はファーストゴロに打ち取り1死とするも、3番窪田のエンドランで1点を失う。

2点を追う7回は、7番利渉から。すると2-3からライト前に運び、出塁。次の9番池田はスリーバントを試みると、相手のエラーが絡み、1,2塁。耐えに耐えてきたベンチに再び勢いがつく。9番小池勝は綺麗に送って2,3塁。ここでトップの大貫を迎え、初球を叩いて1点を返す。さらに2死3塁の同点チャンスも、野中はファーストゴロに倒れる。

8回,9回と、池田は連投の疲れを感じさせないピッチングを見せ、裏の攻撃を迎える。

先頭は再び利渉。しかしセカンドゴロに倒れ1死。
次の8番池田大には代打・大山。追い込まれてから捉えた大きな辺りは惜しくもセンターライナー。2死から最後は9番小池勝がセカンドに倒れ、試合終了。
​2試合終盤で逆転勝ちの打線も、最後は及ばず。
​ベスト8で敗退となった。



今大会も多大なる応援、誠にありがとうございました。




新チーム発足時からずっと目指し続けてきた全国の舞台。惜しくも準々決勝で涙を飲みました。

池田・切原の2枚看板は、連投、そして苦しい展開にも関わらず、力投を見せた。法政を背負って立つ最後の秋。六大だけでなく全国に、その名を轟かせたい。
​そしてリリーフとして登板した下級生投手陣も、素晴らしいピッチングを見せた。2年生藤野はこの夏の成長株。テンポと制球力が安定し、準々決勝では見事ワンポイントとしてピンチを凌いだ。
同じく2年生の久米。直前まで長いトンネルから抜け出せずにいたが、最後は気持ちで勝った。「3年生2枚だけとならないように」と想いは全面に出ていた。1年生左腕の青柳も、2回戦で登板。緊張も見られたが、これからが楽しみな存在だ。

野手陣は、3試合とも追う展開だったが、動じなかった。打線はやはり全国大会。本来の持ち味とまではいかなかった。しかしながら、好調を買われ3番に座った高橋は5安打の活躍。主将の髙井もここぞでタイムリーが出た。そして、なんと言っても代打の釜島。1,2回戦とチャンスで結果を残した打撃は秋以降も頼りになるだろう。7四球を勝ち取った野中の出塁率も大きい。
守備では大貫・小池勝の二遊間が抜群の安定感を誇った。準々決勝では3つの併殺。取りきれなかったアウトを掴めるかどうかが今後の鍵となる。
センター安松も強肩を披露。全体として普段よりエラーが多い中、要所で耐える守備力は、鍛え上げてきたものが発揮された。

また、今大会で大きくチームに貢献したのがベンチメンバー。展開に左右されず守備でも攻撃でも常に声を張り上げ、逆転劇を呼んだ。継投準備のために動いた菊本・柳澤や、ここぞの代走として活躍した3年生柳町。コーチャーを務めた濱田は、代打から出塁しホームを踏んだ。勝負どころの1打席のためにバットを振り続けた大山・小池悠も、秋には大きな期待ができる。春リーグから勝利を呼び続ける原の円陣も、彼にしかできない。

そして最後に、記録員としてベンチを支えた猪鼻。インスタLIVE配信、Twitter速報、カメラマンと、あらゆる業務のためにスタンドを走り回った植田・中島両マネージャーの活躍も、感謝してもしきれないほどである。

​全員がそれぞれの役割を全うし闘った。
個の力だけでは勝てないと、"組織"を強くして取り組んできた"法政らしさ"は存分に発揮した。


27年ぶりのベスト8。
これまでやってきたことは、決して間違いではない。

それでも悔しい一敗。
秋、必ずリベンジしに戻ってこなくてはならない。次、越えるべきは、歴史ではなく今の自分達。

そして、六大学にもやり残したものがひとつ。

​この舞台での経験を糧に、次へ進む。

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