自分のやりたいこと

私がいま、やりたいと思っていることはより実践的な「やさしい日本語」の普及である。「やさしい日本語」とは3年生でも理解できるように作られている日本語のことである。この「やさしい日本語」の実践化とは私が考えている留学生や外国人労働者、さらに日本に興味をもった人が、より充実した生活を送るため、NPO/NGOによる日本語支援の方法を実現させる一部分である。

このようなことに目を向けるようになったのは学校の修学旅行の際のことである。高校2年生の秋に学校の修学旅行にいくことになり、ハワイにいくことになった。ハワイではとても楽しく友達と過ごし日本に帰国したが、再入国する時に友達に言われた一言が原因だった。「お前だけ時間長くね。みんな待ってたぞ。」である。悪意があるように言っている訳ではないのはわかるがこの言葉が何の言葉にもできないようなモゴモゴした形で私の胸に引っ掛かった。このようなことがあってから、私はそこまで意識したことのなかった自分の国籍について考えるようになった。そこで自分が持っている中国国籍と過去を見てみるといろいろなことがあったことがわかった。それは、小さい頃からあった中国人いじりである。「お前は中国人だから早く中国に帰れ!」や「中国人はマナーが悪いからな」、「あいつらはパクることしかできないからクソなんだ」などである。そしてこのようなことは、国際化が進んだ今の日本であっても初対面の人であれば普通に起こりうるいじりや批判である。小学校や中学校のときはこのような出来事で先生達などにも迷惑をかけることが多々あった。

 そのため、このようなトラブルをなくすにはどのような世の中になればいいのかを考えるようになった。そこで、私がまず考えたことは異文化をただ受け入れるだけではなくお互いが受け入れるための準備をする、また受け入れてもらうための準備をすることが必要なのではないかという考えに至った。なぜなら現在、外国からくる在留外国人数が約282万人いるとされており、法務省の統計によると平成8年~28年の20年間で在留外国人数は100万人以上増加している。そのため、年々増えている外国人の数に対して日本自体が準備できていない状況であり、その日本にくる外国人も準備できていない状況であるからだ。具体的に指摘されていることは、外国人が日本に滞在、生活する上での問題では、就職活動の仕組みや外国人を採用する求人の少なさ、仕事内容の不明確さ、意思疎通の難しさなどが挙げられている。その他にも、外国人労働者だからと待遇・労働環境等の差別を受ける 、コミュニケーションのすれ違いからなるトラブル、などといった日常生活の難航という問題を抱えている。そしてこれらの中にある共通点が「日本語」である。

 このようになってしまったのには日本政府による30年間の「自治体丸投げ」と「ボランティア頼み」である。そもそも、日本語教育はこれまで法的な根拠を持たず、外国人が多く暮らし対応が必要な自治体、ボランティア団体などが独自に行ってきた部分が大きく、教育の質や学ぶ機会へのチャンスは地域によって異なっていた。その丸投げされた自治体の中である一定の成果を成し遂げた要因として「やさしい日本語」が存在している。

 そこで私は、NPOを用いた実践的な外国人が生活しやすくなるための「やさしい日本語」を全国で普及させたい。その際には、今までに行われてきた地域によってバラツキのある施策を全国から集め、1つのビッグデータと活用していきたい。また、日本にくる予定の外国人達のこともフォローできるようなことしていきたい。