同時に複数の目的達成を手助けする現代人特化型モデル

何かの目的と一緒に別の目的を達成できるということには、時間に追われがちな都市部の現代人は特に敏感に反応し、そのこと自体に価値を感じるケースも多いであろう。

弊チームで議論を進めている「好きな献立のランチボックスを予約し受け取るサービス」とは、そのような時間・労力の有効利用に重点をおいた、現代人の生活における生産性向上を手助けするサービスである。

ビジネスタウンの駅近に弁当受け取りボックスを設置すれば、出社や登校の目的とは別に、その日の昼食を得る目的を達成することができるし、
栄養に力を入れたラインナップを用意すれば、その日の昼食を得る目的とは別に、健康的な食生活を達成することができる。

しかし、サービスそのものに工夫をするだけでは、同時に達成できる目的の規模や多様性に限界がある。

そこで、今回は本サービスの強みである「様々な世の既存サービスと連携しやすい」という点を活用し、フィットネスジムと連携した場合のソリューションアイデアを議論した。


現在、ジムでの運動と食事を同時に提供しているサービスは普及していない。

しかし、運動とその運動メニューに適した食事の連携は健康維持にはとても重要であることから、我々は
「ジムで健康的でコスパの良いお弁当を提供し、運動を終えた後すぐに運動効果を最大化するような食事をとることができる」といったサービス事業の拡大を想定した。

ジム併設の弁当コーナーには、野菜を手軽に取れる弁当・カロリー抑えめな弁当・プロテイン弁当などの運動後に最適なラインナップが揃っており、アプリからはその日の運動メニューに最適な弁当献立がレコメンドされる仕組みとなっている。

ダイエット中の女性から、筋肉をつけたい男性、健康維持を目指す年配など、健康に拘る都市部の老若男女にターゲットを絞った新しい弁当屋のあり方を考案したのである。

これにより、運動をするという目的と、健康的に食事をとるという目的の同時達成を実現することが可能となる。
それは、冒頭で述べた本サービスにおける価値の核となる「現代人の生活における生産性向上」に対しての強力な手助けとなりうるだろう。


このサービスには「様々な世の既存サービスと連携しやすい」という強みがある反面で、代替手段が現れやすいといった特徴もある。

例えば、ジムで運動をする人は栄養バランスを気にするのは間違いないが、健康にこだわる人が本当に弁当を買うのだろうか。サプリメントを買ってしまうかもしれないというような懸念がある。

アーリーアダプターの対象像を思い切って絞り込み、その中での競合や代替手段に応じた差別化要素を持たせサービスを尖らせることが、本サービスを世に普及していくために必須事項なのだと、幣チームは認識している。

北村 和久(SSDC)
2020.11.10

アーリーアダプターの絞り込みを行い、自分たちが最も大切にしたい想定ユーザーのペルソナを定めることで、インタビュー対象者も設定しやすくなり、「特定の人に深く刺さる」アイデアにしていくことができます。
絞るのは怖いですが、まずは勇気をもってやってみましょう。引き続きよろしくお願いします。

岩尾俊兵
2020.11.10

お弁当の配達サービスはよくあっても、それが自分に最適化されているというのはなかなかないですね。
次次回くらいでビジネスモデルを一度0から考え直すワークもありますので、そこでまたじっくり考えてもらえたら幸いです。