あなたにとって時間とは…

あなたにとって「時間」ってなんですか?

先日「人生で最も貴重なもの」のひとつに「時間」があるという話をしましたが、今日もその続きで、貴重な「時間」って何なのかについて考えたいと思います。演劇「モモと時間泥棒」ってご存知ですか? 小学校の学芸会なんかでもやっているみたいですが、以前コーチからその原作である『モモ』(ミヒャエル・エンデ)という小説を紹介してもらいました。その一節に次のような文章があります。

「とてもとても不思議な、それでいて極めて日常的なひとつの秘密があります。すべての人間はそれに関わり合い、それをよく知っていますが、そのことを考えてみる人は殆どいません。たいていの人はその分け前をもらうだけもらって、それを一向に不思議とも思わないのです。この秘密とは…それは時間です。時間を計るにはカレンダーや時計がありますが、計ってみたところであまり意味はありません。というのは、誰でも知っている通り、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ほんの一瞬と思えることもあるからです。なぜなら時間とは、生きるということそのものだからです。そして人の命は心を住処としているからです。」

この一節を読んで衝撃が走りました。何度も読み返し、これまでの経験を振り返り、その意味を確かめました。「物理的な時間(量)にはあまり意味がなく、その時間をどのように使い、どう感じるかという心理的な時間(質)にこそ意味がある。生きているとはそういうことだ。つまり、"時間"っていうのは"命"そのもの。」ちょっとした感動とともに、妙に納得したのを覚えています。

言ってみれば、いろんな出来事の連続帯が人生だと考えると、その過程では、もちろん良いことばかりではなく、辛いことや悲しいこと、寂しいことや悔しいことはあって然るべきです。ただ、そういったそれぞれの心理的時間はそれだけで完結するのではなく、「よく生きたい」という未来に続くものであって欲しいと思います。タイムマネジメントという言葉をよく耳にしますが、仮に「時間が命」だとすると、タイムマネジメントの本来の意義は、「よく生きる」ためにどういう出来事を積み上げていく(どういう心理的時間を過ごす)かということなのかもしれませんね。

さて、あなたは「自分の時間(命)」をどうマネジメントしますか?



関連記事