ノリア孤児院・オダンバン平和の家への英語教育支援内容を説明します。
ノリア孤児院には当会設立時から2015年まで支援を実施しました。2001年に実施したチャリティーコンサートの収益金を用いて、英語教室を開講しました。アジア子供教育基金の堀本氏からの助言により、カンボジアのツアーガイドやNGO職員、英語教師などの英語を必要とする仕事への需要が依然高いことを認識しました。ノリア孤児院と風の会、2者間で英語教室を開講するにあたり、英語教室の目標、対象、期間及び必要経費を作成、計算しました。英語教師としては、英語を活用し国際機関と交渉してきたサムナーン氏と英語塾を経営していた、アメリカへの留学経験のあるポー氏を雇用しました。その後ノリア孤児院スタッフ、英語講師及び当会が事業内容、期間等に合意し2002年よりノリア孤児院で英語教室を開始しました。
当会はノリア孤児院に、2002年からノリア孤児院独自での英語教室の自立運営は可能であると判断した2015年までの間に、主に英語教室運営の資金援助及び監査を行いました。
2002年6月より ノリア孤児院で中学2年生の女子生徒4名と小学生3名の計7名を対象に4年間の期限付きで英語教室(class1)を開始しました。その後、4年間の契約終了後も継続して支援が必要であるとして、class1は2006年8月に契約を更新し、2009年まで実施しました。また2005年9月より14人の中高生を対象に、ノリア孤児院で2クラス目の英語教室(class2)を4年間の契約として開始しました。その後、ノリア孤児院がHOC(新ノリア孤児院)とHFCCという2つの孤児院へ分裂しましたが、分裂後も支援を継続し,4年間の契約終了まで実施しました。class1、class2が終了後、学力に合った(合わせた)運営をするためにノリア孤児院での英語教室、クラスTを開講しました。さらに、2011年には学力別で別れたクラス3Aとクラス3Bを開講し、計3クラスを運営し始めました。
加えて、2009年から2020年3月までオダンバン平和の家でも英語教室の開講及び当会の支援を2020年3月まで実施しました。オダンバン平和の家で英語教室を開始した2009年には1クラスのみの実施であったものの、2014年には2クラスの英語教室を追加で開講しました。また2020年10月からオダンバン平和での家英語教室の再開及び教室運営費の支援を再開する予定です。
英語教室運営に関しては、ノリア孤児院及びオダンバン平和の家が将来、自立的に英語教室の独自運営を行える様に、当会としての業務は英語教室の事業運営費の提供と英語教室を監査するのみにとどまり活動しました。2011年以降は学力にあったクラス運営を行いました。ノリア孤児院ではクラスT、クラス3A、クラス3B、オダンバン平和の家ではclass1、class2(2018年以降からclassA) , class3(2018年以降からclassB)の3クラスでの英語教室を実施してきました。旧ノリア孤児院分裂後のHOCとHfcc及びオダンバン平和の家、合計3つの孤児院での英語教室の監査業務としては主に給料が適切に振り込まれているか、経費の使用用途が適切であるかなどの金銭的監査や、テストの結果や出席率などの1人1人の成績推移の監査を行いました。テスト成績や出席率が低い生徒に対しては、現地の支援協力者及び支援対象者の3者間で改善案を検討しました。
さらに授業内容の監査活動によって、ノリア孤児院とオダンバン平和の家での英語教室で必要であると当会が判断したものに関しては現地スタッフや英語教師の合意の上、実施、改善してきました。例として卒業証明書の作成及び配布などを行いました。
英語教室の時間としては英検4級程度の学力を取得する為にノリア孤児院では週に1度、90分実施し、オダンバン平和の家では英検3級程度の学力を取得する為に、週に5回の合計300時間の英語教室を実施しました。
当会が支援した3つの孤児院からはカンボジアの大学に入学した生徒やオランダや日本に留学した生徒、日本国際ボランティアのスタッフになった生徒など多くの卒業生を輩出しました。また2007年には2002年から開始した英語クラスの卒業生はYFDという団体を設立し、ノリア孤児院の近くの村の子どもたちへの英語教育を実施しました。