WorldFutという存在が果たす3つの役割

「WorldFutはどうあるべきか。」

本気で活動してきた3年間、幾度となく考えたこの問いに一つの答えを出そうと思う。

都内の学生を中心にメンバーが集まり、国内でのイベントの企画運営、そしてカンボジアでサッカーの普及活動を行うWorldFut。

僕が考えるWorldFutの役割は大きく分けて3つ。

①対等な協力者としての役割

②想いの代替機能としての役割

③学び舎としての役割


まずは「対等な協力者としての役割」について。

WorldFutの活動のメインはやはりカンボジアでのサッカーの普及活動である。

社会人でも専門家でもなく、お金も知識もない学生が行う国際協力。当然、めちゃくちゃ難しいし、責任も重い。

啓蒙活動ってどうなの...? 自己満足じゃない...?

WorldFutの活動について周囲からこんな声が聞こえてくることもしばしば。

こんな活動の不安や迷いが吹っ切れた出来事がある。

昨年カンボジアに足を運んだ際、10年間サポートした校長先生に言われた言葉。

「WorldFutの活動はまだまだ。だってまだこの学校からプロサッカー選手出てないし。」

悔しさを感じると同時に、そんな気持ちを打ち消すほど胸が熱くなるのを感じた。自分たちが思い描いていた「農村地域からプロサッカー選手が生まれる」という夢。この人は自分たちの仲間で、同じ理想を描いている。活動の意義に対しての不安が確信に変わった。

その場でガッツリと握手を交し、今後のプロジェクトを計画。僕らの帰国後に校長先生の主動でサッカー大会が開催された。

支援側、被支援側の関係性ではなく、同じ理想の絵を思い描く仲間として、対等な協力者であることが大切である。啓蒙でも偽善でも自己満足でもない。現地の仲間と夢を追いかける活動だ。

農村地域の小学校の校長との一枚。「Picture!」と誘ってくれるお茶目な一面も。


そして「想いの代替機能としての役割」について。

WorldFutは年間の大半を日本で過ごす。そして毎年のカンボジアでの活動は国内の方々のご協力のおかげで成り立っている。

団体内部からカンボジアの活動に集中すべきだ、なんて意見も時には出るが僕はこの国内での活動にも大きな役割があると考えている。

例えばチャリティフットサル大会。毎回200~300名の方々が参加し、イベントを盛り上げてくださる。チャリティの名の下に集まってくれるため、大会の中ではどんなに少なくとも参加者の方が僕たちの活動について触れる機会を設けるようにする。

彼らが少しでも僕らの活動を理解し、カンボジアの子ども達のことを想い、大会へ参加してくだされば、僕らがいただく参加費がただのお金から想いへと変化する。

そして参加者の方から受け取った想いへ僕らの想いを添えて、子ども達へ届ける。そんな素敵な想いのサイクルを活動を通してWorldFutは作ることができる。

彼らの想いを僕たちのプロジェクトに替え、活動する。WorldFutが関わる国内とカンボジアの人々が、WorldFutを通じて一つの円になる。

両者を繋ぐ役割がWorldFutにはあると考える。

第19回チャリティフットサル大会にて

そして「学び舎としての役割」について。

昨年、代表を務めたが一番強く意識をしたのがこの役割だった。

WorldFutは所属する学生が大きく成長する環境としての機能が非常に優れている。

論点が何重にも重なる正解のない複雑で難解な問題。何がより良いのかを今までの経験や学びを頼りに議論を進める。自分たちのこだわり次第で無限に作れる仕事、そして自分の意欲次第でいくらでも与えられる裁量。カンボジアという国に協力をしてもらいながら、学生が成長できる場だと考えている。

一つのビジョンのもとに集まった学生。「誰のためにやるのか」といったビジネスとはまた別の側面の社会的価値を広く深く思考することで、なぜ生きるのかという大きな問いから、目の前の仕事に向き合う姿勢などWorldFutならではの価値観が形成される。社会人になる前にこの学生団体を通過することは大きな意味があると考える。

この環境を踏み台として、次のステップに挑戦するも良い。この環境で上の役職を目指し、マネジメントを経験するも良い。

例えば、より自分のやりたいことに活動を近づけていくために、起業やNPOを設立するメンバーもいる。また僕自身に関しては、学生50名の統括をし、リーダーシップという観点においては日本でトップクラスの経験をさせてもらえたと思っている。

カンボジア、国内の直接の活動だけではなく、この学び舎を通して世界をよりよくする人材が毎年輩出されている。

そんな環境に身を置けた1人の幸せ者として、これまで団体を作り上げてきてくれた全ての人々に感謝をしています。


これからもWorldFutは我々の役割を果たして行きたいと思います。

メンバーのみんな、頑張ろうね。