この世界は偶然性を纏った必然性に満ちている、と私は思う。今日はどこに行こうか、どの道を通って帰ろうか、家に帰ったら何を食べよう。そんな些細な日常生活の、偶々起こりえたことに過ぎないと流されてしまうような一片にすら、何らかの因果をそこに見出さずにはいられない。私には向かいたい場所がたくさんあるから。私の家へたどり着く道は一つではないから。数々の美味しい料理を私は知っているから。その前提があってこそ、その中の一つに辿り着き得たのではないか。
Magadipita はそんな前提になり得るようなテーマに溢れている。この雑誌が誰かの偶然を喚起してくれれば幸いだ。
