とある左利きの人の話

『左利きなの!?格好いいじゃん』

『スポーツも全部左じゃないの?』

『左利きって頭いいんでしょ?』





この言葉たちは私が言われてきた言葉だ。偏見なのでは?と思うこともあるが、私はこれらの言葉に当てはまらない。



物心ついた頃から左利きであった私は、手作業は全て左手で行う。字を書くとき、ハサミを使うとき、箸を使って食事をするとき、スマホで文字を打つのも左手で行うのがやりやすい。



だが、スポーツにおいては別だ。右のほうがうまくいく。何しろすっきり違和感なくできるのが右である。私自身、小学生の頃は新体操を習い、リボンやフープなど右手右足をつかっていた。中高ではバドミントンをしており、当然ラケットは右手で持ってやっていた。右でやる方が力が入ったし違和感が無かった。むしろ、左手で行うほうが不恰好である。



さらに、勉強面では才能があるわけでもなく大きな賞をもらうほど評価されたこともない。いっそのこと勉強などしたくないと思っているほどであり、左利きだからといって変わったことは何もないのである。



そして、左利きだからこそ面倒な場面はたくさんある。テストやアンケートなどの解答欄は右側にあるため、腕をどかしながら書くことや目線の移動が多くなる。隣り合わせで食事をするとき、右利きの人と肘が当たってしまうなどがあるのだ。



最後に、これらの話は私の実体験であり全て左利きが該当するわけではない。全て左利きという人、全くの反対の利き手の人もいるだろう。基準はどうであれ、日本では約10人に1人は左利きと言われている。私は利き手も個性だと考えているため、この個性を大事にしていきたい。