アイヌ民族の宗教性

【予習】宗教単元

〇予習前の宗教のイメージ
 私の宗教のイメージを割と幅広くとらえており、キリスト教やイスラム教などの個別具体的かつ代表的な宗教から、自然崇拝、民族の信仰など宗教的なものまで観念していた。どちらも共通するものとして、
・自分の行動の何らかの規範となるもの
・天変地異の事象などを畏怖して恐れる
などが挙げられる。

違いとしては、到達点(天国・地獄)やその過程(教義)がそれぞれの中で規定されていることであり、例を挙げると、キリスト教では「~せよ」「~してはいけない」といった十戒をはじめ、聖書の教義などを厳守して生活することで死後、天国に行くことができる、というようなことである。

◎事前課題に対する仮説

 「聖と俗」を読み、自分の中で気になった部分を検討する。
3章、「自然の神聖と宇宙的宗教」の中で、多様な民族の持つ宗教性について語られており、天変地異や自然に対する人々の考え方が色濃く反映されていたと感じた。その中でも、111頁にて本書で唯一「アイヌ人」という単語が出てきており、日本の北海道を中心に存在する民族であるために興味がわいた。

調べてみると、アイヌ民族は、植物や動物など人間に自然の恵みを与えてくれるもの、火や水、 生活用具など人間が生きていくのに欠かせないもの、天候のように人間の力の及ばないもの など身の回りにあるあらゆ るものを”カムイ”と呼び敬っている(これは他宗教における”神”とは全くの同義というわけではない)。

神々の世界と人間界の世界という対応において認識されており、人間界では神への祈り(カムイノミ)によって神々と交信する。クマ送りやフクロウ送りなどの儀式も行われ、カムイを供応し、神の世界に送り出す。この発想はモノに対して行われ、人間界で役に立ったものが壊れて廃棄される場合、丁寧に送り返すという。

生活のあらゆる局面や儀式において、常にカムイの存在を意識しており、彼らへの尊敬・感謝を常に持ち続けたまま生活するというアイヌ民族の伝統的な暮らし方は、自然の中で動植物などの資源を食糧として調達しながら暮らしているようにも、カムイとのつながりを常に保ち続けて人間として共存して暮らしているようにも、如何様にも捉えられると感じた。



◎課題図書・資料・フィールドに触れて

▼課題図書「聖と俗/ミルチャ・エリアーデ(著)


【予習】宗教単元
5件
No Name
2022.01.17

宗教と行動には規定によって結びつくものがあるのですね。
普段の私たちは宗教を意識せずに過ごしていますが、カムイという存在を意識しながら過ごすことも良い習慣だと思いましたね。
宗教で学んだ知識を発信することで、あらゆる人たちがよりよく生きることを伝えてたら素晴らしいと思います!!!

あそちん
2022.01.17

ありがとうございます!

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