4代目 やりきった!

こんにちわ、学生代表の豊島です。

 

 

 

STEP第8回公演『あいまい宝島』が終わり一カ月立ちました。

 

 

 

ご来場くださった方々、LIVE配信にてご視聴下さった方々、並びに感染拡大防止対策にご協力頂いた全ての方々に対して感謝の気持ちで一杯です。

誠にありがとうございました。

 

 

 

演出助手・舞台監督・制作・照明と言う立場で参加した本公演ですが、多くのを頂きました。

 

演出助手の仕事は現場や演出家によって異なるのですが、私は主に裏方陣への仕事振りを意識していました。いままでSTEPでは裏方の人が稽古場に来ても特にすることが無く、稽古に来る意味を見失ってしまいそれが座内でのモチベーションの温度差に繋がる事がありました。なので私は裏方、とりわけ演劇に初めて参加するメンバーに稽古に来るたびに仕事の振り分けを行い、その結果裏方と演者が同じモチベーションで活動する事が出来る現場を創る事が出来ました。

 

制作・舞台監督につきましても同じマインドで活動しておりました。

 

学生だけでは無く、社会人やプロの方と一緒にお仕事できた事も大きなです。

 

 

 

大学の広報課の仲西さんや谷ノ内さんをはじめ、学生会館の三村さんや、当初は夢物語のように考えていたLIVE配信を現実にするためにお助けしていただいた映像アドバイザーの林先生や音響アドバイザーの西川さん、学術アドバイザーとして私を含む多くのSTEPメンバーに作品のテーマであるハンセン病について連日ご教授して下さった蘭先生、茨木市の市役所の田中さんや山陽新聞社・共同通信社・大阪日日新聞社の各記者さんとの出会い、そしてNHKアナウンサーの畠山衣美さんとのご縁など、本当に多くの社会人の方々とお仕事をできたのは本当に私の中で大切なです。


 

学生以外にも、このように私たちの活動を支援・報道して下さる社会人・プロの方々のおかげで今回の公演は成功しました。

 

 

 

文面上で大変恐縮ですが、御礼申し上げます。

 

 

 

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

また、今回の公演では私の人生で最も大きなを得る事ができました。

 

それは何か、

 

 

 

「組織を大きく変えた事」です。

 

 

 

ここからは学生代表として私の思いを綴らさせて頂きます。

 

 

 

私は同期・後輩の信認のもと、昨年12月23日に先代の川口から4代目STEP学生代表の職を禅譲頂きました。(写真は歴代リーダー方と撮った一枚です)


 

就任当初の私は3つの公演を全て役者で出演しつつ、演出・制作・舞台監督などの要職を兼任していました。昼前から22時までずっと稽古場にいて、家に帰ってからはデスクワーク。気づいたら深夜の2時で翌日は早朝バイトの為、5時起きの生活が週6であるのですからまぁまぁ忙しかったです(笑)

 

 

 

ただ、そんな忙しさなど学生代表の仕事と比べたらまだ楽だったかもしれません。

 

 

 

演劇を創るだけではなく、本職である学生代表として組織の将来的な発展を目指すことが仕事だと考え、多くの組織改革案を思案し、団体幹部にあたるリーダー会で共有しました。

 

 

 

しかし、組織改革というものは難しいものですね。

 

 

 

元々、STEPは誰でも気軽に参加できる敷居の低い事が売りの団体でした。しかし、それがいつの間にか、緩さを容認する団体となっていました。

 

「やる人とやらない人がいるのも多様性」「幽霊部員がいるのも素敵」「豊島にはできない人の気持ちが分からない」

 

などの声もありました。

 

 

 

別に共産主義では無いのですから皆が平等に幸福と苦役を共にすることは私は目指しません。

 

ただ、頑張る人の睡眠時間を頑張らない人が奪う社会や団体は嫌だそれを変えたい

 

 


意外と、先輩や後輩や同期メンバーは僕の改革姿勢に肯定的でした。

 


 

しかし、そう簡単に組織改革はできません。創設時のOBや同期幹部からは反発の声が大きかったことを今でも鮮明に覚えています。そりゃそうです。「改革」というと響きはカッコいいですが、見方を変えれば失敗のリスクを背負って仕事を増やす事ですから。あぁ、既得権益ってこういう事なんだと身をもって体感できました。

 

 

 

でも現状のSTEPという組織に問題点がある事を見過ごすことはできません。現状の諸問題を解決して次の世代の子たちがやりやすい団体を引き渡していくのがリーダー会の仕事です。問題を見過ごすというのは怠慢と言わざるを得ません。

 

 

 

そうした中でSTEPも時代の洗礼を受けました。

 

コロナ渦において予定していた公演は全て中止。そのうち2つは本番1週間前を切った状態での中止でした。

 

 

 

演劇人にとって公演が中止になる事は大きな悲しみです。ましては自分が演出で関わっている舞台となるとその悲しみは図り知れません。

 

もちろん私も中止は辛かったですが、組織改革と比べればまだマシと思えてしまう自分がいました。

 

 

 

春学期は授業もすべてオンラインで団体の活動も必然的にオンラインになりました。

 

STEP以外にも多くの学生団体が活動はもとより、存続の危機に陥る状況。

 

コロナ禍という誰も体験した事ない状況で代々、上の代から言われたことしかやってこなかった学生団体はSTEP以外もそうですが、もう大ピンチです。

 

元々公演の時に団体としてのアイデンティティを持っていた我々も公演が無いとなると団体のアイデンティティを失う為、瀕死の状態に陥りました。

 

 

 

そこで私は「コロナに負けず、活動の灯絶やさず」を新たなスローガンに掲げ、オンラインでの活動が始まりました。

 

しかし、新規事業には何事もリスクがつきものです。このホームページ運営をサポートして頂いているクインテット(株)のPando事業部の平澤さんからホームページ創設のお声がけを頂いた時もリーダー会の中では慎重意見がありました。

 

 

ただ、もう瀕死の団体がリスクにビビっている状況ではありませんでした。

 

 

自分が何かをしないと団体が潰れる今思うとあの時にリーダーとしての自覚が生まれたのかもしれません。

 

 

 

リスクがあるのも重々承知だ。手間が増えるのも理解する。

 

ただこれは今のSTEPにどうしても必要だと思う。そこで私は全責任を自分が持つことを決意しました。

 

 

 

社会人であれば自らの進退で責任を取る事ができるかもしれません。ただ、STEPは学生団体なのでその責任の取り方はあまり効果的ではありません。ならば、STEPの中での責任の取り方はなんなのかと考えた時に自らが業務を担う事が責任の所在だと判断しました。

 

 

 

考えてみれば、組織の進むべき方法を示すにはリーダーが自らその姿勢を見せる事が何よりも大事なのです。

 

明治天皇は文明開化が広く国民に浸透するよう、自らが進んで牛肉を食したと言います。

 

結果としてこの前の『あいまい宝島』ではホームページがあったからこそ成り立った公演と言っても過言ではありません。飲み会の自粛・小規模化で相手がどんな考えなのかを知る機会が少ない昨今ではメンバーが書いてくれる記事を家で読みながら梅酒をロックで飲む事にハマっていたりします(笑)

 

 

 

自らにエンジンがかかってからは怒涛の日々でした。

 

私は割と神経質な人間で、人の発言や真意を深く読みすぎてしまう傾向があります。おかげで気遣いやおもてなしの心は培われましたが、その分他者の行動を必要以上にナーバスに受け取る事があります。更に私は生まれてすぐに臍腸管遺残を発病し手術をしたり、成長後も腸閉塞や胆嚢結石症などを抱えたりするなど病弱な人間です。今回も心身、主に心の疲労から体調不良を引き起こす事もありましたが、リーダーの停滞は組織の停滞に繋がります

せっかく数ある学生団体の中からSTEPでの大学生生活・演劇生活を選んでくれたメンバーに顔が立ちません

おそらくこの考え方はあまり良くないと思いますが、「できない人の気持ちが分からない」と言われた私にできる事は、例え自らの身を削ってでもできない人の分まで自らが自覚と責任を持って働き、組織を発展させていく事だと考えました。簡単なことでは無かったですが、リーダーをしている以上、選択肢は「やる・やらない」では無く、「やるしかない」の一択で日々オンラインでできる団体活動を企画・行動し常に団体の事を考え様々な演劇の戯曲や知識に触れるとともに経営者やキャプテン、政治家の本を読みあさり、組織マネージメントを自らが学んでいく事に尽力しました。

 

 

 

その結果、顧問の横田修准教授や学校関係者や他団体、他大学の演劇をやっている学生のご協力もありましてSTEP史上最多の新メンバーが入ってくれました。

数ある学生団体・演劇団体の中からSTEPを選んでくれて本当にありがとう。

 

おかげで秋学期以降のSTEPでの生活はとても充実した時間でした。

 

新メンバーを含めた新しいSTEPは本当に楽しかったです。折れそうな心を支えて頂いた沢山の方々のおかげです。中でも春学期に副リーダーだった同級生で同期入団の池田には大恩があります。

 

彼は当時のリーダー会の中で唯一腹をくくって組織改革・コロナ禍の荒波を私と一緒に闘った仲間なのです。

 

彼のガッツある姿勢に救われたことは1度や2度ではありません。

 

オンライン企画の打ち合わせやホームページの編集をZOOMで深夜まで行った日々は辛くもありましたが良き思い出です。

 

 

 

副リーダー退任後も彼は第8回公演『あいまい宝島』の演出助手として私と共に公演創りについて難題の解決に取り組みました。

 

プライベートでもよく飲みに行くのでメンバーから「付き合ってるん?」と聞かれることがあります。確かに同じタイミングで胃腸炎になってダウンするなど交際を疑わせるような感じは分からなくも無いですが、全くそんなんじゃないです(笑)

 

 

 

飲みに行っても話している内容のほとんどは芝居とSTEPの話です。もちろん、第三者がいるときは別の話をする時もありますが、サシで飲むと本当にずっと芝居関係の話をしているのです。なので、私と池田が本気でサシ飲みしている様子はあんまり面白く無いと思います(笑)

 

 

公演が終わってから、行きつけのバーでサシで飲んでいました。彼自身、自らの立場で悩む日々もあったと思います。そんな中でも団体を支えた彼のガッツは凄まじいです。互いに涙を流しあい互いの健闘を讃え合いました。

 

 

 

エレファントカシマシの俺たちの明日という曲の中で「オマエ」という歌詞が出てきます。

 

私の中での「オマエ」は池田で、彼と一緒に崩壊寸前だった組織をここまで大きな団体にできた事は私の中で大きな宝です。


 

先日、後輩達がメインの会議を傍聴していました。そこで「全員ある程度は全裏方の知識をつけるべき」という声があり、それに対する周囲の雰囲気も肯定的でした。

 

その光景を見た時、「組織は変わったな」と心底思う事ができました。

 

古いSTEPから新しいSTEPに変える事が出来ました。


私は昨年、川口が学生代表の職を退任した日でもある今年の12月22日付で学生代表を退任し、STEPを1メンバーとしても退団致します。

 

 

 

新しい人間が新しい問題点を新しいやり方で改善していき、代替わりのある学生団体は発展していきます。

 

 

多くの先輩にお世話になった平メンバー時代の1年生の時の思い出、副リーダーとして先代の川口学生代表をお支えしながら組織を中心で支えていった2年生の時の思い出、自らがリーダーになり多くの荒波を乗り越え組織を変えていった3年生の思い出、色々ありましたが充実した3年間でした。

 

4回生でもSTEPに参加する事は可能ですが、私はしません。

もちろん、新しいSTEPで新たな芝居創作という冒険をすることはとても楽しいと思います。

 

ただ、もう十分やりきりました。それにいつまでも中心メンバーが同じの学生団体は個人的には面白くありません。

1年半以上組織をリーダー会として引っ張ってきた私が抜けるのは自分で言うのもなんですが、結構団体にとっては大変かもしれません。自分も一線で引っ張ってくださっていた先輩方が引退された際は中々大変でした。しかし、その大変さを乗り越えた先で組織は発展しました。

新しいSTEPなら僕の代以上に発展する可能性は多くあります。

その可能性が楽しみで仕方が無いのです。

 

 

これからは就職活動に目を向けつつ、STEPに割いていた心のキャパを趣味の読書やツーリング旅のほか、自分が高校生の頃より創作を夢見ていた故・つかこうへい氏の『熱海殺人事件』の上演に向けての準備に割いていこうかなと思います。

 

 

最後になりましたが、第8回公演『あいまい宝島』を活動にご支援頂いた全ての方々に御礼申し上げると同時に私がSTEPで関わってきたすべての方々にも御礼申し上げます。

 

本当に、ありがとうございました。

 

そして、貴重な大学生活の時間をSTEPに割いてくれたメンバーの皆、本当にありがとう!

拙いリーダーについてきてくれて本当にありがとう!


 

今後の益々のご活躍を期待しております!


舞台表現プロジェクトSTEP4代目学生代表:豊島将己

 

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