○教育面での地方格差の解消を目指して
日本には、都市部とその他の地域で、教育に関する明確な格差が存在します。 そもそも地方では、都市部での教育や文化に触れ るきっかけがないために、格差の存在それ自体を 「知るきっかけ」が失われつつあります。 きっかけがないと、地方の子どもたちが描く将来 のビジョンや選択肢も必然と狭まってしまいます。 また、格差が広がることで「知るきっかけ」自体 がますます失われ、格差がさらに広がるという負の循環が生まれています。
私たちは、将来的な「地域内サイクル」を生み出すため、この教育の地域格差問題にまず取り組みます。 教育事業部では、次世代の地域を担う人材を育て るため、大学生の生の受験体験やリアルなキャンパ スライフを伝えることで、小中高生を対象に「知るきっかけ」を提供していきます。
【活動内容】
①すもとっ子∞塾
2018年度から洲本市教育委員会と共 に取り組んでいるプロジェクトで、洲本にある5つの公立中学校の生徒を対象としたキャリア教育事業です。
洲本市には大学がないため、受験情 報やキャリアパスに関する情報面で都市部の子どもよりハンデがあります。 そのために将来の夢の選択肢に制限がかかりがちです。
∞塾プロジェクトは大学生が講師として入ることで、子どもたちに無限の 可能性を切り開く力を持ってもらうことを目標としています。2018年度は3つ の中学校で出前授業を行いました。2019年度は、全9回の出前授業を実施しました。
これまでに実施してきた授業内容は、「大学を知ろう」「未来の自分に手紙を書こう」「読書ワークショップ」「漂流ゴミを減らすには?」などです。
②京都大学キャンパスツアー
2018年12月に京都大学で、大学についてより深く知ってもら うことを目的としたキャンパス ツアーを実施しました。洲本市の中学生30名と保護者10名が 参加しました。京都大学のキャ ンパスを案内するだけでなく、 模擬国会や模擬授業なども行いました。
③学習カフェ「stu場」
大都市圏では大学生がたくさんいるため、予備校や塾に通うと名門大学の学生によるサポートを受けることができます。しかし地方では大学生がいないためそもそもそも受験情報を聞ける場所が少なく、それが教育の地方格差を生む原因になっています。
私たちは夏休みにワンドリンク制の自習カフェ「 stu場」をオープンさせ、名門大学スタッフを常駐させていつでも質問できる体制を整え、合格体験談を話すミニイベントを行い教育格差を改善しようと努力しております。
④出張!京大ラボ
「夏休みの自由研究で何をやったらいいか分からない」という子どもを対象とする、手軽だけど本格的な実験や講義を通して学校より一歩進んだことを学ぶことができるワークショップです。第 1回は2019年8月に、1927年にノーベル物理学賞を受賞した霧箱の実験を行いました。