答え探し(続編)

前回、弊社の事業には、答えがあるものに対して、その答えを探し、抜け漏れ無く埋めて前進させて行く仕事 と 
模範解答がなく(強いて言えば答えは顧客が満足すること)、企業の業績向上と指標提示等を行う仕事 
の2種類がある、というお話をさせていただきました。 

どちらも弊社の事業の根幹であり、顧客の成長をご支援する上で、非常に重要な仕事です。
前回は前者についてご説明しましたので、今回は、後者について、最近私が感じていることを記載させていただきます。


「模範解答がなく(強いて言えば答えは顧客が満足すること)、企業の業績向上と指標提示等を行う仕事」

どういうことでしょうか?

まず、模範解答がないというのは、各企業の提供サービスの定義と同様であると考えています。
弊社の同業界の企業には、社員研修に関して、「研修を実施した」「濃密で素晴らしい時間を提供した」という、提供側の見解が実施目的になっている事例も少なくありません。
言い換えると、顧客側が求めている内容を満たすことではなく、提供側の考えで終えられてしまいます。
弊社では、顧客と短期・中期・長期の共通目標を設定しますが、弊社が最も大切にしていることは、顧客の事業内容や仕組み、社員情報等を脳裏に焼き付け、膝を突き合わせて、ご一緒させていただくことです。
弊社も経験を重ねてきましたが、数回の研修や面談のみでは、人と組織に変化をもたらすことは、非常に難しいです。
組織人事の行動変容には、業績向上を実現するための業務改善と制度設計へ、時間を費やすことが必要であり
弊社は、経営陣の一人として、強化すべき箇所を明確にし、改善に着手(ご支援)することを大切にしています。




「「なんでだろう」から仕事は始まる! 小倉昌男 (著)」という書籍に、会社経営について以下のように書かれています。
これはコンサルタントの役割と類似するところもあります。

企業活動はゴールのない循環活動 学校には、4月の新学期から始まって3月の修了式で終わる1年のサイクルがある。そこで通信簿をもらって、1年の総括をするわけだ。こうしたサイクルは、なにも1年生が2年生、2年生が3年生に進級するための形式的な儀式のためにあるわけではない。人間がステップアップしていくには、一定のタイミングで節目や区切りのようなものを設けることが必要だろう。勉強というのは、義務教育だけでも9年間もある。小学校に入学してから中学校を卒業するまで、途中に何も区切りがないままダラダラと勉強をしていたのでは、伸びるはずの子供も伸びなくなってしまうに違いない。そうならないように、定期的に学習状況をチェックしなければならないのである。そして、1年ごとの区切りを迎えたときに大事なのは、1年前と比べて進歩があるかどうかだ。一生懸命に勉強するからには、成績が上がっていたほうがいい。今年は去年よりもいい成績がとれたら、来年は今年よりもさらにいい成績をとれるように努力する。成績が下がっていたら、それを翌年までに挽回するべくがんばる。そうやって1年ごとのサイクルをくり返しながら、子供は学習を積み重ねて成長していくのである。企業もこれと同じだと私は思っている。どの会社にも会計年度という区切りがあって、経営者はその期間の中でいかに事業を展開するかを考えるわけだ。1年の終わりには、学校の通信簿と同様、決算という形で成績をチェックされる。1年間の活動には、上り調子の時期もあれば、下り調子の時期もあるだろう。しかし大事なのは途中の数字ではなく、1年後の成績だ。新年度のスタート地点、つまり前年の決算期と同じレベルに戻っただけではおもしろくない。もちろん、そこより成績が下がっているよりは現状維持のほうがマシだが、やはり学校の成績と同じように、何かしら進歩が見られなければ努力した甲斐がないというものである。出発点より少しでも高いところに立って、新たな1年をスタートさせたいものだ。ただし、企業には学校と違うところもある。学校に通う子供はいずれ卒業していくが、企業活動に「卒業」はない。始業式から修了式までのサイクルを、半永久的にくり返すのが企業業というものだ。したがってその活動に「目標」はあるが「ゴール」はない。つまり企業の問題活動というのは、いつまでも続く「循環活動」としてとらえるべきなのだ。会社がつぶれてしまえば循環も止まるが、それをめざして事業を行っている会社はひとつもない。つねに前年よりもいい成績を残せるよう努力しながら事業を継続していくのが、企業なのである。そして、ここからが大事な話なのだが、企業の循環には2つの種類があると考えたほうがいい。ひとつは「いい循環」、もうひとつは「悪い循環」だ。循環するものは何でもそうだろうと思うが、企業の循環活動にもリズムのようなものがあり、それは一定の方向へ流れがちである。いいリズムで流れているあいだは循環もいい方向へ進んでいくが、いったんリズムが乱れると悪循環が始まってしまう。不思議なもので、いい循環に乗っているときというのは、何をやってもいい結果に結びつくものだ。打つ手がことごとく成功する。逆に、会社が何かのきっかけで悪い循環に乗ってしまうと、これを立て直すのは容易なことではない。リズムをよくするために何か手を打てば打つほど、ますます流れが悪くなっていく。どうあがいても、悪い結果しか出ない。いい循環のときにうまくいった手法さえ、悪い循環のときには裏目に出たりする。悪循環とは、そういうものだ。たとえばビール会社が、1本あたり同じ額の宣伝費をかけたとしよう。やっていることは同じでも、市場でのシェアが大きい会社と小さい会社では、その宣伝効果がまったく違ってくる。かたやシェアが38%、かたや10%だとすると、1本あたりの宣伝費は同じでも、トータルの宣伝費には3倍もの開きが生じることになるのだ。宣伝費と宣伝効果が単純に比例するとは言わないが、この差は大きい。当然、シェアの大きい会社のほうが世間での認知度が高まるから、シェアはますます拡大するだろう。一方、シェアの小さい会社はトータルの宣伝費で太刀打ちできず、いつまでたってもライバルに追いつくことができない。現実のビジネスはそこまで単純にはできていないものの、基本的にはそういうしくみになっている。だからこそ、経営者も現場の社員も、つねに自分たちの会社がいい循環を起こすように心がけなければいけない。


簡潔にお伝えすると、企業活動には「目標」はあっても「ゴール」はありません。


つまり企業活動というのは、いつまでも続く「循環活動」であり
経営者も現場の社員も、つねに自分たちの会社が「好循環」でいられるように、改善と工夫を重ねる必要があるのです。


そして弊社は、企業の業績向上と指標提示等を行う外部パートナーとして
ある部分はその企業の一員として加わることを許可していただける立場で、その中で適切な提案、指示出しをして行きます。




「模範解答がなく(強いて言えば答えは顧客が満足すること)、企業の業績向上と指標提示等を行う仕事」

上記はコンサルタント自身が常に自己研鑽(実践実務での経験、座学、能力開発)していかなければ成り立たない仕事です。
そして、能力だけでなく、人間性も高めて行かなければ、顧客に中長期で役立つことは難しいでしょう。
人間性に関しては、また次回触れさせていただきますが、このような「結果で評価」が顕著に表れる世界で仕事をさせていただいていることに誇りとプライドを持ち、
本日も結果にこだわり、行動して行きます。