アジア諸国へ職能・技能開発支援

英文: DEVNET INTERNATIONAL COLLABORATES IN CAPACITY BUILDING PROGRAMME

Devnet International(以下、Devnet)は、ビジネスと人権に関する国連指導原則に則り、持続可能な開発(2030年の国連アジェンダ目標8ターゲット7)の実践(以下、最重要原則)に基づいている。

Devnet の活動は最重要原則を基本とし、日本国内の活動として、海外技能実習制度(TITP)に着目し、民間セクター、その他の非政府組織、および日本政府との協力のもとに活動している。外国人技能実習制度とは、以前より行われていた海外の現地法人などの社員教育として行われていた研修制度が評価され、これを原型として1993年に制度化されたもの。技能実習制度の目的は、日本で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという、国際協力の推進にある。

Devnetの現在の主な活動は、日本で実施されている海外技能実習制度とともに国連で推進されている最重要原則の実践を目的としている。

具体的には受入企業・団体(民間セクター)に対し、技能実習生の受け入れ手順の検討・発展にむけた指針や指導、オリエンテーション、監理・監督、およびコンサルティングを行い、ビジネスと人権に関する国連指導原則およびSDGsを遵守していることを確認する。実習生への支援として、日本語と日本文化の事前講習などを提供している。また、原則に反したコンプライアンス違反の状況が発生した場合には、技能実習計画の改善サポートなどを実施している。

2016年以降、これらの活動を実施する上で、法務省及び厚生労働省が所管する認可法人・外国人技能実習機構(OTIT)、実習生の選別と事前研修の役割を担っているベトナムとタイの送出し機関、日本の受入機関など複数の機関・団体と緊密に連携している。

また、Devnet の目的達成のために企業・団体間取引の円滑化だけではなく、実習生の権利と保護の活動も行っている。そのため必要な情報を持つ在ベトナム日本大使館及びベトナムの団体など各監理団体と協力し、実習場所への定期的な訪問も行う。ビジネスと人権に関する国連指導原則および SDGs に遵守しない企業をプログラムから除外することで目的を遂行する。この技能実習制度コラボレーションモデルは、2018 年タイにも拡大された。

技能実習制度の発展には主に以下のプロジェクト段階がある。1.採用2. 語学 / 文化導入3. ビザの許可 4.語学研修の続き5. 技能実習の開始6. 帰国7.自国での事業の起業計画の発展。 

そのうち、Devnetは主に以下の活動をしている。1.採用:受入民間企業への実習の職種、特定分野、及び保証に関して送出国の政府機関と協議、語学/文化導入:来日する実習生の実習を調整、5. 技能実習の開始:民間セクターである受入企業・団体への監督、7.自国での事業の起業計画の発展:実習生の起業の立ち上げをサポートするため、JICA 及び自国での諸団体との交渉。

Devnet が調整及びコンサルティングしてきた技能実習制度に関連する民間企業と実習の職種分野は、以下のとおり。アイシン高丘株式会社 /(鋳物・機械検査)、株式会社原田 /(パン製造)、 株式会社日本アウトソーシング /(プラスチック成形)、五大自動車工業株式 会社(自動車整備)、山晃食品株式会社 / (惣菜製造)、鴻池運輸株式会社 / (ハム・ソーセージ・ベーコン製造,工業包装)。

ベトナムから既に約100人の実習生が、さまざまな分野で実習を受けており、その内46人は既に実習を完了している。将来的にDevnetは、技能実習起業家能力構築プログラムに参加する送出国の数を、今後5年間でベトナムから 1000人、タイから500 人、ミャンマーから1000 人、カンボジアから1500人、ラオスから500人に拡大することを目標としている。