【12月5日(日) 第6期特別講義開催報告】

LAP第6期の特別講義は、対面とオンラインのハイブリッド形式で行いました。今回はリディラバの代表理事である安部敏樹さんを講師にお迎えして、現代日本の社会課題・政策のあり方などについて考えました。

前半は、安部さんの半生を聞きつつ、現在代表をされているリディラバの活動について学びました。
決して恵まれた環境で育ったわけではなく、身をもって社会課題を痛感する側にいた安部さんだからこそ、活動に携わっているリディラバにかける思いの強さに心を打たれました。「自分たちは好き好んで親から虐待を受けたりしていない。でも大人は全く救ってくれなくて、自分たちが悪いんだと石を投げてくる。今自分は30代の大人になったけど、昔の自分たちに石を投げるようなことはしたくないよね。」という言葉が特に印象的でした。リディラバは「無関心の打破」を理念に掲げています。見えていないものを可視化し、多くの人に社会課題の現状を知ってもらうことで、「大人」に反抗している安部さん方の活動に大変感銘を受けました。

後半は、事前課題となっていた衆議院議員選挙の争点について学生同士で意見交換を行い、その後安部さん自身の見解をお聞きしました。
高等教育の無償化に関して意見交換を行った際、受講生からは「親の環境の影響で大学進学を諦めている高校生を救うためにも低所得者層の高等教育無償化をするべきだ」、「若者の投票率と若者の人口比率の低さの影響で、高等教育の無償化を訴える声が政治の世界に届いていないのではないか」というように、高等教育の無償化を進めるべきだという意見が特に聞かれました。一方、安部さんは「現時点での高等教育の無償化はするべきではない」とし、全世代的に安く学びを享受できる状態まで大学が淘汰されて質が向上して初めて無償化の価値が出てくる、という見解を述べられました。今後の展望や他の政策との兼ね合いといった別の切り口から政策について考えられている安部さんの思考の深さに驚かされたと同時に、自分自身の知識・考えの浅さを痛感しました。

普段あまり話す機会のない政治について安部さんや受講生のみなさんと一緒に考えを深め、物事を構造的に考えることの重要性を実感することができて、大変学びの多い講義となりました。
大変多忙な中、LAPの講義に時間を割いてくださった安部さんに、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。

受講生のみなさんは講義を経て、どのような変化・気づきがありましたか?みなさんのリフレクションを楽しみにしています。

1月16日(日)は宗教単元です。講義での学びをさらに深めていけるよう、今まで以上に予習にしっかり取り組んでいきましょう!

<文責:前田>

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