【予習】自然の摂理単元

【予習】自然の摂理単元

◎事前課題に対する仮説

 まず「持続可能性」という言葉を考えたときに、今回は何に対する「持続可能性」なのか、というのを一番に考えました。地球の、社会の、環境の、など、思いつくだけでもいくつかあったと同時に、それぞれ必要なアプローチは異なるのではないかと思いました。地球や自然であれば、よく言われているように、私たち個人が自然に優しいものをつくり、使っていく、というのも一つやるべきことの中に含まれていると思います。しかし、例えばこの社会での経済界の持続可能性ということを考えれば、無駄を排除し、効率的に生産や分配を行っていくことかもしれないとも思います。この場合、理想的な経済を持続させていくために技術を使っていくことはときに環境に負荷を与え、逆に理想の自然を残していくために、効率的な技術が阻害されるという例もあると思います。よって、持続可能性のためにやるべきことは何か、という問いにおいても、そもそも何を持続させていくべきなのか、というのを問うていかなければならないのではないかと感じました。

◎課題図書・資料・フィールドに触れて

【課題図書を読んで】
 カーソンのみずみずしい感性い感嘆したとともに、私自身のセンス・オブ・ワンダーの始まりは何だっただろうかと考えさせられました。私自身は、今いる福岡よりははるかに田舎の町ですごしてきたので、自然に対する感覚や畏敬には共感するものがありました。小学生の夏、お地蔵様のための小さな雨よけ小屋に座ってぼんやりと空を眺めていた光景が思い浮かびました。決して手が届くことはないのに、そこに悠然とたたずむ入道雲に、「自然は自分の手にはおさまらないのだ」という感覚を子どもながらに感じたのを思い出しました。今振り返ると、あの様子が自分にとっての原風景とも言うべき体験であったと同時に、忘れたくない感覚だと改めて思わされました。
 文中ではこの自然に対するえもいわれぬ感覚を忘れてはならぬ、という警告の形でかかれていて、私自身としても次の子ども世代に、自分と同じような自然への畏敬を感じてほしいと思いましたが、同時に自然というところから離れて進化していくことも避けられない強い、重要なことだとも思いました。私自身、何もない田舎の町に嫌気がさして、近代的ないろいろな技術に救われて今ここに立つことができている人間です。私たちが目指すべきは、何も自然の中に完全に立ち返って、そこでのみ暮らすことではないなというのも同時に関しました。何を残していくべきか、何を進めていくべきかの取捨選択を誤らないことが、今後重要になってくるのではないかと思いました。その意味で、今回の主題であるセンス・オブ・ワンダーというのは、自分たちがこのままただ進んでいってしまうと、どうなってしまうのか、ということに対する「想像力」に近いのかもしれないと思いました。

【ミーティングを終えて】
 チームメンバーとのミーティングを通して、自分の中ではかなり抽象的に進んでいた問いを、かなり具体的なところに落とすことができました。私たちが循環する自然のためににできる、本当に日常の対策も知ることができたほか、それを一人の努力で終わらせないためにはどのような全体での取り組みが必要なのか、というところまで議論できました。さらに対話をする中で印象的だったポイントが1つありました。それは、自然保護への取り組みが「義務」の文脈で語られがちだという指摘です。確かに、「自然を守りましょう」というスローガンを間違っていると思う人はほとんどいないと思います。自然は大事なものだというのが疑いのない真理として前提にあるが故に、自然に優しいことをしなければならない、というのがただの義務として捉えられてしまっている風潮は確かにあると思いました。だからこそ、今回みなさんとそれぞれのセンス・オブ・ワンダーを出し合って、改めて自然の中で生きる豊かさを自然と納得した形で実感することができ、その上で持続可能性のための議論ができて良かったと思いました。
 もっと具体的な対策などはまだまだ話せていないので、当日にみなさんとさらに考えていきたいと思います。


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