蜜蜂と遠雷




私がオススメする本は「蜜蜂と遠雷」です


オススメする理由は、主役となる4人の新人ピアニストが歩んできたストーリーとコンクール本番で起こる数々の波乱な展開が衝撃的でドキドキ感が止まらない所です。

​主役の4人は、かつて天才と呼ばれたが表舞台から突如姿を消し、再びコンクールの場へと戻ってきた栄伝亜夜、名門音楽院に通う優勝候補のマサル、楽器屋に務めながら最後の挑戦としてコンクールに挑む高島明石、養蜂場の息子で偉大な音楽家であるホフマン氏が推薦する風間塵と、非常に個性溢れる面々であり、それぞれがコンクールで出会うことでお互いの演奏へ影響を与え、日を重ねる毎にその演奏がより深みを増していく。その様がなんとも美しく、しかしお互いがライバルであり戦っているという状況が生み出す熱量に圧倒されます。


そしてもうひとつオススメする理由は、音の描写です。
あくまで私自身の感覚なのですが、本当にピアノの音が聴こえてくるような感覚に陥るのです。また、コンクールの予選課題曲は決まっており当然全員が同じ曲を引くことになるのですが、それぞれにその人のストーリー性や性格など立場によって聞こえ方の表現が異なっており、想像する音の感覚も全然違ったものだったので不思議だと思ったのと同時に脳が震えました。笑


この作品は実写化は困難と言われて来ましたが、2019年に映画化され実際に劇場へ足を運んで鑑賞してきました。

圧巻でした。

​実写化されている作品を観る時に、映像が先か、本が先かで迷う事もあると思います。
この作品は圧倒的に後者です。本を先に見るべきだと思いました。
​文章で表現される音と実際に再現された音で、自分が感じた音と同じなのか、はたまた全く違うものだったのかを確かめるだけでも非常に見る価値のある作品だと思います。
観終わったあとには、圧巻すぎてしばらく動けませんでした。
​ぜひこの作品は小説と映画の両方を観て欲しいと思います。


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