国際連合の経済社会理事会(ECOSOC)のNGO、DEVNET International(以下、DEVNET)は、アジアの地域経済の発展を目指して、3月20日にベトナムのハノイ工科短期大学と提携した。日本が持つ技術をベトナムで役立てたいという思いから、ハノイ工科大学卒業生を、外国人技能実習生及びインターンシップ留学生として日本の提携先企業に受け入れる。
ベトナムと日本の経済や技術の交流を活発することを目指し、ベトナム商工会議所(VCCI)やベトナム女性起業家協議会(VWEC)と、DEVNETはこれまで関係を築いてきた。
3月18日に、安倍首相は外国人美容師が就労できる方針を決めた。DEVNETは厚生労働省に申請し、美容業界でインターンシップの受け入れができるようになった。ハノイ工科大学などのベトナムの学校と提携し、日本式美容科コースなどのカリキュラムをつくる予定だ。来日に向けて、日本語や日本文化、ファッション、ネイル、エステ等、美容師に必要な技能やスキルを学ぶ。
美容室を展開する(株)Charisなどの企業に、外国人技能実習生・インターンシップ留学生を派遣する予定だ。ロンドンやニューヨーク、パリ、ミラノなど世界各国で美容の経験があるCharis代表取締役・坂本敏也氏は、「高い技術をもつ日本の美容業界を世界に広げていきたい。世界規模の店舗展開を目指す」というビジョンを話している。
2018年8月にはベトナムのハノイ国立高等技術職業専門大学の理美容学部とDEVNETは提携しており、全国で理美容室など242店舗を展開する㈱髮剪處の代表取締役社長・井出 隆夫氏への外国人技能実習生の受け入れを予定している。
ベトナムの大学を卒業した外国人技能実習生は、昼間は美容室でアシスタントとして働きながら、美容専門学校などの夜間課程や通信教育で学び、国家資格の美容師免許を取る予定だ。DEVNETは教育費を援助する。資格を取った後は、美容師として日本で続けて仕事ができるほか、帰国して美容室を開業できる。帰国後の美容室を開業する起業家には、DEVNETや井出氏、坂本氏が開業資金を融資や投資し、起業をサポートする。
美容から始めたこの取り組みは、これから理容やネイル、スキンケアなど「トータルヘアビューティ」まで広げる予定だ。「美」へのニーズは世界各国でいつの時代も根強く、ビジネスとして将来性があるからだ。
さらにベトナムのハノイ工科大学とは、美容のほか、ロジスティクス、食品製造、建設、ITなどの分野でDEVNETは提携している。今後は、専門技術や知識がある卒業生を、技術・人文知識・国際業務の在留資格で受け入れ、日本企業への就労をサポートしていく。ロジスティクスでは鴻池運輸㈱と提携し、外国人技能実習生として卒業生を受け入れることが決まっている。