Prologue-いわてとたいわんのはじまり-

みなさんはじめまして!「いわてとたいわん」代表のkeigoです!突然ですが、僕がはじめて台湾という地に足を運んだのはたった2年前のこと。そんな僕がどうして「いわてとたいわん」というプロジェクトを立ち上げて、活動を始めたのか―。そのきっかけとなった体験について綴りたいと思います。最後まで読んでいただけるとうれしいです。 

大学2年の夏、台湾へ。

きっかけは、大学2年のときの台湾留学です。「岩手を全く知らない」。海外の友人の何気ない一言がショックで、留学をするときが来たら岩手の魅力を直接自分で発信しようと思っていました。

その後、台湾への留学が決まった僕は甘い物好きの台湾人の心に刺さる、岩手ならではの美味しいものを発信しようと県内有数の銘菓会社でインターンに挑戦しました。いわて花巻空港の国際定期便が開通したのはちょうどその頃でした。

渡航後、僕は語学学校で現地学生と交流したり、試食イベントを開いて参加者に岩手の魅力を紹介しながら「岩手に来てほしい!」というメッセージを伝えました。大変だったけれど「岩手に興味をもったよ、行ってみたい!」という声を現地の方から聞けたとき、僕は純粋に嬉しくて挑戦してよかったと心からそう思いました。


岩手と台湾の温度差、このままでいいの?

帰国後、しばらくして僕が感じたのは「岩手と台湾の訪れる人に対する温度差」でした。それは感覚的な違和感だけではなくて、岩手県の施策が台湾から来てもらおうと一方通行になっていることからも感じたんです。もちろん、台湾の旅行者が岩手を訪れて魅力を体感してくれることは地元の観光産業的に意味のあることだと僕は思います。けれど「来てくれるだけ」でそこから何もアクションを起こさなかったら、岩手と台湾の間に結ばれた新しいつながりは一過性のものになると感じました。

じゃあ、どうすれば岩手と台湾につながりをつくることができるのか?

そのとき僕は、台湾では現地の人々が日本を知ってくれていたこと、興味を持って知ろうとしてくれていたことを思い出しました。岩手にいる人、特に若い世代の人たちに台湾を身近に感じてもらう、興味関心を持ってもらう、そしてできれば訪れてもらうことが大事だと思ったんです。雪口の岩手と南国の台湾が双方向で持続的に交流していく、そんな世界をつくっていきたいと思うようになりました。

これが、このプロジェクトにかけた僕の願いです。

台湾留学から2年が経って、僕はいわてにいる学生の仲間たちと一緒にどうやって台湾を知ってもらおうか、興味をもってもらおうかと日々試行錯誤しています。そのひとつのアイディアをカタチにしたものが「いわてとたいわん」オリジナルのリトルプレスです。(リトルプレス:独自または仲間とともにつくる、インディーズスタイルの出版物のこと) 

この一冊には去年の夏、いわてとたいわんの仲間で台湾を旅したときの新鮮な発見と想いをたくさんつめ込んでいます。リトルプレスのデザインは、いわてのデザイン学生チーム「kuromame」さんにプロデュースしていただきました。100%いわての学生でつくりあげた、世界で一つだけの岩手と台湾をつなぐためのリトルプレスです。

自由に旅ができない、今だから。

いま、いわて花巻空港の国際定期便はすべて運休しています。世界的に「旅をしてはいけない」という自粛ムードが広がるなか、僕たちに何ができるだろうとたくさんたくさん悩みました。そして、コロナが終息した世界に岩手と台湾のつながりを残していくための活動をしていこうと決めました。リトルプレスは、その架け橋になってくれるはずです。

僕たちの挑戦は、これからはじまります。

いわてとたいわん代表 Keigo