この記事では、筆者がロシアに留学していた時のことを思いついたテーマごとになるべく簡潔に書いてみます。どう考えても膨らみまくる未来が見えますが精一杯やるのでご勘弁を。
追記ーやはり膨らみまくったので記事を分けることにしました。この記事でのテーマは、
・気候 ・雪 ・学校 ・スポーツ ・交通 ・言語
とします。MECEではありませんが、語りたい要素で分けたのでご理解ください。
夏休み中には海と日光を求めトルコやイタリアへ行く人が多いです。彼ら曰く、「ビタミンDが足りないから摂りに行く」のだそうですよ。冬場は曇りばかりで、大きな灰色の空の下では気持ちも鬱屈としますからね。代わりに晴れた日の青空は絶品です。日本の青空とは段違いです。
冬は-30を越えると街が凍り大半の機能を停止し、学校は休校となります。やったね。それでも一部の動くバスに乗って街に繰り出し、人の見えない、だだっ広くて静まり返った街を、一人延々と歩くのです。極寒の日には天気も晴れがちなので非常に美しく神秘的で、心体が溶け込む心地がします。(写真)
4月頃になると-20度前半まで回復してきて、「は?明日-21℃!?暑すぎだろ」と思うようになります。ホントです。実際、思い切ってパーカー2枚という薄着で外出しましたが汗だくになりました(heat techのせい)(heat techは偉大)。
ブーツや服が泥等で汚れた時には、高く積もった綺麗な雪にこすりつけるのが常識です。どういう訳か物凄い汚れ吸着性を持っていて、服が濡れることもないので、最強の洗剤です。しかも在庫は無限。
一方で雪かきは大変です。自分の家では一晩でひざ丈まで積もることもザラで、広大な敷地だったので、かなりの重労働でした。楽しかったけど、あれと一生付き合うのは骨が折れるでしょうね。360km離れたおじいちゃん家ではもっと降ってました。
学校には種類があって、私立と公立があり、公立の中でも難易度の高いほうはギムナジウムと呼ばれます。学校の名前は校種+番号です。自分が滞在したのはギムナジウムNo.99でした。この番号は国全体で割り振られています。
大学入試は、эгеと呼ばれる共通テストに当たるものが全てです。しかも、受けるべき試験数が日本と比べて非常に少ないです。例としてIT系の友達は、物理、プログラミング、数学のみを受けました。日本と比べると、一般教養よりも、早くから専門として一方向に絞らせる教育形態です。
では一体どこで運動をするのでしょうか?答えはジムです。ロシアの街にはかなりの数のジムがあり、男女問わずジムに通います。しかしそれだけではやはり体や肺も満足に鍛えられないのではないかという自分の感覚とは裏腹に、一緒にバスケをしたメンツは皆身長も体力も、スピードもパワーも兼ね備えていました。これは自分が留学中についぞ納得できなかった事象のひとつです。遺伝と肉の多い食生活のせいなのでしょうか?
放課後どこかに行く当てがあれば、トランヴァイやバスに(激しく)揺られながら美しい街と空を眺めながらのんびり移動します。とてもエモいです。
メトロも存在しますが、やはり日本のそれと比べると速さも頻度も若干劣りますし、騒音が大きいです(比較対象が不適)。メトロはかつてのシェルターなので、長いエスカレーターを昇降することになります。このエスカレーターが高速で、最初は恐怖を覚えるのですが、すぐに慣れます。逆に、帰国したときは日本のエスカレーターが遅すぎて階段を使うくらいでした。
長距離を移動するときはシベリア鉄道に乗りますが、日本の新幹線とは違ってめちゃくちゃに遅いので、必ず10時間はかかります。自分は留学団体のキャンプやバスケの遠征などでしょっちゅうお世話になりました。乗るときは着替えと腐りにくい食料が必須となります。自分が滞在したエカテリンブルグからモスクワまでは片道36時間程だったと記憶しています。道中ではお喋りをしたりトランプをしたり。近くの見知らぬ乗客と話すこともあります。
ロシア語はアルファベットを使う言語です。そして複雑な格変化を持つ言語です。格変化は主語や日本語の副詞に相当するものに依存するので、よく主語は略され、語順もかなり自由に入れ替えることができます。単語の格変化を見れば単語同士の繋がりが逆算できるというわけです。
つまり、英語的な勉強もできるが、使うときは日本人的な発想でも一応通じるということです。自分の中では英語と日本語の中間のような位置づけになっています。
格変化は、第三言語を勉強したことがない人には大変かもしれませんが、そのうち慣れます。しかし、斯く言う自分はお恥ずかしながらだいぶ忘れてしまいました。感覚を当てにして正しく話すことが不安になるくらいにはロシア語力は衰えました。とはいえ感覚は多少残っていますし、復活するものですから、東大における二周目の勉強も頑張ろうと思っています。
ロシア語が分かると、東欧の言語もわかるようになるので、是非かじってみては?言語をかじるのはいつだって楽しいものです。
かわけんのロシア留学譚No.1はここまでです。
No.2もあるのでぜひ読んでいってくださいね~~
さて、ここでクロスワードのヒントです 該当箇所はヨコ4M
とある劇場の名前が入ります。モスクワを他の留学生と訪れた時に、あまりにも外が寒かったので暖を取りにココに入ろうとしたら、チケットがなかったので大きなドアの周りをうろちょろする田舎臭い集団が出来上がっていましたね。ロシア語で形容詞で大きいという意味なんですよ。シンプルですよね。
追記ーやはり膨らみまくったので記事を分けることにしました。この記事でのテーマは、
・気候 ・雪 ・学校 ・スポーツ ・交通 ・言語
とします。MECEではありませんが、語りたい要素で分けたのでご理解ください。
・気候
ロシアは寒いです。そして実は暑くもあります。内陸部は特にそうです。自分の滞在したエカテリンブルグでは、冬は-35を越え、夏は+30を越えます。夏休み中には海と日光を求めトルコやイタリアへ行く人が多いです。彼ら曰く、「ビタミンDが足りないから摂りに行く」のだそうですよ。冬場は曇りばかりで、大きな灰色の空の下では気持ちも鬱屈としますからね。代わりに晴れた日の青空は絶品です。日本の青空とは段違いです。
冬は-30を越えると街が凍り大半の機能を停止し、学校は休校となります。やったね。それでも一部の動くバスに乗って街に繰り出し、人の見えない、だだっ広くて静まり返った街を、一人延々と歩くのです。極寒の日には天気も晴れがちなので非常に美しく神秘的で、心体が溶け込む心地がします。(写真)
4月頃になると-20度前半まで回復してきて、「は?明日-21℃!?暑すぎだろ」と思うようになります。ホントです。実際、思い切ってパーカー2枚という薄着で外出しましたが汗だくになりました(heat techのせい)(heat techは偉大)。
・雪
雪は身近なもので、自分の多くの心象風景には雪があります。非常に乾燥した気候なので感触は砂のようで、「服の上で溶ける」ということはありません。道は氷と化した雪でつるつるになります。氷の上を歩く感覚は懐かしいですね。帰りたくなってきました。ブーツや服が泥等で汚れた時には、高く積もった綺麗な雪にこすりつけるのが常識です。どういう訳か物凄い汚れ吸着性を持っていて、服が濡れることもないので、最強の洗剤です。しかも在庫は無限。
一方で雪かきは大変です。自分の家では一晩でひざ丈まで積もることもザラで、広大な敷地だったので、かなりの重労働でした。楽しかったけど、あれと一生付き合うのは骨が折れるでしょうね。360km離れたおじいちゃん家ではもっと降ってました。
・学校
学校は1年~11年生の全てが同じ校舎で勉強します。1学年が30人程度で、校舎も小さいです。ただ学校の数が多い印象を受けました。9年生までが義務教育で、そこで一度進度が分かれます。学校には種類があって、私立と公立があり、公立の中でも難易度の高いほうはギムナジウムと呼ばれます。学校の名前は校種+番号です。自分が滞在したのはギムナジウムNo.99でした。この番号は国全体で割り振られています。
大学入試は、эгеと呼ばれる共通テストに当たるものが全てです。しかも、受けるべき試験数が日本と比べて非常に少ないです。例としてIT系の友達は、物理、プログラミング、数学のみを受けました。日本と比べると、一般教養よりも、早くから専門として一方向に絞らせる教育形態です。
・スポーツ
ロシア人は体格が大きく、筋肉もまあまああります。しかし、日本人ほど運動をする習慣はありません。運動部に入る人は殆どいませんし、体育の時間もろくな運動になりません。道は凍っているので「いっけな~い、遅刻遅刻!」と走ることもありません。では一体どこで運動をするのでしょうか?答えはジムです。ロシアの街にはかなりの数のジムがあり、男女問わずジムに通います。しかしそれだけではやはり体や肺も満足に鍛えられないのではないかという自分の感覚とは裏腹に、一緒にバスケをしたメンツは皆身長も体力も、スピードもパワーも兼ね備えていました。これは自分が留学中についぞ納得できなかった事象のひとつです。遺伝と肉の多い食生活のせいなのでしょうか?
・交通
車がメインです。車道は圧倒的に広く(というか街の要素がいちいち大きい)、その中をトランヴァイ(路面電車)とバスが走っています。バスの中にはパンタグラフを持つものもあります。度重なる凍害により路面は凸凹なので、なかなかのアトラクションになっていて、体が跳ね飛ばされることもしばしば。これでロシア人は体幹を鍛えているのかも。放課後どこかに行く当てがあれば、トランヴァイやバスに(激しく)揺られながら美しい街と空を眺めながらのんびり移動します。とてもエモいです。
メトロも存在しますが、やはり日本のそれと比べると速さも頻度も若干劣りますし、騒音が大きいです(比較対象が不適)。メトロはかつてのシェルターなので、長いエスカレーターを昇降することになります。このエスカレーターが高速で、最初は恐怖を覚えるのですが、すぐに慣れます。逆に、帰国したときは日本のエスカレーターが遅すぎて階段を使うくらいでした。
長距離を移動するときはシベリア鉄道に乗りますが、日本の新幹線とは違ってめちゃくちゃに遅いので、必ず10時間はかかります。自分は留学団体のキャンプやバスケの遠征などでしょっちゅうお世話になりました。乗るときは着替えと腐りにくい食料が必須となります。自分が滞在したエカテリンブルグからモスクワまでは片道36時間程だったと記憶しています。道中ではお喋りをしたりトランプをしたり。近くの見知らぬ乗客と話すこともあります。
・言語
ロシア語をろくに話せない自分がロシア語を語るのは気が引けますが、他のテーマも所詮はただその一角を見ただけと考えれば大差ないのかもしれません。一人の青二才が受けた印象を語ります。ロシア語はアルファベットを使う言語です。そして複雑な格変化を持つ言語です。格変化は主語や日本語の副詞に相当するものに依存するので、よく主語は略され、語順もかなり自由に入れ替えることができます。単語の格変化を見れば単語同士の繋がりが逆算できるというわけです。
つまり、英語的な勉強もできるが、使うときは日本人的な発想でも一応通じるということです。自分の中では英語と日本語の中間のような位置づけになっています。
格変化は、第三言語を勉強したことがない人には大変かもしれませんが、そのうち慣れます。しかし、斯く言う自分はお恥ずかしながらだいぶ忘れてしまいました。感覚を当てにして正しく話すことが不安になるくらいにはロシア語力は衰えました。とはいえ感覚は多少残っていますし、復活するものですから、東大における二周目の勉強も頑張ろうと思っています。
ロシア語が分かると、東欧の言語もわかるようになるので、是非かじってみては?言語をかじるのはいつだって楽しいものです。
かわけんのロシア留学譚No.1はここまでです。
No.2もあるのでぜひ読んでいってくださいね~~
さて、ここでクロスワードのヒントです 該当箇所はヨコ4M
とある劇場の名前が入ります。モスクワを他の留学生と訪れた時に、あまりにも外が寒かったので暖を取りにココに入ろうとしたら、チケットがなかったので大きなドアの周りをうろちょろする田舎臭い集団が出来上がっていましたね。ロシア語で形容詞で大きいという意味なんですよ。シンプルですよね。