古美術研究会の美しき参謀。ではなく、連盟局長のにゃーすです。呼びづらいあだ名だとよく言われますが、先輩からの授かりものです。(尚、バイト先では大将から授かったミランダという通り名があります。ニックネームがもう迷子。私にももうわかりません。) 絵画パート所属、近世絵画が好きなような気がします。絵巻も好き。うちの会は夏休みに各自関心のあることを好きな用に研究して提出しなさいという会則がありますが、去年は「江戸の性と春画」を研究しました。いやぁー、楽しかったです。今年はもう少し焦点を絞るか、はたまたもう少し広い視点からみるか…細かい研究内容は迷いどころではありますが、自分が面白いと思ったものを深めていけたら良いと思っています。関心のあることを気の向くままやれるのがうちのサークルの良いところだと思うので。
今でこそ、「絵画パートこそ我が研究会の顔でしょうが!我がパート員は最高だな!!」と自分のパートを自分ででよいしょよいしょしている私ですが、元々は絵画パートに入る気はまったくありませんでした。むしろ、彫刻の方が興味あり、「険しい表情の明王像の眉間の皺…一生見ていられる…」という思いでサークルに入りました。けれど、入会当初の絵画パートの先輩方の絵画に対する愛、そしてなぁんにも絵画に対する知識の無い私にも「絵って勉強するとこんなに面白いんだ」と思わせてしまうようなプレゼンテーションに心惹かれ、今のパートを選びました。
絵画は他の庭園、彫刻、建築という他のパートとは決定的に違うところがあるように思います。一体なんでしょう?それは、立体性だとにゃーすは思っています。各四つのパートのみならず、芸術作品の多くが視覚に働きかける面が大きいです。(勿論、映画やアニメーションなどといった映像作品は視覚のみではないですね) そして、多くの絵画作品は物理的に立体性を欠いてしまいます。特に、日本画は平面的な構図の絵が多いです。それにもかかわらず、なぜ私たちは絵というものに惹きつけられるのでしょうか?それは、絵師達が様々な工夫を絵の中に落とし込んでいるからです。たとえば、構図や視点。絵巻などにおける吹抜屋台(屋根や屋内の梁などを取っ払い斜め上からの視点で人々を描く)はわかりやすい例だと思います。明らかに視点が特殊な例であり、鑑賞者の視線を寄せ付ける技巧です。他にも、形状という点もあります。同じ絵でも、六曲一隻の屏風と平面に描かれたものでは全くの別ものに見えます。また、面白いものであると、特殊なシチュエーションを用いることで人々の関心を引きつけるのに一役買っている絵画もあります。このように、普通に眺めているだけでは「綺麗だな、好きだな」で終わってしまう鑑賞という行為ですが、「なぜ自分はこの作品から目が離せないのだろう」「どうして自分は絵画が好きなんだろう」という何気ない疑問から出発し、作品の世界の深いところへと一歩踏み出してみると沢山の発見があり、鑑賞の視点も変わっていきます。自分の何でもない疑問を仲間と学び、共有していけたら発見は倍です。パートを問わず、サークル員の文化財や作品に対する面白いと感じることや発見、知識などをみんなで分け合いっこできるのが立命館大学古美術研究会の最大の魅力だと私は思っています。
さて、冒頭にて私は連盟局長と名乗りました。連盟局長というのは、立命館古美術研究会が所属している関西古美術連盟間での会合への参加や同連盟主催の合同散策の企画、そして我がサークルのメイン行事の一つでもある「非公開文化財特別拝観」での責任者を務めます。特別拝観は春と秋の年二回開催しており、サークル員は各お寺さんと連携し、特別公開の文化財についてのご案内や警備を行っています。普段お目にかかることの出来ない文化財を間近で学ぶことが出来る大変貴重な機会です。しかし、それとともに責任感も大きく、そのぶんやりがいもあります。最初は緊張しているサークル員も多いですが、なんだかんだ皆楽しんでやってくれています。
今はこのようなご時世であり、なかなかサークル員と顔を合わせることも難しいですが、いつの日かまた仲間達と見学会に行きたいです。帰りにケーキを食べて語りましょう。
それでは。
(写真は昨年度見学会で行った妙心寺春光院の襖絵です。)
「険しい表情の明王像の眉間の皺…一生見ていられる…」でクスッとしてしましい
コメントさせていただきました。
日本の絵画は立体感を欠いて余りある表現の豊かさがありますね
なぜ感情が動いたのかを辿りながら作品と向き合う時間は格別ですよね。
中学生の時に修学旅行で、龍の天井絵ツアーを組み妙心寺に訪れたことがありますが
襖絵も薄明かりに照らされていて趣があり見事ですね。
また京都を訪れる際には足を運んでみようと思います!
平澤さん
コメントありがとうございます🥰
個人的に作品を鑑賞する時に自分の直感的な好きと、具体的にこういうところが好きという2種類の好きを大切にしているので平澤さんの「作品と向き合う時間は格別」という、お言葉に共感の嵐です!
妙心寺さんは塔頭が沢山あり、特別公開という形でいろんなところが期間限定でかわるがわるあいているので、また特別公開の時期に合わせて来ていただけると京都をさらに楽しめると思います!私の推し妙心寺塔頭は天球院です!京狩野の祖、狩野山楽の襖絵が楽しめます。
にゃーす。さん
ご返信ありがとうございます!
共感いただけると思いコメントしたので嬉しいです。
妙心寺は期間限定で公開範囲が変わるのですね!友人が京都にいるので、推しの天球院の公開時期に合わせて行ってみようと思います∬゚д゚)