3カ月の講義を振り返って

3カ月の及ぶ講義が先日、最終報告をもって終了した。

 今回、私がこの講義を通して学びたかったデザイン思考をもとに新規事業を創出するということについて記述したい。

 世の中の不満、不便から潜在的なニーズを見つけ、それをジョブという人の欲求に置き換え、そこからソリューションを作りだした本講義。

 VRを使って、何か斬新なサービスを作るという志のもと我々、Aチームは結成された。当初はVRを使った旅行の計画を補助するサービスを考えていたが、インタビューを進めるうえでVRの普及率の低さからソリューションを大幅に変更した。

 旅行というフィールドは変えずに現代の若者の受動性という部分に着目した、家でゴロゴロ、スマホをいじる感覚で行き先を決めることができるスマートフォンアプリというコンセプトでソリューション再構築した。

 チームのメンバーは急な変更にも関わらず、最終的な発表までにインタビューを敢行し、プレゼンテーション資料の完成、発表まで行っていただき非常に感謝している。

 今回、私の大きな学びとしては常に日常生活から常に不満、不便という「不の体験」を意識して生活できるようになったことだ。人の顕在化されたニーズの解消ではイノベーションは起こせないと私は考えている。日々の行動や現象について常にアンテナを張り、なぜ?という疑問を持って深堀することで潜在的ニーズをようやく見つけることができる。世の中の人の「不の体験」を意識して見つけ、なぜそう思っているのか、どうやったらその人の「不の体験」を解消できるのかを常に考える姿勢は新たな事業を生み出す基本的な姿勢であると考える。本講義を通して、そのような姿勢を学べたことに非常に感謝している。

 また余談になるが、個人的にはVRを使った斬新なソリューションを発案した世界線でAチームのみんなとプレゼンテーションもしてみたかった。今回は別のソリューションになってしまったがVRは今後、飛躍する分野であり、VRデバイスも進化するであろう。VRの普及率が飛躍的に挙がった未来で面白いソリューションが生まれてくることに期待したい。

 最後に岩尾先生をはじめ、SSDCの皆さま、関係者の皆さま、この度はコロナ過という大変な状況にも関わらず、対面式も織り交ぜた大変、勉強になる講義を開催していただき、誠にありがとうございました。