ゲームのすゝめ 1.750 〜RPG論〜 コマンドRPG編 外伝

押忍!!

今回は作品紹介第三回目、第一回「DQⅥ」・第二回「FFⅧ」に引き続き、「FFⅩ」を紹介しよう

 この作品は「FF最高傑作」と呼ばれることも多い名作中の名作。その良さが少しでも伝わればと思う。今回はまずシステム、次に肝心要のストーリーを紹介しようと思う。

システム

 まずは戦闘について。この作品はFFナンバリング作品唯一の「CTB」(カウントタイムバトル)と呼ばれるシステムが採用されている。「軌跡シリーズ」をご存知の人はまさに同じシステムだ。従来の「ATB」(アクティブタイムバトル)システムと並べて比較してみよう。

  • ATB 採用作品により性質が異なる場合があるが、基本的には敵・味方共に一定の時間が溜まったキャラクターから行動を選ぶ仕組みである。ほとんどの作品で、次の行動選択可能までの時間を表したATBゲージが味方キャラクター1人1人に表示され、時間の流れを視覚的に捉えることができる。
  • CTB ターンの概念がない点はATBと同じであるが、いずれかのキャラクターが行動している時に全体で時間が停止するのが最大の違いである。コマンド入力状態となったキャラクターが何らかの行動を起こした後、そのキャラクターの待機時間には素早さのパラメータとコマンドに設定された倍率値から算出された次の行動までの時間が設定され、その上で全体の時間が進行する。コマンド選択時に各キャラクターの行動順番を参照することができ、これを利用して敵の行動に対し予め先手を打つ戦い方を要求されるケースも多い。このシステムにより、ターン制の概念を脱却しつつ、ATBのように時間に追われることもないため、初心者から上級者まで戦略的に戦闘を楽しむことができる。                (Wikipedia より)

 コマンド入力がゆっくりおこなえるドラクエシリーズなどの従来のコマンドRPGに対して、ATBを採用するFF作品は特にボスバトルで文字通り「手に汗握る」戦闘を余儀なくされるため、戦闘終了時のアドレナリン分泌量が凄い(コトになってるはず(体感))。

 しかしその一見忙しいシステムゆえ、ゲーム初心者は難易度を高く感じてしまっていた。確かに、「いつ敵が攻撃してくるかわからないから安易に行動できない」、「回復役を行動させてしまったせいで待機中に回復できなくて全滅した」、みたいなことは少なくない。

 その欠点を補ってあまりあるのがCTBだ。初心者にとっては、敵・味方キャラがどの順番で行動するのかわかるため安心だし、上級者にとってはいかに順番を意識して敵の裏をかいた戦術を構築できるかが楽しいところ。ピンチに陥っても打開策発案に時間をかけられるのは安心だ。

 戦闘に関してはシステムだけが大きく変化したわけではない。FFといったら、の「召喚獣システム」も大幅に変化した。いままではキャラの行動時に「召喚」するとそのキャラの行動に代わって「召喚獣」が行動する、というものだった。しかし今作では、ヒロインの召喚士「ユウナ」が「召喚」すると、味方のキャラ全員が引き下がる代わりに、「召喚獣」が戦闘に参加する事となる。(下の画像は、「バハムート」を召喚した様子。召喚獣ごとに特有のアビリティを有しており、オーバードライブゲージが貯まると必殺技がうてる。召喚獣は倒されるか控えさせることでのみ引っ込む。つまりずっと戦い続けてくれるのだ!)

 次にレベルアップについて。といっても、FFⅩにはキャラクターのレベルは存在しない。その代わり、「スフィア盤」というものを使ってキャラのパラメータを強化していくことになる。このスフィア盤のおかげで、全てのキャラのステータスをカンストさせる目処も立つ(手間はかかるが)。

 敵との戦闘を終えると得られる「アビリティポイント」が一定数貯まるとキャラクターごとの「スフィアレベル」が上がる。そのスフィアレベルの数だけスフィア盤に「成長スフィア」(これまた戦闘後に敵から得られる)をはめて、その場所に対応するパラメータを上昇させることになる(一個はめても+1とか+2ぐらいしか成長しないのがなんとも渋い…)。スフィア盤にはパラメタアップの穴だけでなく、新しい「技」を覚えられる穴もあって、強力な技を習得することを一つの目安にすると良い。スフィアレベルは成長スフィアをはめた分だけ下がる(スフィアレベル5のときに5つ成長スフィアをはめると、スフィアレベルは0に戻る)ので、レベルアップシステムとは大きく違うことがわかる。

 基本的にはスフィア盤はキャラクターごとに異なった方向で埋めていくことになるので(一つの盤をみんなで共有しているイメージ、もちろん異なるキャラが同じ穴を共有していても良い)、パラメータもキャラごとに特徴が際立っていき、自然と役割分担ができる。

 次に武器の改造について。今作では前作同様、武器自体に攻撃力は付与されていない。その代わり、武器を「改造」することができる。武器ごとに存在する1〜4個の空きスロットにアビリティをくっつけることができるのだ(取り外し不能)。アビリティを装備するには大量の特定のアイテム、もしくはレアな装備品(アクセサリーが多い)が必要になる。そのために強敵と何度もエンカウントして「盗む」を繰り返し続けることも多い。中には「ダメージ限界突破」(与ダメージ限界が9999→99999)「HP限界突破(上限が9999→99999)」などの見るからにぶっ壊れ性能のアビリティもあり、それらを取り付けるためなら多少の苦労も安いものだ。

ストーリー

 今作からムービーシーンがフルボイス化したことで、物語への没入度がグッッッッと増した。等身大的な主人公が「異世界」で出会う少女と世界を救うために戦う。超王道なボーイ・ミーツ・ガールなストーリーだが、心揺さぶられる展開・涙なくしては見られないラストシーンなどなど、本当に素晴らしい内容である。(なんか安っぽく聞こえる気がするのが筆者の文才の無さに由来するのならこの場を借りて詫びよう。そしてこの場を借りて願おう。そこのキミ、お願いだからこの名作をやってみてくれ。今じゃなくていい。いつかキミが一生を終えるその日までに。このことを忘れないでくれたらなんと喜ばしいことか…)(お気持ち溢れてしまったが、気を取り直して行こう!)

 キャッチコピーは、

私、『シン』を倒します。必ず倒します

世界一ピュアなキス。

                                   の2つ。
 前者は意味がわかる読者にとっては「ぅうぉぉーーーーーー」という感情()が芽生えるのではないか。意味がわからなくてもただならぬ「決意」が感じられるのではなかろうか。後者はやや有名だと思う。「あの」カットシーンを表現したものであろうが、惹きつけられるキャッチコピーだ(映画などにもある「キャッチコピー」は短い言葉で核心をついていて非常に感心する。いつかキャッチコピーに集中して知見を広めてみたいものだ)。

 オープニング曲は「ザナルカンドにて」、主題歌は「素敵だね」となっている。

https://www.youtube.com/watch?v=LzKkePuS9K4 ザナルカンドにて
https://youtu.be/d6xnT-DYnrY 素敵だね

 この曲の始まりがいい。やっぱり曲を流すタイミングこそが雰囲気やイメージの全てを決めるんだ、と思わせてくれるほどに良いタイミングでベストな曲を使ってくる。FFシリーズの楽曲を手掛ける、神「植松伸夫」の一番のお気に入り、「ザナルカンドにて」は彼が「映画音楽のように作れた」と語るように、この物語の美しさ・儚さを最大限濃縮した作品であると断言できる。上のリンクから飛んで一度聞いてみてほしい、「聞いたことある!」となるかもしれないし、全く聞いたことが無いかもしれない。でもそんなこと関係なしに「素敵」な作品であることは伝わると思う。

 さて前置きが長くなったので、ストーリーについて触れていこう。

本作ではスピラと呼ばれる「異世界」が舞台となる。

スピラでは機械文明があまり発展しておらず、基本的に人々の生活は質素であり、現実における未開の地やアジアに似た光景が見られる。しかし、生命エネルギー幻光虫の存在など現代的文明の代わりに発展しているファンタジー的な魔法文明や、亜人や人間とは異なる知的種族や人間を脅かす魔物の存在、独自の宗教とも言える“エボンの教え”、独自のスポーツであるブリッツボールなどによって、現実のどの時代とも全く異なる独特な世界観が築かれている。

スピラには『シン』と呼ばれる脅威が存在し、人々は常に死の恐怖に脅えている。その心を支えているのがエボン教が掲げるエボンの教えであり、『シン』を倒すことを使命とする召喚士である。

スピラの人間の大半はエボンの教えを信じ、教えに従って生活しながら召喚士の旅を支え、いつか『シン』が完全に消滅することを希望に生き続けている。
                           (Wikipedia より)

 以上が大まかな設定となる。物語は回想シーンから始まり、序盤・中盤は主人公「ティーダ」が過去を振り返るナレーションをはさみながらストーリーを進めていくことになる。

 色々あって「異世界」に来たティーダは、召喚士「ユウナ」に出会い、共に『シン』と戦うための護衛「ガード」として付き添うことになる。旅の途中、数年前に突然姿をくらまし家族を裏切ったと思われていたティーダの父「ジェクト」が、かつて一度『シン』を倒した、ユウナの父大召喚士「ブラスカ」のガードとしてこの世界で英雄視されていること、そして現在はジェクトは行方不明であることを知ることとなる。苦楽をともにしながら、ティーダとユウナは互いに惹かれ合ってゆく。楽天的で疑うことを知らないティーダは「シンを倒したら…」とユウナに彼なりの励ましの言葉をかけながらも長く険しい旅を続ける。しかし旅の果てに待つ「避けられない結末」のことをただ一人知らないティーダは、自身の励ましの言葉の非情な残酷さを知ることになる…

 本当はもっともっと書きたいことが山ほどあるし、なんならネタバレしつつ言いたいことを好きなだけ言いたい。しかし、それはこの作品を「追体験」した者だけに許されることであり、読者の感動体験を揺るがしかねないようなことは安易にはできない。やはり踏み込んだ話ができないのは「断腸の思い」だ(はい、言ってみたかっただけです)。

 この物語の主人公「ティーダ」はFF作品の主人公には珍しく、元気いっぱいお調子者キャラだ(前作FFⅨの主人公「ジタン」もそっち系だが、ジタンは心の内に大きな悩みを抱いていたことが重要)。そんなティーダが新米召喚士のユウナを一生懸命に励ます姿からは、なんだかこちらまで恥ずかしくなるくらい一生懸命さ()が伝わる。急に訳のわからない世界に来て状況が全く理解できないことを全身全霊で示すティーダに、プレイヤーは知らず知らずのうちに自身を入り込ませてゆく。そんな「正直者」のティーダにとって絶望的な結末を聞かされたティーダは、「『シン』を倒す」という「大衆の願い」ではなく「己の願い」を叶えるために悩み・迷い、未来を切り開いてゆく。

 ティーダ目線で物語を追いかけていくプレイヤーは、ティーダが絶望したとき共に絶望し、ティーダが決意を固めたとき共に背筋を正し、ティーダが「願い」を叶えたとき共に涙することになろう。この「等身大」感のあるティーダが主人公だからこそ、あの素晴らしく・美しく・感動的でそして何より・儚いラストシーンが誕生したのだろう。

 やりこみ要素を除けば、ストーリーの進行にはおよそ30時間かからない程度の時間で大丈夫だろう。面白い・美しい・作品として完成された小説は読み始めたら止まらない。それと同じで、この作品も時間を忘れて夢中になれる(ストーリーはもちろんシステム的にも!)こと間違いなし。是非あなたのその目で、耳で、そして心で、この作品の行く末を、ティーダの決意の先に生まれたものを確かめてほしい。

そのときあなたは何を感じるか。

 それが一番大切なことだと筆者は強く思う。この作品はRPGとしてではなく、一つの芸術作品として、後世に語り継ぐべき傑作としておすすめするに値する作品であろう。今一度、是非体験してみてほしい。

 さて、今回は以上で「FFⅩ」の紹介を終えようと思う(このまま延々と語ろうにも冗長になってしまうのは避けたい…!)。さて、いよいよ次回はコマンドRPG作品紹介編最終回、「FFⅦ REMAKE」 を紹介していこうと思う(FF多すぎだろって?発想を転換させてみたまえ。FFに名作中の名作が多いから、だとね)。とくに「圧倒的ヒロインの存在」について、熱く、それはそれは熱く、語っていくつもりなのでお楽しみに!

最後は皆さんご一緒に!
せーの、
「ティーダとユウナ、まじで最高だぜー!!」
Thank you


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