子どものころ、辞書を読むのが好きだった。
分厚い辞書をめくって、めくって
ようやく自分が調べたい言葉を見つけると
そのすぐ隣に、自分の知らない言葉が
ずらりと並んでいるのが目に入る。
その中から気になる言葉をひとつ選んで、
その意味を読んでみると、
注釈には、また別の言葉が載っていたり。
私はまるで宝探しをするかのように、
夢中で言葉を追いかけていった。
そんな子ども時代のせいだろうか。
例えば、目的地に向かう途中に偶然見つけた素敵なお店。
退屈な本の中にふと見つけた、心にじんわりと染み入る言葉。
そんな思いもよらない偶然の出会いが、
私には、たまらなくうれしい。
情報が手に入るようになった今の時代。
自分がほしい情報には、
スマホひとつですぐにたどり着けてしまう。
訊けばわかる、探せば見つかる。
そんな「想定内」で溢れているからこそ、
思いがけない出会いを、もっと大切にしたい。
まずは、この一冊から。
あなたも、Serendipityに出会えたら。