【宗教単元復習】未分割の世界

【復習】宗教単元

遅くなりましたが振り返り投稿です!

◎講義の内容

 今回の講義の中ではそれぞれの主な宗教について詳しく見ながら、そもそも宗教が何を主題にしていたかについてを知ることができました。三大宗教のそれぞれの成立過程や特徴のお話も興味深かったですが、それ以外の原初的なものや日本的なものも含めて、そもそもの「宗教的なもの」についてのお話が特に印象に残っています。宗教は、不可視で人間ではコントロールできない何か大きな命に対する態度だという言葉が何度も繰り返しでてきましたが、本質がそのようなものであると考えるだけで、様々な宗教的なものがクリアに見えてくるように思いました。予習の段階でも、いろいろな具体的な宗教について考えながら、その違いなどについて話していましたが、その中で感じていたモヤモヤがだいぶ解消されたように思いました。今回は課題図書も難しいものでしたが、先生の解説があったことで、講義の中身もより深いレベルで聞くことができたように思います。
 今回得ることのできた宗教的な視点は、一見宗教の面でしか使えないように見えて、実はもっといろいろな場面で必要な態度ではないかということも少し理解することができました。課題図書にもありましたが、現代人である我々は非宗教的に見えて、その実宗教的人間からの連続体でしかないのだということは、今回の講義を受けて非常に納得いくものになりました。「宗教」という言葉を使うと、具体的な名前のついたいくつかのものを想定しがちですが、「何か大きい命に対する態度」と捉えることで、それは今の我々にも深く根付いている態度だということがより理解できるようになりました。今の私たちは、前の方に前の方にと前のめりに進んでいるように思いますが、ときにはこのような、その根本にある人間を人間たらしめているその他の存在に対する畏敬を忘れてはいけないなと改めて思いました。

◎講義やリフレクションを受けて

 講義の中で多くの印象的なテーマがありましたが、その中で1つ特に心に残っているのは、自分と世界が不可分となる「トランス状態」についてです。講義の中でも実践を通じてその不可分の状態の片鱗を体験し、それが理性や知覚を超えた何かだということが少し理解できました。以前からご縁のある社会学者の宮台真司先生が、折りにつけてこのトランス状態について言及されていて、私は当初、社会学者という一種目の前の社会を明らかにするための方がなぜ言外のそのような態度にこだわるのだろうと思っていましたが、今回の講義を聞いてそれが様々な分野に貫通する重要な根本の体験だということが体感的に理解することができました。もちろんまだ完全には捉え切れていませんが、宗教だけでなく他のことを理解していく上でも心にとどめておきたいと思いました。
 もう1つ大きく心に残っているのが、最後に先生が出された問いである、宗教が一旦ご破算になったあとの世界についてです。今の社会は、目の前のそこにある社会ばかりに目を向けられ、そこにいる私たちがどう良く生きていくかにのみ視点が当たりがちですが、確かにこれは宗教的な視点から見ると、どんどん宗教の本質の態度からは離れていっているように思います。しかしそのような流れは簡単には変えられないのだと思うと、確かにこの流れが進んだ先の世界が一体どのようなものになるかというのは興味深いと思いました。政教分離について質問した際に答えていただいた内容にもありましたが、国家を宗教的なものだと捉えると、より国家という宗教に人々が帰属していくのか、それとも反対に本質的な宗教に立ち返るような動きがでてくるのかというのは気になりました。今後の社会の流れがより興味深くなるような視点を多く得ることができました。

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