東京大学新領域創成科学研究科 修士1年 佐藤素気 (twitter:@M_Sato_ut)
【本プログラムを受講した感想】
事業創造デザインプログラムということで、実践型のプログラムだった。
デザイン思考やジョブ理論についての座学を受けつつ、事業創造の一連の流れを体験することができた。CPF(顧客と課題の適合)およびPSF(課題と解決策の適合)の流れをインプットすることもできた。
しかし、講義時間が短いということもあり、CPFとPSFを十分にサイクルさせることはできなかった。それでも、私のチームは一度ピボットを行ったため、2周回すことができた。
今まで受けてきた講義では、時間の関係上ピボットをしたことがなかったため、とても価値のある経験となった。
コロナ禍という難しい環境の中での講義・グループワークであったため、十分な連携を取ることができずに作業の進捗が停滞することも何度かあった。しかし、まさに我々が直面しているコロナ禍におけるコミュニケーション問題についても考える機会となったため良かった。
以下に、実際に考案したソリューションについて、ピッチに使用したスライドも用いて説明する。
【ソリューション①:気分転換カプセル】
ソリューションとしては、コロナ禍・在宅ワークにおける気分転換に着目した。まず初めに考えたソリューションは気分転換カプセルである。在宅ワークでも効果の高い気分転換をする、休憩中のスマホ依存による非リラックスを解消するデバイスである。これは、以下の特徴を有するデバイスである。
- 在宅ワークと空間的・情報的に分断可能
- ディスプレイ、ディフューザー、ファン、スピーカー等により様々な休憩・気分転換ができる
例)海・森・川にいるような感覚提示,4DXのような映像視聴,自分だけの美術館 - スマホを使わないことにメリットがある
外部ボックスにスマホお入れることで,充電や写真・動画・音楽の共有が行える - 機能に拡張性を持たせている(様々な価格プランに対応可能)
例)ディスプレイの個数,スピーカーの個数,ディフューザーの有無,ファンの有無
しかし、顧客インタビューの結果、以下のことが発覚した。
- 大きなハードは好まれない
- 低価格志向な顧客が多い
- スマホを第一の気分転換手法としてとらえている
(スマホ依存の傾向が大きく、脱却方針は逆効果になりうる)
このことより、ピッチ直前にピボットを行った。
ピボットの方針としては、以下の通りである。
- 機能を絞り込むことによる小型化・低価格化
- 普段行われているスマホによる気分転換効果の向上
【ソリューション②:Smart Smell】
SmartSmellを一言で説明すると,
「映像コンテンツに合わせてにおいが自動で変化するアロマ加湿器」である.
少し詳しく説明すると,超音波加湿器をベースとし,動画に対する画像処理の結果に応じて,気化させるボトルをスイッチングするデバイスである.このスイッチングによって,においを変化させることが可能になっている.映像コンテンツと連動させてスイッチングすることによって,「映像コンテンツに合わせてにおいが自動で変化する」という機能を実現させている.
SmartSmellの特徴を以下に示す。
- 低価格
- 加湿器として利用でき日常に溶け込みやすいため、手軽に利用可能
- スマホによる動画視聴との連動
→映像シーンに合わせてにおいを自動で変化させることが可能 - 多くの種類のにおいを出すことが可能