私にとってのてくねこ

こんにちは、副代表の淵上です。

発足僅か3ヶ月で部員が急増中でとても嬉しいです!

今回は私がてくねこの一員として普段考えていることや、目標を大雑把にまとめて殴り書いてみました。

長くて汚い文ですが、最後まで読んでもらえれば幸いです。

   てくねこは、"人間とその周辺生態との共生"という現代社会における大きな命題について、大学生が考えるきっかけとなる場所であり、深化し応用法を見つけられる場所、そして見識を広めていく発信地でありたいと思っています。

   その第一歩として私たちは、周辺生態の中でもとりわけ人間と深い関わりを持つ"ネコ"をクローズアップし、活動に取り組んでいます。

ネコと人間は良くも悪くも様々な繋がり方をしています。多くの人にとってネコは”癒しを与えてくれる身近な動物”かもしれませんが、その反対で、恐怖や忌避の対象としてネコを捉えている人も実は沢山います。

   現在高知県では、増えすぎたネコのほとんどは殺処分という非人道的な形で片付けられています。統計では、保健所に捕獲されたネコの約98%が、引き取り手が見つからず殺処分という非人道的手段によって処理されています。しかし、ネコが増え続ける原因も、人間が後先を考えず、無責任にエサを与え続けるからです。これは一見すると無償の優しさを与えている、非常に好ましい行動のように見えますが、その先を考えてみるとエサやりがいかにネコたちを苦しめる行為であるかは一目瞭然です。エサを与えた1匹のネコから産まれる平均6匹のネコたちをキッチリと家に連れて帰って面倒を見られる勇気があるのならエサをあげても構わないと思いますが、ほとんどの人はそうはいかないでしょう。すると獣害を受けた、もしくは単純にネコが嫌いな人によって、生まれてきた罪の無いネコたちが命を脅かされます。

   私たちはこの一連の流れを人間の傲慢な振る舞いだと苦く受け止めています。野良ネコは人間に振り回されているのです。エサはやるけど増えれば殺す。可愛がるにも厭うにも線引きがあります。

   考えが浅ければ、慈悲の心もネコたちに要らぬ苦しみを与える結果に陥ってしまいます。

   私たちは中立の立場から、ネコ好きネコ嫌いどちらの側の意見も吸収し、新たな線を引き直し、ネコと人間のこれからを創造していきたいと思っています。


   現時点では、中立的な共生の手立ての1つとして、TNR(Trap Neuter Return)を採用しています。大学構内のネコ個体数の膨張抑制を図り、彼らを"野良ネコ"ではなく"地域ネコ"として私たちの環境に受け容れ、互いにより暮らしやすい地域を作ることを目標にしています。

   TNRとは一口に言うと、”生殖機能を奪うことによって、繁殖しないことを条件に人間のいる環境に共存するための居住権を与えている”ようなものだと私は考えています。

   しかし野生の動物としては、最も大切な本能の1つに繁殖がインプットされています。その生殖機能を奪われることは即ち死と等しいのではないかと考えてしまうこともあります。つまり、ネコたちの生きる意味を子孫を残すことと仮定すると、TNRは殺処分と本質的には変わりないのではないか、と。ここでネコと人間の平等な譲り合いの妥協点を探すと、互いに不干渉がおそらく最適解となるでしょう。しかしそんなことは互いに不可能です。人間もネコも互いに必要としている部分は少なからずあります。やはりここでは知性と道徳を持った人間が大きく譲歩するべきであり、その妥協点とTNRが適当な手段だったのだという思考のプロセス(ざっくりしていますが)で、現在世界各所でTNRが主流になっているのだと考えています。

   実際に、今のところは私たちてくねこの個人的な正解というものは見つけられていません。TNRは行ってはいるものの、これ必ず正しいとは思っていません。というよりは、何事にも明確な正解は存在しないというのが私たちの考えです。

   「リアルをガン見」これがてくねこの公式スローガンです。どうしても悲しい現実から目を背けたくなることはあります。答えの無い問題を考えることが億劫なのは人間の心理です。しかしそこで、現実から目を逸らさず、最善策を考え続けることが私たちてくねこ、引いては人間の使命だと思っています。それ無しには私たちは新しい境地に至ることはできません。私たちの現時点での最終目標である、”高知県内の猫殺処分件数0”を達成するためには、続々と現れる新たな”リアル”を”ガン見”して、困難に挑戦していく姿勢を最も大切にしていきたいです。


   この活動は猫保護を起点に始まりましたが、この先も感じるがまま、考えるがままに、体系を自在に変容しながら、猫保護にこだわらず、様々な問題を考え、挑戦していける、そんな柔軟な団体でありたいです。