moco vol.45 旅に憧れて旅に出る | 旅人の哲学

こんにちは。3回生のショーンです。
 
mocoは夏の終わりに最新刊である45号を発行しました。
 
テーマは「旅に憧れて旅に出る」
 
読んでくださった方のあらゆる旅を応援する一冊となっています。
 
 
テーマについて私が伝えられることを少しお話します。
 
私はフリーペーパーを制作するなかでテーマ会議がいちばん好きです。
 
企画書を作るのは、絵で例えるならアイデアスケッチやラフを描くのと似ている作業。
 
アイデアを出す方法は人によって違うと思いますが、私の場合はちょっと遠くまで散歩したり、いろんな雑誌を集めて読んだり、好きなことを書き出したりして、その瞬間を待っていました。
 
これいいな、
やってみたいな、
できるかわかんないけど、
やっぱこれ好きだな…
 
そんなふうにある意味暇な時間を過ごしていた時、私はこの「何かに憧れる瞬間」自体にわくわくしていることに気づきました。
 
きっと憧れは、人を動かす力がある。
 
そう思って「憧れる」を辞書で調べると、語源は古語の「あくがる」からきていて、あるべきところを離れるという本来の意味から、現代では物事に心を奪われてうわの空になる、心が惹かれて落ち着かない、思い焦がれるというような意味があるそうです。
 
mocoのビジョンである「ぐんとあがる瞬間をあなたに」にも通じる強い感情を表した言葉だと感じました。
 
ほぼ同時に、
 
「憧れ」こそ私の「ぐんとあがる瞬間」だ、
この感情を大切にしたい。
 
という気持ちが沸きあがり、その勢いで朝までかかってレポートのような文量の企画書を書きました。
 
テーマ会議はなんだか言葉にならない思いを込めすぎてたくさん時間がかかりましたが、「憧れ」という案は途中で「旅」という案と出会い、より奥行きのあるテーマになったと感じています。
 
 
今号で私は「旅に憧れて旅に出る」のエッセイと、「旅人の哲学」のデザインを担当しています。
 
「旅に憧れて旅に出る」では撮影旅に同行しました。
 
京都市内では見られない広い広い空の下、青い田んぼや海の匂いを思いきり吸って、何とかこの旅の雰囲気を覚えようとしていました。
 
翌週、写真とデザインを担当している北のから見せてもらった写真をもとに文章を作っていきました。
 
瞬間を切り取ったような、周りの音が遠のいていくような、不思議な空気を纏う写真。
 
旅への静かな憧憬が伝わってきました。
 
そんな「胸の奥のじんわりと熱いもの」が、文章でも伝えることが出来ていれば嬉しいです。
 
 

新メンバーのMOOちゃんと二人三脚で作った旅人の哲学では、先人が残した旅の言葉を紹介しています。
 
これが今までで最も難しいページになりました。
 
「旅」と「憧れ」にテーマを決めたけれど、単なる旅行雑誌にはしたくない。
 
私たちにしか伝えられないことを伝えたい…
 
そこで、読者の皆さんに「旅」について考えてもらう時間を作ることにしました。
 
私たちにとって旅ってなんなのでしょう。
 
ひとりになって何かについて考えたくて旅に出る人もいるだろうし、なんにも考えたくなくて旅に出る人もいる。
 
旅人の言葉には、読んでくれた人の旅を豊かにしてくれるかもしれないヒントがあります。
 
1分で読める箸休め的なページになっていますが、書かれているもの以上に時間をかけて楽しんでいただけると思います。
 
 


さて、私は今号の制作をもってmocoでの活動を終え、残る仕事はこの記事を書くことだけになりました。
 
良い機会なので、少し振り返りを。
 
私は昔から不器用で、人とかかわるのがとにかく苦手です。
 
自分の好きなように文字をあれこれこねくり回したり、線や色を組み合わせて絵を描いたりは好きでしたが、思ったことや感じたことを誰かに伝えたり届けたりということはあまりしてきませんでした。
 
そんな私が、2回生の春にmocoに出会いました。
 
最初の3か月くらいはイベントのステッカー作りから。
 
ついつい壁を作ったり相手を知ろうとしなかったりしてしまいましたが、
 
私が作ったものを見せる、
相手が作ったものを見る、
 
というふうにやりとりを繰り返すうちに、
 
伝えることをライフワークにしている人、
あふれるアイデアを形にできる人、
言葉の意味や響きや形にこだわりを持って扱う人、
 
私の目の前にはいろんな人がいることを知りました。
 
そのとき、自分1人しかいなかった世界が少し広がり、

mocoは私にとって
 
「表現する場所 それによって、人とつながる場所」
 
となりました。
 
大切なことを知れて、尊敬する仲間たちと一つのものを作れて、本当によかったです。
 
人生という旅の途中で、これからどう生きていくか若干迷子な20歳ですが、きっとここで過ごした時間が私を助けてくれるような気がします。
 
 
45号は私たちにとって特別な1冊になりました。
 
これから皆様の手に渡り何を感じていただけるのか、どきどきしつつも楽しみにしております。
 
Pandoではこれからもメンバーによる制作裏話が投稿される予定です!
 
こちらもぜひご覧ください。
 
ずいぶん長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。
 
 
ショーン

moco45号
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