【復習】コンピュータサイエンス単元
◎講義の内容
講義の中では主に、AIがどういった部分で活用されているのか、そしてこれからはどのように活用されていくのかについてお話いただきました。
【AI活用の面白い例】
・NHKのニュースを自動的にやさしい日本語に書き換えるシステム
・山にどれだけの木があるのかを立体的に把握するシステム
・サッカーの試合における選手の動きを解析するシステム
どれも、良質かつ大量のデータがあって初めて意味を成すものであるので、AIを「天才になることが確約された赤ちゃん」とも表現されていました。
ではその質の高いデータとは何か。これを見極めることがこれから必要になってくる能力だということも同時に指摘されていました。人類の長い歴史からしても、ごく最近になって急速に情報の量が増えてきています。個人的には意外だったのですが、それはクラウドコンピューティングが生まれたからだとのことでした。保存が簡単になることで、大事なものもそうでないものも、人々が気軽に残すようになり、それが結果として情報爆発といわれる程の情報の増加につながったのだというのは目から鱗でした。
そして最終的には情報化していく社会の中で私たちが考えていくべきテーマを提示していただきました。様々なものがDX化していくことが必至な世の中で、私たちは私たち人間にできることを考えていかなければなりません。人の仕事として最後まで残るのは何か。残って欲しいのは何か。それを考えていかなければならないということを強く繰り返されていたのが印象的でした。
◎講義やリフレクションを受けて
正直なところ、私がまず課題図書のシン・ニホンを呼んで感じたのが「私には関係ないかもしれない…」という感情でした。世の中がIT化していっていることも、それに適応した人材が必要であることも、就職活動をする中で身にしみて理解していました。しかし、これまで文系の学生として過ごしてきて、理系の科目に興味を持てなかった自分としては、シン・ニホンで言われているような人材には今更なり得ないのではないかと感じていました。きっと講義の中でも、IT人材になれ、プログラミングを学べと言われ、劣等感に苛まれるのではないかと恐れていました。しかし、そのような予想が、実際の講義の中で良い意味で裏切られました。個人的に印象に残った話題は以下の2つです。
①「AIvs人間」ではない?
SFの世界や世の中で一般的に言われているものでは、AIが心を持って人間を超えるように想定されることが多いですが、AIは決して人間に敵対するものではないということが、今回でとても腑に落ちました。そもそもAIの仕組みとして、アルゴリズムとデータの両者があって初めて成果が生まれるもので、AIが自分で考えて新しく何かをする、というのはまた別の議論だということでした。AIは我々人間を侵す侵略者ではなく、今まで人間には考えつかなかった可能性を提示してくれる媒介者なのだということが、将棋の例などがら実感をもって理解できました。個人的には、例えば今は不可能だと言われている芸術の分野に取り入れていくのも一種面白いのではないかと思いました。AIが様々な演劇の台本のデータから導き出した新しい台本が、全く意味を成していないものになったと冷笑的に報道されていたのを見たことがありますが、私はそれが、一種ナンセンス文学として非常に面白いものではないかとも感じました。人間が考えつかないような意味のない設定、流れを、人間が演じることで意味づけしていくというのも面白いのではないかと思いました。
②無形の価値
AIが最低限のことは効率的にやってくれるようになる中で、最後に私たちに残されたやるべきことは何か、ということが考えるべきテーマとしてとても印象に残りました。ですが、講義内でも言及されていた、AIの活用によって「仕事を奪われる」と叫ぶ人々のことも決して忘れてはいけないと思いました。どんなに単純な労働で、誰にでもできることだとしても、そこでしか生きられない人々は確実にいるのだという視点は持ち続けたいと思いました。私自身、情報スキルがないと使えない人材だ、という社会になってしまえば生きていくことができないと思います。課題図書の中でも教育の重要性が言われていたように、人間にしかできない価値が生み出せる人しか生き残れない社会にはなってしまわないように、考えて続けていきたいと思いました。
テクノロジーやITに志向性を持たないならそれでいい、でもこの「人間にしかできないことは何か」はどの分野にいても考えなければいけないテーマになる、と言われたのが自分にとっては衝撃でした。そこでやっと初めて、このコンピュータサイエンス単元が自分事になった感覚がしました。自分にはできない、自分には関係ない、そう思って自分はだめだと思って立ち止まっても意味がないと思います。これから自分がどんな将来を歩むかはまだわかりませんが、どのような道に進んでも、今回言われたテーマには必ず向き合っていきたいと強く思いました。