物事はだいたい複雑で難しい

こんにちは、Pompadourの運営やってます。筒井です。

皆さんは、ある気になったニュースを調べて、データを見たときにこう感じたことはありませんか?

なんかめっちゃ複雑で因果関係がわからない!

そうなんです、だいたいの物事の因果関係って分かりづらいんです。


しかし、わかりやすさ重視で情報を単純化すると思わぬ危険が潜んでいるのです。


 先日、Twitterである投稿を見つけました。

「コロナウイルスによる外出自粛の中、カラオケの歌われている曲ランキングが昔のばかり!」

これを単純に捉えると、自粛の中でカラオケに行っているのは高齢者だ。となりますね。

しかし、その投稿に反応している方の投稿の中で気になるものを見つけました。

「私の勤めている老人ホームでは昔なつかしの歌のカラオケをBGM代わりに流しています。」

これを見て、私はこんな原因もあったのだと驚きました。もし、この事実が広まなければ批判が高齢者に向く可能性がありました。

因果関係を単純にすることの恐ろしさを感じた経験でした。



 この話だと実際に数値化されておらず、客観的事実に欠けるので、より具体的なものを紹介します。

ここで、世界の原子力発電所の着工機数の推移(出典:JAIF)を見てみましょう。

このグラフを見ると1080年代から1990年代にかけてTMI事故(アメリカで起きた原子力発電事故)やチェルノブイリ事故が影響し、着工機数が減少したように見えます。

つまり、原発事故が起きたから、着工数が減ったという因果関係が見え、単純な関係でわかりやすい!

しかし、このように結論づけていいのでしょうか。


ここで2つのデータを出します。

 一つは、国際原油価格の推移(出典:経済産業省)です。1980年代半ばにサウジアラビアが原油の減産を停止したことにより、原油価格が下落しています。この影響で原子力発電にシフトする流れが一瞬止まったのではないのでしょうか。

 もう一つは、アメリカ長期金利の推移(出典:FRB 横軸:月/年)です。1980年あたりで金利が急激に上がっていることが見られます。建設に莫大な資金のかかる原子力発電はこの時代では避けられたのはないのでしょうか。

 

 このように、一つのデータだけで結論づけようとしていた内容が複数のデータを持ち出すと、因果関係が複雑化しました。逆に言うと、一つのデータだけでも結論づけることができてしまうため、真実が埋もれてしまう可能性があるのです。

複雑なものはわかりづらく、面倒なのですが、物事の因果関係は、そんなに単純なものではないと心のなかに持っておくことが重要です。そして、より多くの情報を持って判断することも必要です。


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