子どもたちから学ぶ

ボランティアというとつい「上から目線」になりがちです。
しかし、実際には子どもたちから学ぶことのほうが多かったりします。
今回はそんなラオスの子どもたちのお話。

16期では高学年班の授業として、ろ過の実験をしました。軽石やコーヒーフィルターなどろ過が可能な材料をスーンメンバーが現地へ持っていって、授業中子どもたちに簡易ろ過装置を作ってもらいました。

いざ実験の時です。予め作っておいた泥水をろ過装置に流します。ろ過装置は班で一個にしていたので、誰か班で生徒1人に泥水を注いでもらおうと計画をしていました。班には10人以上の子どもたち。「泥水をろ過装置に注ぎたい人~?」と聞くとみんな手を挙げてしまいました。これは仕方ない、じゃんけんで決めるか、どうかしようかと思っていたところ、ある女の子が突然グループに向かって話し始めました。僕にはその内容はさっぱりだったのですが、どうやらみんな同意したようで、話が終わるや否や僕から泥水のペットボトルを取りました。

この子が代表して注ぐのかなと思いきや、少しだけ注いだ後、泥水の入ったペットボトルを隣の子に渡したのです!!またその子も少しだけ注いで次の人へ渡す、またその子も少し注いでは次の子に渡し、最終的に全員が泥水をろ過装置に注ぐことが出来ました。

恐らく、というか間違いなくその女の子はグループに向かって「みんなで少しづつ注ごう!」と説得したのでした。なんという慈愛の精神、なんという平等の精神。そして女の子の何たるリーダーシップ。これぞ、争いの無い純粋な心であり、人をまとめる力であり、教育において最も重要なことだったのです。いつからか、そんな発想すら出来なくなっていた自分が恥ずかしくなりました。

子どもたちの行動には多くのことを気づかされます。私たちが子どもたちに授業を提供していると同時に、子どもたちから人として重要なことを教わっていると、私は確信してやみません。