“リアル脱出ゲーム” “謎解き”。
皆さんもこれらの単語を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そんな、知らない人はいないほどブームとなっているリアル脱出ゲームや謎解きを使って、地域の人と人を繋ぐことをビジョンに活動をしている学生団体 謎解き研究部Xcapeさんにインタビューをさせていただきました。
今年度から京都工芸繊維大学の公認団体となり、オンラインでの謎解き配信やクラウドファンディングなど、挑戦の幅を広げ続けるXcapeさんの活動に迫ります。
今回は、代表のK.θ.HさんとメンバーのYK°さんに参加していただいております。
Ethan K.θ.H
謎解き研究部 XcapeYK°
謎解き研究部 XcapeXcapeってどんな団体?
ーーXcapeが発足したきっかけを教えてください。
K.θ.H
元々所属していたサークルの合宿で、後輩が謎解きイベントを企画しているのを見て、「自分でもイベントやコンテンツを作ってみたい。自分でも作れるんじゃないか」と思ったことがきっかけです。そこから学祭での謎解きイベント実施を目指し、制作しようと動き始めました。
周りを巻き込んだ結果、3人のメンバーが集結。学祭での謎解きイベントは好評のうちに幕を閉じることができました。その後、イベントの評判が良かったことで、学生課の方からお話をいただき、大学公認のサークルとして活動することになりました。
ーー団体として大切にしているマインドはありますか?
K.θ.H
コンテンツに対して大切にしているマインドは「人と繋がれる体験」と「心に響く体験」です。
「人と繋がれる体験」を重視することで、老若男女が参加できるようなコンテンツを作ることに繋がります。知識を問う謎解きではなく、ひらめき力が問われるイメージです。
また、「心に響く体験」は、謎解き単体の楽しさに『ストーリーや感動』という要素も加えることになり、思い出に残るコンテンツに仕上げることを可能としています。
また、メンバー間では「1つ1つのアイデアに耳を傾ける」ということを大切にしていて。馬鹿馬鹿しいアイデアでも「おもしろいからやってみよう」という姿勢は忘れずに活動していきたいと思っています。
ーー団体のビジョンを教えて下さい。
K.θ.H
今は小さい団体ですが、地域の方々のコミュニティを作る役割を果たしていきたいと考えています。大学を拠点に地域を巻き込んでいきたいですね。
具体的には、大学の周辺にある小学校や大学などの教育機関にも手を伸ばし、街全体で開催する謎解きツアーを実現したいと思っています。そしていずれは、街からさらに全国へと活動範囲を拡大していくことが目標です。
ーーなにか、このビジョンに至るきっかけがあったのですか?
K.θ.H
京都工芸繊維大学は辺鄙(へんぴ)な場所にあることもあり、大学の認知度が高くないんです。さらに、地域の人たちとの関わりが全くない状況で……。
そんな中、大学近辺にある小学校のお祭りに行く機会があったんです。そこで小学生と地域の人が交流をしているのを見て、大学の学祭であれば地域の人たちと関わることができるのでは、と気づきました。
しかし結局のところ学祭の中身は、学生が出店して学生同士で楽しむだけのものになっていて、人々が交流できるコンテンツがなかったんです。こうした状況があったので、自分が好きな謎解きを通して、人と人が繋がれるような場を提供したいと考えました。
ーーXcapeにはどのようなメンバーが多いのでしょうか?
K.θ.H
いろいろな人がいますが、京都工芸繊維大学がデザイン建築に強いということもあり、デザイン建築を専攻しているメンバーが多いです。ですから、制作に興味はあるものの謎解きにはあまり興味がないというメンバーも結構います(笑)。
逆に、メンバー全員に共通しているのは「面白いことをしたい」と考えていることだと思いますね。
ちなみに、YK°は学祭当日の人手が足りず、お手伝いとして参加してもらったことがきっかけとなり、メンバーに加わってくれたんですよ。
YK°
私もK.θ.Hと同じサークルに所属していた関係から「ちょっと手伝って欲しい」と声をかけられ、当日のお手伝いをしたんです。なので私も謎解き自体に興味があるわけではなくて。ひらめきにも自信がないので、好きじゃないんです(笑)。
K.θ.H
このように謎解きではなく制作に興味があるメンバーも多く、多種多様なメンバーがいるところもXcapeらしさだと思います。
ーーXcapeの魅力や他団体との違いを教えてください。
K.θ.H
Xcapeの大きな魅力は、多種多様なメンバーがあらゆる角度からアイデアを出し、すぐ実行に移すことです。
謎解き団体としての他団体との違いは、デザイン建築に特化した演出を行えることです。京都工芸繊維大学の強みを生かすことができていると感じています。
YK°
この自粛期間で、活動が滞ってしまっているサークルや部活はたくさんあると思いますが、謎解きはリモートの状態でもできることも違いだと感じています。
実際に、『Xcapeへの挑戦状』という企画で、新歓活動も実施することができました。皆さんから謎を募集し、それを解いた動画を発信するという企画なのですが、多くの方からご参加いただき好評でした。
「心に響く体験」を意識したクラウドファンディング
ーークラウドファンディングに挑戦中だと伺いましたが、どのような経緯で実施することになったのでしょうか?
新しく設立した団体なので、初期費用がメンバーにとって大きな負担となっています。なのでその費用工面をするためにクラウドファンディングに挑戦しています。
また、コロナの影響もあって新メンバーの人数が少なくなってしまい、部費を集めることが難しくなってしまったのも理由のひとつです。
ーー現在はクラウドファンディングを中心に活動されているのですか?
K.θ.H
そうですね。メインで行っているのは、クラウドファンディングのリターンである『持ち帰り謎』の作成です。『持ち帰り謎』は会場に行かなければいけない普通の脱出ゲームとは違い、「好きな場所で、好きな時間に、好きな人と謎解きを楽しめる」をコンセプトにした謎解きグッズになっています。
※『持ち帰り謎』のビジュアルデザイン
ーー『持ち帰り謎』にはどのような思いが込められていますか?
K.θ.H
『持ち帰り謎』の形式上、どうしても会場で行う謎解きイベントより没入感が薄れてしまうので、単純作業で解く謎解きにならないように「心に響く体験」を普段より意識して作成しています。
YK°
また、謎解きの知識が少ない人でも楽しめるコンテンツになるように、という視点で作成しています。『持ち帰り謎』は相手の反応が見えず、ヒントなども出せないため、より一層慎重に難易度設定をする必要があるんです。だからこそ、私のような謎解きが得意ではない人の感覚がより重要になると考えています。
謎解きで人を繋げ、楽しんでもらうことを目指して
ーークラウドファンディング終了後のXcapeの活動について教えてください。
K.θ.H
今後は大学だけでなく小学校なども拠点として、人と繋がれるコミュニティや機会を作っていきたいと考えています。
そういった中で、今年挑戦したいと考えているのが「大学のキャンパスをめぐる謎解き」の制作です。
この企画の難しいところは、リアルタイムで相手の顔が見れないためフォローができないという点と、街を巡ることがテーマになるので手元にあるツールで謎解きを進めていかなければならないという点。このようなコンテンツは今まで制作したことがないので、大きな挑戦になると思います。
また、周辺の大学とのコラボもしていきたいですね。しかし、コラボをするためには団体としてそれなりのスキルも必要になるので、今年は団体のスキルを向上させる重要な年になると考えています。
ーー1年後にはどのような団体になっていることが目標ですか?
K.θ.H
「Xcape」と聞いた時に、「あ、あそこの団体楽しいところだよね」と僕たちの活動がすぐにイメージしてもらえるような団体にしていきたいです。つまりXcapeのブランドイメージが普及している状態を目指したいと考えています。
YK°
今年はコロナの影響で活動が制限されてしまい、今後もそのような状況が続いてしまうと思います。しかしそういった状況でも持ち帰り謎やリモートの企画など、できることをやれたと感じています。なので今後もより一層、状況に対して柔軟に対応していける団体になれたらと思います。
K.θ.H
確かに! 今の話から気づいたのですが、「この状況だからポジティブに考えよう」と動きだすことで生まれた企画も多いと思います。やはり「人を楽しませる」というのが団体の不変のテーマにはなるので、そのようなスタイルは大切にしていきたいですね。マイナスをプラスに変えられる団体にしていきたいです。
ーー最後におふたりのビジョンを教えてください!
K.θ.H
僕は好奇心旺盛なので、本当にやりたいことがたくさんあるんですよね(笑)。
建築を学んでいるので、自分の家を作りたいというのもありますし、建築以外にもエンタメに興味があるので、音楽や映画製作なんかもやっていきたいですね。
実は、自分の家を建てることやエンタメ系の活動は、Xcapeの活動と似ているところがあると思っていて。人に影響を与えるような環境やそういったモノ・コトを作り出すことが好きなんです。なので将来もそういった『仕事を仕事と思わないような仕事』に就きたいと考えています。
とにかくやりたいことがたくさんあるので、学生の間は色々なことを貪欲に経験していきたいですね。
YK°
ビジョンとは少し違ってしまいますが、今は何でもやってみたいと考えています。
この前、Instagramの投稿で絵を描いている投稿を見たんです。そしてそれに感化されて自分も絵を描いてみたらすごく楽しくて。
なので、こうした「やってみたい」「いいな」という感情を、思うだけで終わらせてしまうのではなくて、行動に移していきたいと考えています。行動するのにエネルギーが必要だからこそ、そうやって行動していけば学生生活が有意義になると思います。
また、こうした行動がXcapeの活動にも生きていくと感じていて。
メンバーの皆も、日常生活の中から得た気づきを謎解きに落とし込んでいくので、たくさん行動すればするほど制作へのインスピレーションに繋がるとも考えています。これからも「行動すること」を大切にしていきたいです。
謎解き研究部 Xcape
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