イベントを終えて
山梨県北杜市高根町清里の憩いの郷と言われる「萌木の村」を訪れた。株式会社クインテット主催の山梨インターンシップの一環だ。今回のインターンシップでは「萌木の村」と同時に、インクカートリッジのリサイクル事業で循環型社会を目指すジット株式会社にも訪問させていただいた。
1日目を終えて
株式会社クインテット本社からマイクロバスで3時間かけて「萌木の村」に移動した。バス内では初めて会う他大学の学生たちと3日間の目標を語った。
「萌木の村」では清里の成り立ちから現在に至るまでの歴史を学ぶとともに、自然と共生しようとする努力と工夫の在り方を学んだ。例えば、地ビールを作るときに出るポップ屑や毎朝の掃除で集めた落ち葉を堆肥として利用する、畑を開拓した際に除去した石を使って野面積みの石垣を組むなどだ。
清里は一時期観光地として「高原の原宿」と呼ばれた。しかし「萌木の村」代表の舩木上次(ふなき・じょうじ)氏は本当の意味での文化を地元に根付かせることが何よりも重要だと語る。
自然と共生しながらも、自らの文化を継承し発展させ、時には大きく改革しながら進み続けるその姿には、筆者の心のふるさとである沖縄の経済優先となってしまった観光業へのある種のアンチテーゼが現れているように思えてならなかった。決して経済優先ではなく文化と自然を守り育てていく姿勢は、私たちに何を語りかけているのだろうか。
夜には満天の星空を楽しみながら、清里の持つ自然の情景に心を落ち着かせながら、そんな問いを胸に秘めて一日目は終わった。
2日目を終えて
「萌木の村」の朝の落ち葉拾いから2日目は始まった。冬の訪れを告げる寒空の下、清里の自然と向き合いながら朝焼けに照らされた頬がひりついたのを覚えている。
落ち葉拾いを終えたのち、バスで移動した先は、南アルプス市に本社を置くジット株式会社だ。ジット株式会社はリサイクルインク業界では唯一インクの内製化に成功している会社で、現在ではリサイクルインクをはじめ、全商品に自社製インクを使用している。
2010年にはリサイクルインク販売個数第1位を獲得し、日本国内生産数1位が大きく注目された。現在、非純正インクメーカーでの生産数量では世界第7位という業績を残している。
そんなジット株式会社の施設見学や従業員との交流会、そしてインターンシップのために用意していただいたワークショップを通じて、ジット株式会社が大切にしている「Just In Time」(必要なものを必要なときに必要な分スピーディに届ける、という意味でここでは解釈されている)の精神を感じることができた。
保育所を作ることで産休・育休からの復帰率100%を維持し、コロナ禍での医療危機に際しては医療品の製造認可をもぎ取って消毒用アルコールや不織布マスクを作り、明瞭化された社内教育の要点をまとめた「ジット魂」なる教科書まで完備するという徹底ぶりだ。
管理部の小宮山かおり(こみやま・かおり)さんは「就活の目的は就職することではなく、就職後の在りたい自分の姿をイメージし、実現することだ」と語る。決して就職することがゴールになるのではなく、新たな人生の幕開けとなれるような姿勢が、就活生には求められるという。
そうした根本的な視点を、ぜひ忘れずに最終日のインターンシップを迎えたいと思う。
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2021.10.30【インターン報告②】ジット株式会社
あっきー
Pandoアカデミー