チーズを追い求めて...

ネズミのスニッフとスカリーは、決して効率的とは言えないが、
ヒントのない世界を泥臭く駆け巡り、
自分たちなりにヒントを見つけながら進んだことによってチーズ(成果)を出した。

そして、成果を出した後も得た知識や経験をさらに研ぎ澄まして、次のチャンスに控えたので、たとえその場が奪われたとしても次のきっかけを掴むことができた。

一方で、小人のヘムとホーは、自分たちのくだらない価値観に縛られて行動を制限し、一度得られた成果に安住して、決して経験を深めることなく、次のチャンスを掴むことができなかった。。。


この話から言えるのは、

たとえどれだけ成功していても、その結果に安住しすぎてはいけないということ。

それはあくまで、一時的なものであって永続的に続くなんてことはあり得ない。
突然それが無くなっても、
再び動き出して同じような成果を得られるのかどうかを吟味する必要がある。


特に、良い大学に行ったり、良い会社に就職できて、
それで満足しきってしまった人間は要注意。その実績が奪われてしまったとしても、

「あなたはゼロから再び成果を生み出せますか?」

と言ったことを常に問いかけながら生きていかなくてはならない。

時代によって条件は刻一刻と変わっていく。
そんな中でチーズを失わないようにするにはどうしたらいいのか?

何もかもがスマートに進むかは分からない。
もしかすると、時にはがむしゃらに動いてみることも重要なのかもしれない。
私たちは、あまりに賢く生きようとしすぎて重要なこと、
「とにかく行動して検証してみること」を忘れてしまったのかもしれない。

そんな時には、ヘムとホーがどうなったのかをじっくり考えてみるといいだろう。


停滞は、破滅への道。

常に動いていないと、大切な人を失うことになるかもしれない、
ということは頭に入れておくといいだろう。


しかし、この場面では重要なことが描かれていない。

それは、チーズを探している時間には大事にしている家族や
その他のことに時間を割く時間はないということであろう。

現代人は、成果を追い求めすぎて、大事な人との時間を蔑ろにしてしまったり
本来の自分を失ってしまっていることもあるのかもしれない。

そもそも、チーズをたらふく食べられるということを知らなければ、
その日を生きていくだけのチーズがあれば十分だ
という人も今の日本には多くいるだろう。

本を読んで、そもそもどのくらいのチーズを食べたいのか?
チーズ以外に何か食べたいものはないのかを考えるのも大事かもしれませんね。