私達のまちに原子爆弾が襲いかかったあの日から、ちょうど75年。4分の3世紀が経った今も、私達は「核兵器のある世界」に暮らしています。
どうして私達人間は、核兵器を未だになくすことができないでいるのでしょうか。人の命を無残に奪い、人間らしく死ぬことも許さず、放射能による苦しみを生涯背負わせ続ける、このむごい兵器を捨て去る事ができないのでしょうか。
長崎市長 田上 富久
DEVNETの使命は、「経済開発、社会的平等、生態学的持続可能性、ジェンダーの平等、自然災害への耐性と平和のため、市民社会組織、地方及び国の自治体、起業家間におけるパートナーシップと交流を創出し促進すること」です。
創設以来、Devnetの取り組みは、開発の機会を増やすプロジェクトで、世界中の善意の人々のネットワークに貢献すること、環境の持続可能性に貢献すること、そして、平和な相互通信の国際社会の舞台を構築することです。
この世界的パンデミックの時代に、世界で生きている深刻で体系的な不平等が露呈されました。世界の持続的な脆弱性–現在の緊急事態に直面しているだけでなく、気候危機への対応の鈍化、及びある国々による核兵器への継続的な存在と依存です。
75年前、広島と長崎で人類史上初めて核爆弾の威力が使用されました。その瞬間の恐怖は、広がっていた残酷な地球規模の戦争のなかでさえ、非常に大きかったため、世界の指導者たちは二度とそのような兵器を二度と利用しないことを約束しました。
Devnetが全面的に支援することを約束している国連の持続可能な開発目標の核心は、誰も置き去りにすることなく、最も届きにくいところから取り組むという彼らの約束です。
発展の機会と質の高い生活を持つ人類を構築することへの支援は、全ての人が手にすることが出来ます。
発展、平和と安全、人権は完全に相互に関連し、相互に強化しており、それが理由でコロナウイルスの影響で、限られたグループのみしか参加できない8月9日、長崎の平和公園での長崎の原爆祈念平和式典にDevnetが今回招待されたことは、名誉なことです。
2013年、Devnetの創設者であるロベルト・サビオ氏は、「声のない人々に声を与えることによる平和の世紀の構築に向けた貢献」として、2013年に創価学会の広島平和賞を受賞しました。
日本の首相は核兵器を保有する国を含む68カ国の代表や国際機関とともに式典に出席しました。 日本は「核兵器のない世界」の実現に向けて、恐怖の論理を超えて国際社会の取り組みをリードしています。
しかし、世界中の国々は依然として核兵器を保有しており、21世紀の核兵器の近代化に取り組んでいます。
この件に関して、国連事務総長は以下のように述べています。(式典には代理人が出席しました。)
「気候変動とともに、核兵器は私たちの社会に対する実存的な脅威です。
現在世界の兵器庫にあるおよそ13,000の核兵器のほとんどは、広島と長崎に投下された爆弾よりもはるかに破壊的です。どんな用途でも、想像を絶する割合の人道的災害を引き起こします。
核戦争に勝者はいない、戦ってはならないという共通の理解と、核兵器のない世界に向けて取り組むべきという共同合意、そして核兵器廃絶に向けた歴史的進歩を可能にする協力の精神に戻る時が来ました。75年という長い年月が過ぎたにもかかわらず、未だ核兵器の所持が安全を強化するのではなく、減少させていることを学ばれていません。 今日、核兵器のない世界は私たちの把握からさらにずれているようです。分裂、不信、そして対話の欠如は、世界を自由な戦略的核競争に戻すことを脅かしています。」
平和構築と開発は共生関係にあります。 現在東京に拠点を置くDevnetの取り組みには、日本政府とアジア地域の国々、民間セクターの協力を通じて行われている能力構築プログラム(技能実習制度)が、国連原則の持続可能な開発目標と人権の文脈の中で実施されていることを監督することへの貢献が特に含まれています。
世界は、地球の持続可能性に反する核兵器の膨大な兵器を開発してきました。 これらの兵器の使用は、文明を破壊するだけでなく、人間や他のほとんどの形態の複雑な生活の将来を阻止する可能性があります。 今日、パンデミックと気候変動に加えて、これらの兵器を制御して排除することが求められています。
Devnetの目標は、核兵器のような過去からの重大な国際的脅威や、生命維持装置との持続不可能な相互作用から生じる新しいものに対処する能力の構築に貢献するために、共通の利益と持続的な開発目標を追求しながら、増加するパートナーシップとネットワークの創造を通して国際的な協力と信頼を促進することです。
*写真: 長崎平和祈念式典で加藤 勝信(かとう かつのぶ)厚生労働大臣と