あなたにとって大切にすべきことは何だろうか。時間、お金、家族…。思い当たるものはいくつもあるが、私は以前から一番大切にすべきことは自我だと思いながら生きてきた。自分の意思を強く持って発信していく。私と付き合いの長い友人たちは私の特性ははっきりものを言うところだと言う。しかし、その価値観を変えることがあった。
UniCycleは私が大学に入ってから仲間を集めて設立した団体である。しかし火種はもう少し前から起こっていた。高校時代、ある人が講演にやってきた。繊維リサイクルで起業した人だ。話の上手い人だった。聴き手をワクワクさせる力があり、講演には一歩身を引くように参加していた同級生たちが珍しく触発されていた。私もその一人だった。衣類がリサイクルされる社会をつくりたい。しかし、当時高校2年生だった私は、大学受験を言い訳にして、行動に移さなかった。移す勇気も術もなかった。秘めた思いであった。
飽き性な私にしては珍しく一年以上経過してもその熱は冷めなかった。大学入学後、衣類リサイクルについて調べていた私は偶然ある出会いをすることになる。行動力のある人だった。私はその人に自分の思いを話した。その人は私に手段を与えてくれた。その手段をもとに環境を変えてみた。それから半年、私は私の思いを機会があれば話すようになった。それを聞いた人の多くが応援してくれた。後押ししてくれる人もいた。そして共感してくれる人と団体設立を果たした。
設立後、多くの困難があった。仲間集めが一番難しいと思っていた私は苦戦した。多くの人の主張のなかで自分たちの思いを通すのは簡単なことではなかった。それぞれの立場に正義があり、うまく折り合いをつけられなかった。しかし彼らは共通して、私たちの思いに共感してくれた。最大限に寄り添ってくれた。そして今、良い方向に向かおうとしている。
UniCycleの活動を通して、私個人の中で大きな変化が繰り返された。それは時に外面的で、時に内面的であった。しかし共通する点がある。それは人との出会いがあったということだ。今の私は、大切にすべきことは出会いだと思う。