自分の夢に向かうとは

高校を卒業して一ヶ月、将来開発経済学に携わりたいというぼんやりとした考えで経済学部に入学しました。開発経済学に携わりたいと言っても具体的な将来のビジョンが全くなかった自分は、入学直後何をすればいいのかわからない状態でした。そんなときに出会ったのが「めぐこ」です。[「めぐこ」の説明会に言った際に、雰囲気が素敵だなと感じ、メンバー各々の意見がとても魅力のあるものだったので、ここなら自分の悩みを解決できるかもしれないと思い入部しました。

実際に「めぐこ」の活動に携わると、想像以上に他のメンバーの志や実際の活動が目から耳から入ってくるので、それに伴ってたくさんの刺激を受けました。刺激と一言で言ってもみんなの持つビジョンは各々違うので、本当に数多くの分野にまたがる形で興味を抱くようになりました。もちろん開発教育学とは全く異なる分野に興味を抱くことも多く、自分が元々やりたかったことに興味のベクトルが向かっていない状況に少し悩んだ時期もありました。

この悩みは、既に将来のビジョンを明確に持っている人と自分を比較することでより自分を悩ませました。前者が自分の将来にベクトルを向けて直進しているのに対し、後者の自分はあちこちに興味のベクトルを向けて行ったり来たりしているため、前者と自分との差は広がるばかりだと思っていたのです。

しかし、自分が元々全く興味の無かった分野から思いもよらぬ経験を得られることがあるとも感じられるようになりました。自分のモットーは「自分の与えられた仕事の範囲で最善を尽くす」ことなのですが、これを意識し始めたのはたまたま興味を持った「政策」という分野を通じてお会いした官僚の避難所での経験を伺った時です。その方がおっしゃっるには、同じ物資をもらった二つの避難所があっても、その配り方一つで避難所の雰囲気や避難する方々の体調が一変するため、現場で対応する役所の方の力量が問われるそうです。これを聞いて、自分も与えられた仕事の中で最善の行動を模索したい、避難所のケースに照らし合わせるなら、より多くの方を元気に出来るような行動が出来る人間になりたいと思うようになりました。たまたま興味を持った分野に足を踏み入れただけでいろいろな気づきや経験が得られると実感したのはこの頃だったと思います。

それからは率先して興味のベクトルを360度全方向に向けるようにしています。あらゆる分野に耳を向けることは決して簡単なことではありませんが、幸運にも「めぐこ」には自然に耳を向けてしまうような経験をしている方たちがたくさんいます。この恵まれた環境の中で、いつかあらゆる分野で得た経験を自分の夢に役立てられるよう、努力していきたいと思います。