子どもに伝わる話し方

 学校の勉強の中で「なんで学ぶ必要があるんだろう?」と思ったことがあると思います。例えば…因数分解や関係代名詞などはどうでしょうか。「正直…いらないんじゃないかな?」と思ってしまいそうです(笑)


 子ども達はこのような意味の無いと感じる勉強を頑張れるでしょうか。いくら「勉強しなさい!」と言ってもなかなか難しいと思います。しかし、教えるときにそれを『使う場面』をきちんと伝えることで、学ぶ理由をもって学習することができ、それが子どものやる気に繋がります。

 

 例えば、酸性とアルカリ性を学ぶ理由を子どもに伝えられますか?「うわ〜リトマス紙とか習ったかも」と覚えていても、いざ「なんで学んだんだろう?」と立ち返ると意外と難しいですよね。そんな時には酸性とアルカリ性が『使われている場面』を伝えてあげるといいです。


 手を洗う時に使うビオレのボディウォッシュのCMなどで「弱酸性」と言われていますよね。石鹸はなんで弱酸性が良いのでしょうか。それは人の肌の表面が弱酸性だからなんです。人間のカラダって実はすごくて、風邪のウイルスなどから身を守るために、ウイルスを殺菌する力がある酸性になっているんです。

 

 食べ物を消化するための胃液もおなじく酸性です。酸性にはものを溶かす作用があり、胃液は酸性がすごく強いので消化をすることができます。ちなみに、胃液が食べ物だけを溶かし、胃自身を溶かさないのは、胃が酸性に強い粘膜を持っているからなんです。


 ボディウォッシュの場合、酸性が強すぎると肌の表面には胃のような粘膜がないので、肌が炎症を起こしてしまいます。だから人の肌と同じ弱酸性のものがカラダにやさしいのです。


 酸性やアルカリ性のような「なんで学んだんだろう?」と思ってしまうものでも、こんな風に身近で『使われている場面』を例にして伝えることで、子どもにとって意味のあるものになります。そうすると、自然と子どもが興味を持って学ぶのでやる気アップに繋がるのです。

 

高橋 菜帆
2020.06.24

お金を払ってもいいぐらいいい内容ですね
毎日読みます