【予習】自己単元
◎LAPで得た学びや気づき、変化について
これまでのLAP全体を通して、感じたことは主に2つあります。1つめは、私にとってこのLAPは「答え合わせ」のような1年間だったなということです。参加を決める前、自分は4年生だから…と参加をためらう気持ちがありました。この時期に参加してどうするんだろうと考える気持ちが大きかったですが、1年間を終えた今、むしろ今だからこそ考えられたことが多くあったなと感じています。ジェンダー単元に始まり、様々なジャンルのお話を聞いてきましたが、正直なところ良い意味でこれまでにも縁のあったお話が多かったように思いました。ジェンダーはこれまでに個人的に関心を持っていたことであり、自然に関しては食育の活動を通じて敏感に考えていたところでした。初めて知った、そんなこと今まで考えたこともなかった、という感覚よりは、今までにトピックとして考えたことのあったことを、より詳しく、より深く考えることができたという感覚でした。今まで自分が4年かけて吸収してきたことが、世界のより大きなことに繋がる重要なことだったのだと改めて感じることができたと共に、そう思えるのもたくさん吸収してきた今だからこそなのだと実感できました。そのような意味で「答え合わせ」に近い1年間だったと、嬉しい気持ちで最後を迎えられました。
2つめは、自分のことをたくさん知ることができたなということです。これまでの大学生活の中で、ワークショップやプログラムに参加したり、集団の中で立ち回ったりして、「なんでここでこうできなかったのだろう」と後悔することがたくさんありました。だからこそ、集大成であるこの時期に参加したLAPにおいては、かなり自分の中では理想的な動き方ができたように思います。メッセージを見たらすぐ返信しなければ私は忘れてしまうな、であったり、ここではしっかり自分の話をした方がいいなであったりと、自分がどんなときにどんな考えを持って、どう動きがちなのかを自覚しながら参加することができたと思います。その中で、自分の考えの癖や動きの特徴などをかなり知ることができたように思います。もちろん後悔もいくつかありますが、自分がどんな人間であるかを、より詳しくわかることができたのは、大きな収穫だったように思います。
◎事前課題に対する仮説
問い「あなたは誰ですか?どこから来て、どこへ向かいますか?それは何故ですか? 」【あなたはどこから来ましたか】
まずこの問いに答えるならば、熊本県天草市という、電車もバスもないただの田舎町で、少し恵まれた家庭の長女だったという答えになると思います。いろいろな講師の方のお話を聞く中で、どうしてもこの故郷にしばられた考え方しかできない自分に気づきました。自分が思っている以上に、自分がその属性であったことが大きく働いているのだと感じました。正直なところ、当初はそれを恥じる気持ちが大きかったです。そんなところから精神的にも卒業して、自立した一個人にならなけらばならないという強迫観念を強く抱いていました。しかし、LAPで様々なことを考える中でどうしてもそこから逃れられない自分を発見し、一種諦めにも近い気持ちを持ちました。そうであることから抜け出せないのであれば、逆に自分の地盤をしっかり見つめ、自分がそうであるということを、誇りはせずとも受け止めていこうという気持ちを今は持っています。
【あなたは誰ですか】
では私は誰か、という問いに答えるとするならば、「誰でもないし、誰でもある」というのが今の気持ちに最も近いと考えています。講師の方々のお話を聞いていて、率直に思ったのは「私と彼らは一体何が違うのだろう」ということでした。片や一介の大学生として悠長に日々を過ごしている自分、片や社会のためにアクションを起こしている活動家。その命運は一体どこで別れたのだろうとは思いつつ、結局は違う人間なのだという気持ちを始めは持っていました。しかし、講義の中で講師の方々の来歴や思いを聞く中で、少なからず自分と共通するものがあり、実は自分と彼らは何の違いもないんじゃないかと思いました。もちろん、実際に活動をして功績を残してらっしゃる講師の方々と自分を同じだというのはおこがましいですが、それでも根本の、思いや成り立ちの面では一緒ではないかと思うようになりました。その意味で、今何かをなしている何者かは決して別の人間ではなく、目の前に立っているのは自分ではないかと感じました。しかしその上で、自分はまだ自分の人生を何に捧げるかという道を定められていないという意味で、誰でもないとも同時に思います。誰にでもなりうる、というポジティブな意味では捉えられないなと今は感じています。
【あなたはどこへ向かいますか】
その上で「どこへ向かうか」という問いに答えるとするならば、まだそれをみつける途中だと答えざるをえないと思います。LAP中に気づいたことの1つとして、自分はごくごく抽象的に物事を語りがちだというのがあります。予習記事の中でもつらつらとそれっぽいことを述べていますが、結局の所、それを具体的な行動や指針に落とし込むことはできていないように思います。そのことに良い意味での焦りをもつことができたのは大きな収穫だと思います。自分がこれと進む道をしかと見つけたいと強く感じています。
上述の通り道は模索途中ですが、大事にしたい道標は見つけられたように思います。講師の方々や他のメンバーと交流する中で、やはり人それぞれがもつ物語を、美しいと心の底から思いました。なぜその人が今そう思うのか、なぜその人が今そう動くのかには、出発点や道程があり、そこをたどった上で見るその人自身はより鮮やかに感じました。だからこそ、その物語を知ることができるように、たくさん言葉を交わしたいし、その言葉をとどめておきたいと思いました。これから自分がどのような道を定めるかはまだ私自身にもわかりませんが、今回のLAPで得たこの気持ちはこれからも大事にしていきたいと思いました。