感謝の気持ちを贈る「御中元」〜日本文化〜

こんにちは。日和のhinakoです。

気がつけば7月も中旬となり、2020年がもう半分も過ぎてしまいました。この時期、日頃お世話になっている方に「御中元」を贈る風習があります。虚礼廃止の風潮が広まりつつある現代ですが、今回は「御中元」の由来についてご紹介したいと思います。


「御中元」の由来

御中元の由来は中国の暦にあり、旧暦で上元 (1月15日) 、中元 (7月15日) 、下元 (10月15日) の三元にわけます。道教の教えで中元の日に様々な罪が赦される贖罪の行事が催されます。お供え物をした人は罪を赦されると信じられていました。仏教の影響から盂蘭盆の行事と結びつき、江戸時代には盆供と共に、お世話になった方に贈り物をする年中行事となりました。この習慣を「御中元」と呼ぶようになりました。


「御中元」に食べ物が贈られる理由

「御中元」の品に選ばれているものに食べ物が多く見受けられます。「御中元」と食べ物の関係の重要性は、日本人ならではの考え方が基本となっています。それはお供え物を皆で分かち合って食べることで、神と人間が共同飲食=「神人共食」をすることです。「共食」することにより親密を強め、生活安泰の保証を得ようとしました。現代でも食べ物が贈られる品に選ばれるのは、「共食」の名残りではないでしょうか。


「御中元」を贈る時期

現代の「御中元」は1年の上半期の感謝の気持ちを込めて、お世話になった方に贈ります。7月初旬から8月15日までの約1ヶ月のうち、地域によって1週間から1ヶ月と期間が異なります。「御中元」は気持ちを贈るものなので、異なる地域に贈る場合はできるだけその地域に贈る最適な時期を守り、失礼がないようにします。


「御中元」のお返しは?

「御中元」に限らず、何かいただき物をしたらお返しをするのがマナーです。ですが「御中元」は目下の方から目上の方に対して「感謝の気持ち」を贈る風習です。そもそも「お世話になっている」と言う「感謝の気持ち」を贈るものですので、目下の方からいただいた「御中元」にお返しをする必要はありません。しかし「御中元」をいただいた際には、お礼の意を伝えるのは最低限のマナーです。無事に届いたことを伝えて、ありがとうの気持ちを伝えます。



人と人との繋がりが重要なのは今も昔も同じですが、虚礼廃止となった時代の流れは無視できないものがあります。しかし「虚礼」を廃止するのであって、人に対して「贈る」気持ちが廃れたわけではありません。義務感で贈ることに抵抗があるけれど、相手への気持ちを表現するために「贈りたい人が贈りたいものを、受け入れてくれる状況の贈りたい人へ贈る」ことは、これからの時代でもひとつのコミュニケーションの手段となるかもしれません。


あん
2020.07.26

御中元は中国が由来なんですね!
御中元が来ると「あー夏なんだー」ってなるので、そういう意味でも御中元は素敵です、、
地域によって時期が異なるのは初めて知ったので気をつけたいです!

まゆぽん
2020.07.21

お中元って素敵ですよね!贈りものをするだけで心が温かくなります!
けど、そもそもなぜお中元をするのか疑問だったので、しれてよかったです!

Ellie
2020.07.20

お中元が中国に由来した文化だったとは知りませんでした…! なぜ全て食べ物なのか気になっていたので知れて面白かったです。