人間の叡智を次世代へと繋ぐ、深い思考を持って

【復習】国家単元

◎講義の内容

●イントロダクション
・1週間1箱と考えると人生は短い。日々大切に生きよう。
・「本物の知」とは?「自分にしか知らないこと」こそ「本物の知」。しかし、知は細分化しており、ほんの一部に過ぎない。知らないことが多いということを知る「無知の知」が大事。
・リベラルアーツは自分の頭で考え、叡智を積み重ねるための道具であり、人類の証である。

●そもそも論から考えよう
・宇宙とは?
137億年前に「量子ゆらぎ」によってビッグバンが発生し宇宙が誕生し、「重力・弱い力・電磁気力・強い力」という4つの根源的なエネルギーが誕生。「弱い力」は、中性子のβ崩壊を起こす。中性子の数が異なる3つの種類の炭素の内、微量の「炭素14」は、β崩壊によって、5730年間で半分が「窒素14」になる。
→過去の遺産から採取された「炭素14」の量から、絶滅種の寿命や土器の使用時期などがわかる。物理学がないと、考古学や歴史学の研究に繋がらない。(さまざまな知は繋がりあっている)

・宇宙のスケール
地球は太陽と比べると粒のように小さいが、太陽も太陽系の中では粒くらいの大きさ。これもまた、近所の恒星の中で言うと、ホコリくらい小さい・・・を繰り返している。光が届かず観測できていない宇宙がまだあるとされている。
→宇宙はとてつもなく大きく、とてつもなく空っぽ。

・原子は99.999%の無でできている。
→人間も99.999%空洞でできている。(=一切皆空)

・10億年後、DNAとRNAが誕生し増殖。
→私たちは自らの意志で活動しているのか?DNAの乗り物に過ぎないのではないか?それとも生物の歴史上、初めてDNAから逸脱しつつあるのか?(編集されたmRNAコロナワクチンの誕生)
・36億年前に原核生物、20億年前に真核生物が誕生。5億年前に初めて動物が誕生(クシクラゲ)哺乳類が生まれたのは2億年前で、恐竜の時代と被っている。
・6600万年くらいに猿の原型が誕生し、1800万年前くらいに類人猿が誕生。ここからどんどん類人猿の種類が分化し、200万年前に初めて人類の先駆けとなるホモ類が誕生。
→類人猿にはさまざまなジェンダーの類型がある。人はどの類型で進化したのか?どの類型を目指すのか?

・ホモサピエンスが誕生するのは13~30万年前。推定20万年くらいはほとんどしゃべれなかった。6万年前にしゃべり始め、アフリカを出ることになった。このタイミングで、たくさんあった人類がほぼホモサピエンスに統一された。ここから世界中にホモサピエンスが広がっていく。約4万年前にネアンデルタール人は絶滅。

・なぜホモサピエンスは勝ったのか?
ネアンデルタール人が作った石器とホモサピエンスが作った石器を見比べると一目瞭然。
ホモサピエンスはお互いの知見を共有・「研究」して改善・改良する技術革新の能力に長けていた。人類の中で、ホモサピエンスだけが「認知革命」によって「虚構」を生み出すことに成功し、他の人類を圧倒する力を手に入れた。「虚構」によって、見知らぬ人同士で協力できるようになり、社会的行動の迅速な革新が可能に。
→虚構:宗教・国家・貨幣・グローバル社会など(実体として存在しないのに、みんなが存在していると信じているもの)

●理想の「ルール」とは?(チーム発表)
・精神面をルールにできない派
・大雑把に!ルールに縛られたくない派
・環境配慮に特化したい派
・全体的に、みんなで考えたい派
➡︎みんな違う価値観を持つ中で、5つに絞るプロセスは「政治」と同じ。自分事として今の日本社会・世界を見よう!
→長山さんのルール例: 先人たちの叡智が詰まっている
①神ではなく人間に重きを置き、宗教や教条ではなく理性を原則とする。
②最も幸福が多く、最も苦しみが少ない状態が最適な状態でありこれを増幅させる。
③全ての村人は村のルールのもとに平等であり、生命、健康、自由、財産の権利を有する。
④立法・司法・行政の「三権分立」による民主主義体制とする。
⑤他の村とは交易を通じた発展を目指し、交戦は厳格な自衛に限定される。

●国家の歴史① 「有史」のはじまり〜一神教の成立
・9000年前に小麦を栽培するようになり、5500年前に文字が生まれたことから「有史」が始まる。主に「狩猟採集民族」が縄文時代を過ごしていたとされている。
→狩猟採集民と国家はどちらが暴力的か?
死因に占める他殺の割合を比べると、狩猟採集民や非国家の方が圧倒的に暴力的である。
→なぜ?パプアニューギニアを例に考えてみる。
有史以前は、狩猟採集民族同士の争いは当たり前のように起きていた。一方、現代では国家による暴力の独占が起きている。(対内的な警察による暴力・対外的な軍隊による暴力)
・農業革命後、人口が増加し始め「階層」ができ、「神」に近い絶対的リーダーが現れ、分業が進む。→四大文明の誕生
・格差が生まれ、考える時間の余裕のあるエリート(知識層)が生まれ、第一次哲学革命が起きる。(仏陀・孔子・ソクラテス・プラトン)特にソクラテスとプラトンは「理性で真理を究める」(そもそも論から考える)ことをこの頃からやっており、これが今後のギリシャ哲学に大きな影響を与えることになる。
・哲学が誕生して暴力は減った?
→古代ローマのコロッセオで残虐なショーをやっているところからわかるように、哲学は一部の知識層のものであり、大衆まで浸透していなかった。
・一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)が成立し、理性よりも信仰が重視されるようになる。神が絶対視されるようになり、組織と教会が連帯して「王権神授説」が唱えられるようになる。
→ガリレオ・ガリレイのように、理性をもって科学を語るものが罰せられる時代に。
・一神教の成立で暴力は緩和?
→中世の欧州は「暗黒時代」と言われる戦争に明け暮れる凄惨な社会であった。想像を絶する拷問や処刑が横行していた。
→なぜ?
①人間に重きを置いていない
②現世に重きを置いていない
③「異端」に対して容赦がない

●国家の歴史② 第二次哲学革命〜現在
・第二次哲学革命
理性、科学、ヒューマニズム、進歩によって近代国家が成立する。
きっかけになったのは、「ルネ・デカルト」。明証・分析・総合・吟味の重要性を説き、「我思う、故に我在り」という言葉を残した。(そもそも論を突き詰めて、今考えている自分だけは確か、だと唱えた。)
→「王権神授説」といったものに対して、おかしいのではないか?と言えるようになってきた。
→「社会契約論」:国家や社会の在り方も「そもそも論」(原初状態)から考えよう。
①ホッブス:国家は契約によって暴力と絶対的権威を独占的に与えられる。→現在の「権威主義」の考え方はここから生まれている。
②ロック:政府は国民との契約によって権利を守るために存在→現在の「民主主義」の考え方に繋がっている。
③モンテスキュー:権力が集中すると権力の濫用が起きるから、分割し、相互抑制させる。(三権分立)
④ルソー:国家を担う統治者が国民の一般意志に服従しているかどうか。(直接民主制)

・経済/貨幣
①スミス:個人的な動機を自由に解き放っておけば、市場も社会もおのずと成長を続ける。(市場経済)
②ベンサム:最大多数の最大幸福の実現(功利主義)
③ミル:危害の原理、幸福の質が大事(ベンサムに対抗)
→資本主義が誕生

・世界平和
カント:民主主義、経済的依存関係、国際組織への加入が戦争を防ぎ、平和を増進する(カントの三角形)

・なぜこの時代に第二次哲学革命は起きたのか?
→グーテンベルグの活版印刷の発明によって、世の中に本が出回るようになり、識字率が向上。理性や哲学が為政者や哲学者だけのものだったのが、万民のものとなった。
→国家内における暴力の量も残忍性も激減し、国家間の戦争も一貫して沈静化の方向。権利の多様化。
→近代国家はホモサピエンスにとってまさに「革命的に」好ましい。

・長山さんのルール例を振り返る
①神ではなく人間に重きを置き、宗教や教条ではなく理性を原則とする。【ギリシャ哲学・デカルトの「理性」】
②最も幸福が多く、最も苦しみが少ない状態が最適な状態でありこれを増幅させる。【ベンサム・ミルの「功利主義」】
③全ての村人は村のルールのもとに平等であり、生命、健康、自由、財産の権利を有する。【ロックの「三権」】
④立法・司法・行政の「三権分立」による民主主義体制とする。【モンテスキューの「三権分立」】
⑤他の村とは交易を通じた発展を目指し、交戦は厳格な自衛に限定される【カントの三角形】
→科学・理性の上に作られる虚構とその上に形成される規範が人の協力を作り、進歩させてきた。

●どこで文明を始めますか?
・経済とは「需要」と「供給」のこと。
・「狩猟採集民」にとって、「供給」の予測も「貯蔵」も難しく、みんなで協力しないといけなかったため、大きな格差が生じなかった。(共産主義的・実力主義)
・農耕民族の場合、土地の格差によって侵略戦争が起きる。
→中国あたりで文明を始めるのがふさわしい。
今の食料になっている「家畜にできる」動物が多く存在しており、陸が東西に長く、交易が起こる。
→他方、戦争は多く発生したり、人口増加による格差・疫病の発生により、集団としては成功しているものの、個には厳しい社会に。
★統治者が亡くなっても、統治者の座を奪う者の思惑が交錯し、階層の構図は変わらない。

●ざっくり世界史
・BC600:十六大国時代@インド
それぞれの地域が争っている時代に、コーサラ国のシャーキヤ族の王子であった仏陀によって「仏教」が誕生。
・BC500:春秋時代@中国
魯という国の孔子によって「儒教」が誕生。
・BC430:ペロポネソス戦争@ギリシャ
ソクラテス・プラトンによって「ギリシャ哲学」が誕生。
→BC324:マケドニア王アレクサンドロス大王がギリシャ帝国をつくるが、大王の死後、兄と息子がディアドコイ戦争で暗殺され、ディアドコイ達の分割統治になる。(★)
・BC221:BC905からあった秦の始皇帝が中国平定。馬を活用したことで軍事力に長け、半両銭という貨幣を作ったことで、勢力を伸ばした。
→始皇帝の死後すぐ、身辺雑務をしていた超高が血縁者数万人を処刑し暴政を行う。その後王に立てた子嬰に暗殺され、子嬰は劉邦に降伏し、秦はBC206に滅亡。劉邦が前漢を建国。(★)
・BC210にはだいぶ小さかったローマ。BC27にはアウグストゥスが拡大しローマ帝国に。ローマ繁栄(パクスロマーナ)の鍵は①誠実(ルール・規範を守った)②寛容(文化・宗教を壊さず、謙虚に学ぶ姿勢を貫いた)。
・BC4~6で、キリスト教が迫害されたが、それはイエス・キリストが言うことが他の文化を否定するものだったから、という見解がある。
→30年頃、ペトロが初代教皇に就任し、キリスト教がスタート。
・323年:ローマ皇帝コンスタンティン1世がキリスト教を正式なローマの宗教に。
・248年頃、卑弥呼誕生。日本書紀が完成する720年までの日本はほぼ神話の世界だが、皇族の歴史がここから始まっていたのはたしか。

・450年、フン族が馬に乗って侵攻。ローマ帝国は分裂・弱体化してしまい、500年にローマ帝国は崩壊してしまう。
・570年、ササン朝ペルシアとビザンツ帝国の争いから、迂回して移動するようになり、メッカ・メディナが繁栄し、格差が生まれる。ここで生まれたのがムハンマド。「ただ一つの神の前の平等」を説くイスラム教が誕生。
・500~650年ごろのヨーロッパは領土を巡る戦争が続いている。
・650年の日本:推古天皇・蘇我氏・聖徳太子による連携。中国の文化・制度を学び、冠位十二階や十七条憲法を定める。天皇中心の中央集権国家体制を確立させ、仏教や儒教を取り入れた神道とともに信仰した。
→蘇我氏が権力を乱用し、崇峻天皇を暗殺。見かねた中臣鎌足と中大兄皇子は蘇我氏を滅ぼす大化の改新に繋がる。(★)その後、天智天皇と藤原鎌足による政治がスタート。藤原鎌足が「藤原氏」、天智天皇の子孫が「臣籍降下」により、「平氏」・「源氏」に繋がる。「藤原氏」もその後「五摂家」にわかれる。その後の「北条」・「織田」は平氏を名乗り、「足利」は源氏を名乗るように。
→天皇の上に「儒教・神道・仏教」、下に「公家」と「武家」があるという、ある種の「三権分立」体制に。
➡︎日本は、大化の改新~明治維新までの1218年間、皇族、皇室の子孫の秩序が続いた国。

・622~750年:ムハンマドがアラビア半島を統一したが、信者の選挙で選ばれた4代目正統カリフのアリーが暗殺され、ウマイヤ家がウマイヤ朝を建国。アリーとその子孫を正当とするシーア派と、ウマイヤ容認のスンニ派に分かれる。その後、アッバース朝がウマイヤ家を滅ぼし、アッバース朝を建国。
・800年:後ウマイヤ朝・フランク王国・アッバース朝がある。
・950年:現在の国の原形ができる。ドイツ・イギリス・スコットランド・アイルランド(西欧最大の奴隷市場)・キエフ大公国(ウクライナ・ロシア・ベラルーシ)がある。
・1050年:国と宗教が一体化した神聖ローマ帝国と、イスラム教の支配から逃れたカスティーリャとアラゴンが生まれ、400年かけて再征服していくことになる。
・1150年:ポルトガルが生まれる。
・1250年:アイルランド侵攻。東からモンゴル帝国が伸びてきている。4代目フビライハンは元王朝の初代皇帝でもあり、中国の文化に自ら染まりにいった。その後、元寇が起きたが、日本は取り込まれずに済む。
・1278年:神聖ローマ帝国では、ルドルフ1世からハプスブルク家の統治が始まる。
・1300年:メディチ家のもと、フィレンツェを中心にルネッサンスが始まる。ギリシャ・ローマの文化・哲学が見直されるように。
・1350年:オスマン帝国誕生
・1440年:グーテンベルクが活版印刷を発明。
・1450年:オスマン帝国が拡大中。ポルトガルも存在感を高めていく。
→1336年~1542年:ポルトガルの航海
(オスマン帝国とモンゴル帝国によってアジアへの陸路が塞がれたため)
 ・1497年:ヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰を超え、インドに到達。
 ・1542年:種子島に到達。鉄砲が伝来。

・1467年:応仁の乱→123年間戦いまくる時代に突入するも、虚構や文明の破壊はなし。
・1492年:カスティーリャとアラゴンの王が国を統一し、コロンブスがアメリカ大陸に渡る。→ポルトガルが発見した領土を欲しがる。→スペインとポルトガルで二分するトリデシリャス条約を結ぶ。 ローマ教皇はキリスト教の布教を理由に容認。
・1507年:アメリゴ・ヴェスプッチがアメリカを見つけたとされ、「アメリカ」に。
・1517年:マーティン・ルターが95か条の論題を教会の門扉に貼る。貼りまわる行為はわりと普通だったが、活版印刷によってドイツ語版が出回り炎上。
・1518年:コルテスがアステカ王国を滅亡。
→天然痘、麻疹によってアメリカ大陸の人口が約90%が殺されてしまった。
・1520年:マーティン・ルターが炎上によってカトリック教会から破門。破門に対する抗議者の存在から「プロテスタント」が生まれる。

・1529年:モルッカ諸島の持ち主をはっきりさせるため、サラゴサ条約を締結。この条約で二分されたのが日本。唯一ポルトガルもスペインも訪れた国に。
・1532年:ピサロがインカ帝国を滅亡。
・1540年:カブリリョがカリフォルニアに到達。
→アメリカ合衆国が成立したとき、アメリカ大陸はほとんどスペインとポルトガルの領土だった。
・1575年:織田信長が大量に国産の鉄砲を生産し、世界有数の鉄砲保有国・軍事大国に成長。
・1555年:オスマン帝国一気に拡大→宗教同士の争いしてる場合じゃない。アウクスブルクの和議を結ぶ
・1568年~1648年:オランダ独立戦争(八十年戦争)→ネーデルラント連邦共和国誕生
・1585年~1588年:エリザベス一世が無敵艦隊でイングランドを侵攻するが、アルマダ海戦でスペインは敗北。
・1607年: とは言えまだスペインが力を持っていた。(ヌエバ・エスパーニャ)
・1582年: 織田信長の時代に、イエズス会司祭ヴァリニャーノが布教にやってきた。軍事力に長けた日本に感服。
・1585年: イエズス会のガスパル・コエリョは、日本人を改宗すれば、明国も征服できる、と伝えた。
→当時の日本の「虚構」さえ崩すことさえできれば、武力で戦わずとも、意のままに操ることができると伝えたと同時に、明国を強く意識していたことがわかる。
・1587年: 豊臣秀吉によるバテレン追放令
・1591年: 豊臣秀吉が秀次に関白の座を明け渡す。
→明国を征服し、国王になろうとした。
・1592年: 朝鮮出兵→1598年: 秀吉の死去とともに撤退
・1595年: 謀反の罪で一族が処刑される(★) 
・1599年: 徳川家康が関ヶ原の戦いで天下統一。
オランダが日本に漂着。←1602年: オランダ東インド会社(初の株式会社)
・1609年: 平戸にオランダ商館。鎖国する気ゼロ。
→スペイン人が無理な要求をしてきた。サラゴサ条約からもわかるように、スペインもポルトガルもオランダも日本に来てた。お互いの国の悪口を聞いているうちに色々見えてきた家康は、布教をしないと誓ったオランダと手を結ぶことに。
・1612年: キリシタン禁止令
・1615年: オランダからカラバリン砲を手に入れて大阪の陣で無双。→「虚構」を壊さずに商売だけできた。
・1637年: 家光による鎖国時代に突入。
・1639年〜1854年 平和な鎖国体制(逝きし世の面影)

・1626年: ニューネーデルラント
・1638年: 奴隷連行
→スペイン領土とイングランド植民地で成り立っているアメリカ
※イングランド植民地は、様々な理念を持っている地域の寄せ集めなのに、168年も放任される。
アンチ異教徒ピューリタン、自由商売ニューネーデルラント、みんな仲良くクェーカー&ドイツ移民、先住民虐殺地域、アイルランド難民地域、黒人奴隷地域。
・1637年: デカルト登場
→ニューネーデルラント(現: マンハッタン)で出版。今でもメディアの中心地。
・1643年〜1715年: フランス絶対王政
・1651年: ホッブス「リヴァイアサン」
・1689年: ロック「統治二論」
・1707年: モンテスキュー「三権分立」

・1750年: フランスの植民地が広いアメリカ(今のルイジアナ)→ケベックなどは、フランス語も公用語なのが名残

・1754年: プロイセンがシュレージエンを取り戻そうとする。(七年戦争)→英・プ・ポルトガル側の勝利
・1763年: 七年戦争終結後、パリ条約結ぶ。フランスがイギリスに割譲、スペインがフロリダをイギリスに割譲、フランスがルイジアナをスペインに割譲して交換会。
→圧倒的勝利のイギリスだったが、財政がまずい。
・1765年: 産業革命。植民地から搾り取るように。
→イギリス植民地の線を許可なく越えるな!税金法律全部決める!軍駐屯させる!ピューリタンなんて許さん!
168年間勝手にやってたのに急に言い出したので、反発。(ボストンティーパーティー)
→ピューリタンだけ独立革命を起こす気満々。でも他は中立だったり、各々で戦おうとしたり、現状維持を選択したりと、思惑が交錯。
→フィラデルフィアで会議を起こすが、アイルランドは呼ばれなかった。
・1755年: 第二次大陸会議で独立戦争へ。他の地域も渋々戦い始める。

・1776年: アダムスミス「国富論」→資本主義の誕生

・1778年: 植民地VSイギリス
→大陸軍(アメリカ)が勝利。フランスとかも味方して。
→1783年: パリ条約。ミシシッピ川東側全部アメリカに。
アメリカ合衆国憲法は、ロックやモンテスキューの考え方を初めて採択。それでも議席数や選挙人制度によって、ひずみは生まれる。
・1789年: 権利章典によって憲法改正。自由な国アメリカの誕生はここから。武装権は今もアメリカの社会問題へと繋がっている。初代大統領ジョージワシントン。

・1789年: ルイ16世とマリーアントワネットの時代。イギリスは懲らしめたけど財政がまずい。
→フランス革命で処刑。ナポレオンが第一統領からの皇帝に。色々と侵略。戦費をアメリカ大陸に求める。フランスがルイジアナをアメリカに売却し、アメリカが広がる。
→中南米でも独立機運高まる。
・1846年〜1848年: 米墨戦争→大西洋から太平洋までアメリカ合衆国に。

・1848年: マルクス「共産党宣言」
・1853年: ペリー来航により平和な日本終了

・1861年: リンカーン大統領就任が奴隷制拡大反対
→南北戦争
※南軍の旗は、最近ホワイトハウスを襲撃したトランプ支持者が持っていたもの。今にも禍根を残している。
・1867年: 北軍が南も全部統治をしている。人種による投票制限は違法として、黒人の参政権が一時8割を超えた。
→南部の州がほとんどアメリカ合衆国に復帰。
・1882年: Eight Box Law(高度な教育を受けていないと投票が難しくなる制度)を導入し、遠回しに黒人差別。今でもトランプがやっている。(コロナを気にする民主党支持者が郵便投票できないように、選挙日に郵便局を閉じる)
→Jim Crow Laws(黒人差別の法律)が次々と制定される。
"Separate but equal"(分けているが平等)として、直接的な黒人差別はしないものの、婉曲的に差別が横行していた。(トイレが別にされる、など)
→これらをすべてひっくり返したのはキング牧師

・1885年:フレデリック・トランプが渡米
・1890年:日本で帝国議会が開かれる。
・1894年:日清戦争
・1898年:米西戦争
・1914~1918年:第一次世界大戦
→ドイツは巨額の賠償金を背負うことになり、ロシアでは内線が勃発→ソビエト連邦成立
・1918年~1929年
米:華麗な時代(グレイトギャッツビー)
欧:戦争でボロボロ→ムッソリーニ台頭
日:華麗な大正時代
・1929年~
ニューヨークで株価が大暴落→世界恐慌
日本でも五一五事件で犬養毅暗殺
ドイツでもヒトラーが台頭
日本で二二六事件が起きる
五摂家の地を継承する近衛文麿が首相に就任するも日中戦争に突入
・1939年~
第二次世界大戦 ドイツがポーランドに侵攻
日本でも大政翼賛会が結成され、民主主義が崩壊
太平洋戦争で真珠湾攻撃 東条英機が首相に
→民主主義が崩壊したのは、「天皇に実権がある」ということを明文化したことで、それを悪用する人が現れたから。今までの規範が崩壊する。
アメリカがノルマンディー上陸作戦→連合軍がドイツ占領で勝利
連合軍が日本を占領→第二次世界大戦終結

他の地域では・・・
未だに数多くの植民地があり、宗主国の弱体化によって次々と独立した。
1945年~1991年 自由民主主義と共産主義の競争
1951年 サンフランシスコ講和条約 沖縄・奄美以外で主権回復
1991年 ソ連崩壊
→フランシスフクシマは、「世界中が自由民主主義へと向かっていく」、「歴史は終結した」としたが・・・

●今後の日本は?(問題提起)
・科学や理性はどうなるのか?(マスクをしない権利の強要inアメリカ)

・人間の叡智はどうなるのか?(ChatGPT:オープンAI)
このAIは何も新しいものを生み出していない。しかし、今ある情報をこねくり回して文章を生成する技術には長けているので、このままだと教育は崩壊し、人間は「思考停止」に陥る。知的生産をやめないことが大事。

・民主主義はどうなる?最近の民主主義指数は下がりつつある。自由の国アメリカの民主主義指数も残念ながら下がっている。なんなら奴隷制度に対する議論がなされていた時代と比べても、傾向がそこまで変わらない。(HOW DEMOCRACY DIE)

・今世紀の世界はどうなる?
二つの試金石で向こう5年以内に今世紀の世界がどうなるのかがわかる。
①アメリカ:トランプが収監されるかどうか。
トランプが批判しているのは民主主義ではなく、デカルトやロックなどの考え方
トランプが収監されなければ、「トランプ以下の破壊行為が許される」という前例ができる
②中国:習近平が4期目に入るかどうか。
鄧小平時代に派閥があって合議で実力主義でやっていたのに、習近平による一極集中型に
テクノロジーの進化により、国民の監視が容易となってしまい、誰も逆らえない
習近平が4期目に入れば、「個人崇拝の独裁体制は、テクノロジーを駆使すれば維持できる」という前例ができる
→民主主義は弱体化し、権威主義国家が固定化されていく。

・人類についてどう考える?
「人間は一切皆空」と捉えることもできる。
一方で、人がアフリカから出てからの時間は宇宙の歴史の0.0004%に過ぎず、人がアフリカから出てからの歴史の最後の0.5%で起きた奇跡が現在、とも捉えることもできる。
→規範を今後も守っていくためにもリベラルアーツが重要。

・まとめ
デカルト以降、人類は理性と知を広め、多くの「虚構」「規範」を作りながら理想に向かって進んできた。理性・知・真実を軽んじれば、「虚構」も「規範」も脆く崩れる。人類が紡いできた叡智を次の世代にもつないでいくためには、学び、行動しなければいけない。
ともに学び、ともに動き、より良い未来を作っていこう。

◎講義やリフレクションを受けて
改めて、2点の理由から、歴史を学び、自分ごととして考えることが大事だと感じた。
1点目は、「人類の叡智」を知ることができるからだ。「昔の人」は今と感覚が違うから、と舐めていてはいけない。ソクラテスが唱えた「無知の知」は、今の現代人に果たして浸透しているだろうか?しかし、今とても必要な考え方であるに違いない。ルネ・デカルトの「そもそも論」から考える手法がなければ、私たちは「常識」の何も疑わずにのうのうと生き続けていただろう。全般的に、偉人たちが成し遂げてきたことは必ず私たちの価値観に根付いており、今も大事さを教えてくれる。

2点目は、「歴史は繰り返す」からだ。今の社会とは全く異なる文化をもつ昔の事象を知っても、役に立たないと感じてしまいがちだが、意外と昔から続く観念が今の社会の考え方に繋がっていたり、ずっと平和に過ごせていたけれど、世界大戦直前の状況と似通っていたりしている。しかし、歴史は変わらないと、何も考えずに見ているだけでは、この世の中は何も変わらない。特に、すさまじい技術革新の影響で、人類は「思考停止」状態でも、「なんとなく」「平和に」生きていくことができる。しかし、それでは何も変わらない。自分たちはどうありたいのかを考え、行動することが大事だ。半年間以上学んできたLAPの学びも、まさに自分たちがどうありたいかを模索するための時間だったと私は感じている。ジェンダー単元や経済単元など、ジャンルの違う学びがたくさんあったが、歴史にはそれらが沢山散りばめられている。

今回の国家単元を通して、歴史を学び直し、他の単元もまた振り返っていきたいと感じた。そして、学び直したこと、「人類の叡智」を次世代に繋げ、考え続けていきたい、と感じた。

【復習】国家単元
2件

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