貴方の合格を勝手に祝わせて欲しいのです。

「貴方の合格を勝手に祝わせて欲しいのです。」というこれまた身勝手なタイトルでブログ記事を書かせて頂きます、東京大学新2年生(になる予定の)Sullivanです。東大の一般入試の合格発表日である03月10日にどうしても新入生に伝えたい事があったので、このような記事をしたためました。(一般生だけでなく、それ以外の新入生にもぜひ読んで欲しいです。)


2021年度東大入試に合格した貴方へ。

合格、おめでとうございます。

2020年という苦難の一年を耐え抜いて合格を勝ち取った貴方を同じ大学の後輩として迎え入れる事が出来る事を、私は非常に嬉しく思います。


当事者ではない私が分かったような事を言うのは大変烏滸がましいでしょうが、

初めての緊急事態宣言と共に春を迎え、自粛期間を経て高校のオンライン授業を受け、夏休みを削られ、高校生活最後の学校行事や大会が縮小・中止になり、更には初めての共通テスト、緊急事態宣言下での対面入試の強行、……、と色々な出来事に見舞われる中で、

人生でたった一度の思い出となるはずだった場面が次々と失われていく中で高校生活を終えなければならなかった不完全燃焼感、受験期の不安や焦燥感を仲間と吐き出し合う機会が激減する中で増大していく孤絶感、友達と遊び歩いて受験勉強のガス抜きをする事の出来ない欲求不満、そして仮に第一志望に合格したとしても例年のようなキャンパスライフが送れない事が確定している事によるモチベーション欠如、と様々な負の感情に襲われ、かつそれらと戦い続けてきたのではないでしょうか。また、人によっては、コロナ禍の影響による金銭面、環境面での直接的な打撃を受けながら、それでも走り続けてきたのではないでしょうか。

ここで列挙したものは、数ある困難のうちのほんの一部に過ぎないでしょう。また、推薦入学の人も、外国学校卒業学生特別選考入学の人も、再受験の人も、社会人受験の人も、同様の悩みや独自の苦しみを味わってきたのでしょう。

2020年は、そのような想像するだに凄まじい、厳しい一年でした。 



だからこそ、まずは言わせて下さい。

そのような一年を乗り越えて東大にやって来た貴方を、それだけの強さを携えている貴方を、私は深く尊敬します。控えめに言って、凄すぎますよ。



そしてもう少しだけ言わせて下さい。


どうか東大生活が楽しくなるような居場所を見つけて下さい。

辛い一年を乗り越えて東大に来たからこそ、まだまだコロナの中での大学生活が続くからこそ、愚痴を吐き合ったり、喜びを分かち合ったり出来るようなコミュニティを見つけて下さい。

せっかくここまでやってきたのです。どうか東大生活を、最大限に満喫し切って下さい。

(尊敬の意を表明した直後に先輩風を吹かせるのは態度として矛盾しているようですが、ごめんなさい。今この瞬間だけでも先輩面させて下さい。)

貴方はこれから、コロナ禍による制約の多さに不満を感じるかもしれません。 不完全なシステムや無自覚な無配慮に傷付くかもしれません。 その他色々な理不尽に怒りを覚えるかもしれません。


でもどうか、東大生活の全てに絶望、失望して欲しくはないのです。

だって、そんなのあんまりじゃないですか。せっかくここまで頑張って東大に来てくれたのに。そんなの悲し過ぎるじゃないですか。


ここでやっと冒頭の話に戻るのですが、だからこそ、出口の見えない暗闇の中で自分を支えてくれるような適切なコミュニティ、適切な相談先を見つけて欲しいのです。

クラス、サークル、部活、同好会、委員会、ゼミなど、東大には数多くのコミュニティが存在します。そのうちのいくつかでは、皆さんが苦楽を分かち合う事の出来る仲間や居場所がきっと見つかる事でしょう。そしてその仲間や居場所は、貴方がコロナ禍の中で少しでも充実した大学生活を送る為の手助けをしてくれるはずです。「コロナだからと言って何も出来ない訳ではないのだ」という温かく力強い実感を貴方に与えてくれるはずです。(もちろん、カルトなどの危険な団体には注意しましょう!



そして、もしそこで上級生のサポートが必要になったなら、遠慮無く声を掛けて下さい。

今年度は昨年度と様子が異なる場面も多いので、全ての質問に対応出来るとは限りませんが、何やかんや1年間コロナの中での東大生活を生き延びてきた上級生の経験やノウハウは、活用しないと勿体無いですよ。


さてさて。際限が無くなってきたので、いったんここで打ち止めにしましょうか。



最後になりますが、新入生の貴方へ。

どうか無理をせず、ストレスを溜め込まず、コロナ禍に負けずに、自分なりの大学生活を最大限に謳歌して下さい。
 
まだまだ制限の多い中ですが、その中でも貴方の大学生活が少しでも充実したものになりますように。

応援しています。