私のお気に入り

 もともと「お気に入り」が多い人間であることは自覚しているんです。
 両親にのびのびと育てられて、興味があることにはとにかく挑戦してみるような生き方をしてきたことも影響しているのかもしれません。

 しまった。先に自己紹介をしなくてはならないのでしたっけ。
 島根大学医学部・四年生の葛西と申します。僭越ながらてごほ~むに参加させていただいている学生の一人です。

 改めて、私のお気に入り……趣味についてお話しさせてください。もっとも、趣味と言えるほど高尚なものでもないのですが。
 例えば読書とか。小説を読むことが多いですが、雑学の本や図鑑を読むのも昔から好きでした。文字や絵を通して、自分が知らない世界を知ることができるのが楽しくてしょうがなかったんです。もちろん、漫画やアニメも同じくらい好きですね。
 別世界を見る、という意味では、映画鑑賞もこの並びに含まれるかもしれません。お気に入りのおやつを食べながら、家でまったりと観るのもよし。映画館で観るのも好きで、独特の臨場感や空気は他では味わい難いものだと常々感じています。

 そして、誰かとおしゃべりをすること。数あるお気に入りの中でも、最たるものといえばこれなのではないかと自負しています。
 今日に至るまで、私がてごほ~むに参加し続けている理由もそこにあります。

 大変恥ずかしながら、私自身はてごほ~むの中であんまり役に立てるような人材ではありません。
 それほど頭がいいわけではないし、教えるのが上手ということもない。そもそもそんなにしっかりものでもない。
 多浪しているから歳は重ねているけれど、だからといって特別な体験をしてきたわけではない。社会人として働いていた経験もない。
 行動力が全く無いわけではないと思うけれど、自分から何かしらの企画を立ち上げるような行動を起こしたこともないのです(これPandoの記事に載っけて大丈夫ですかね)。
 そんな私から見れば、てごほ~むに参加されている方々は誰もが輝いていて、とてもじゃないが自分とは比べようもないような素晴らしい人ばかり。
 しまった、これは軽率だったかもしれないぞ……。活動に参加してまもなく、そう後悔した瞬間もありました。ほんとに一瞬。ちょっとだけ。

 けれど、てごほ~むの方々はそんな私のことも温かく受け入れてくださいました。無理をする必要は全く無いんだよと笑ってくださいました。
 お調子者の私は、まあみなさんがそうおっしゃるのならとサッサと開き直ったわけです。もともと一晩以上悩み続けるのが苦手なので。
 今では「誰にとっての居場所ともなれるのなら、てごほ~むに私みたいなパッパラパーがいるのも必然の理」と考えています。もちろん、自分にできることならなんでもしてやるという気概はありますが。

 話がそれてしまいましたが、先程も記したとおり、私は誰かとしゃべることが大好きです。
 だからこそ、毎週のてごほ~むが楽しみでしょうがない。てごほ~むに参加されている皆様、そしててごほ~むに来てくれる子どもたちと話すのがとにかく楽しい。
 相変わらず、苦手な数学の質問などは一年生に任せてしまうような情けない先輩なので、あんまり頼りにはされていないと思いますが……。
 画面の向こうで誰かが笑ってくれたのなら、それだけでも私が参加した意味はあるのかな、などと驕ってみたりしているわけです。


 結局、私はてごほ~むを通じて助けてもらっている側の人間なのです。
 あ、いや、違うな。そもそもてごほ~むの活動は「助ける側」と「助けられる側」なんて偉そうなものではないんだった。

 随分と長ったらしい文章を書いてしまったので、そろそろ筆を置こうと思います。
 最後になってしまいましたが、添付した写真について。
 おしゃべりとおんなじくらい、私は手紙を書くのも好きなんです。要するに、人と交流するのが好きなんですね。
 便箋と封筒と切手を選び、悩みながら文字を書いて、慎重に封をする。その間、手紙を送る相手のことをずっと考えています。そろそろ夏の挨拶を送らないと。
 手紙を送る相手は、これまで本当にお世話になった方々ばかり。でも本当は、今までに私を助けてくださった方は、手紙が何通あっても足りないほどたくさんいらっしゃるんですよね。

 そうして与えられてきたたくさんの優しさのうち、ほんの一握りでも、てごほ~むを通じて誰かに返すことができればいいなと思っています。