なぜフィンランドでは英語を話せる人が多いのか?

こんにちは。小田すみれです。

フィンランドは教育大国で、日本でもテレビ番組や本、雑誌に取り上げられることが度々あります。公用語はフィンランド語とスウェーデン語ですが、英語のレベルも他の国に比べると高い印象があります。
今回はフィンランドで高校に通いながら現地の人と暮らして見つけた「フィンランドで英語が話せる人が多い理由」を私なりに3つにまとめてみました。


フィンランドで英語が話せる人が多い理由①
「小さいころから英語に耳が慣れている」


フィンランドは人口が少ないため、多くのテレビ番組や映画が吹き替えではなく字幕付きで放送されます。そのため小さいことから家でテレビから流れる英語を無意識に聞いて耳が慣れているのだと思います。私のホストシスターもいつも寝る前に英語のシリーズを書けて聞き流しをしていました。また時々英語ではなくフランス語やスウェーデン語のドラマが入っていることもあります。聞いた話によるとフィンランドの番組は実に600以上のチャンネルがあるそう。世界の他の国の番組がそのまま観れるようになっているみたいです。


フィンランドで英語が話せる人が多い理由②
「小学校1年生から始まる英語教育」


2つ目の理由は教育にあると思います。今では小学校1年生から義務教育のカリキュラムに英語の授業が組み込まれています。やはり言語習得は若い時のほうがよいので、1年生の年齢から学校で英語を学び始められるのはとてもいいと思いました。


私は高校の英語の授業をとっているのですが、「英語を」学ぶのに加えて「英語で」社会問題や世界の文化、テクノロジー、将来の職などについて学び、考える授業が多いです。フィンランドの高校では一般的に1学期が2か月制で、学期毎にコースが変わります。英語もコースごとに「環境問題」「映画と音楽、文学」「政治」「職業」などのテーマが決まっています。環境問題がテーマの授業では各自が関心のある環境問題について調べてレポートを書く、映画や文学のコースでは学期を通して英語の本を読んでクラスメートと感想を共有しあう、などのワークがありました。また将来の職業について考えるコースでは、様々な生き方をしている人について調べ、自分の将来について考えたり、実際に履歴書を書く練習もしました。


ちなみに私たちのクラスではStudeoという電子教材を活用しています。普段の授業から、ノートパソコン1台で授業、宿題、先生との連絡、試験を済ませるので効率もよく、ネットの最新の情報をうまく活用できていると感じました。


またイギリス英語を学ぶだけでなく、アメリカの大統領のスピーチを聞いてディスカッションをする時間があったり、オーストラリア英語の言い回しを覚えたり、試験のリスニングでインド人がインドなまりの英語で会話している問題がでてきたりと様々な英語に触れる機会があるのも印象的です。



フィンランドで英語が話せる人が多い理由③
「テストのための英語ではなく将来使うために」


最後に挙げるのは、テストのためではなく将来のために勉強している人が多いということです。はじめにも書きましたが、フィンランドは人口も少なく、ヨーロッパ各国との関わりも多い国です。私の周りでも高校卒業後は海外の大学に進学したい、将来はいろんな国に住みながら仕事をしたいという人がたくさんいます。この場合英語を流暢に話せることは必須になってきます。またフィンランドの大学でも英語での講義が多いそうです。

言語を学ぶときには、その言語を使う機会があるか、何を目的に学ぶかがとても重要になってくると思います。すべての人ではありませんが、フィンランドでは英語を使う機会があり、将来役に立つ・将来英語を使って仕事をしたいという思いで勉強しているの生徒が多いです。




ここまで3つの観点から私が思う「フィンランドで英語が話せる人が多い理由」について書きました。私は高校に通っているだけなので、詳しくみていけば他にもいろいろと理由が見えてくるはずです。

実はフィンランドの高校の授業の中でも特に成績が悪く苦戦しているのが英語です。言語習得は得意なほうではなく、高校入学時のスタートラインも違っていたので大変ですが、学ぶ目的ははっきりしているのでこれからも諦めずに楽しく学べればなと思います。

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