Editor's note 1

子どものころ、辞書を読むのが好きだった。

分厚い辞書をめくって、めくって

ようやく自分が調べたい言葉を見つけると

そのすぐ隣に、自分の知らない言葉が

ずらりと並んでいるのが目に入る。

その中から気になる言葉をひとつ選んで、

その意味を読んでみると、

注釈には、また別の言葉が載っていたり。

私はまるで宝探しをするかのように、

夢中で言葉を追いかけていった。

 

そんな子ども時代のせいだろうか。

例えば、目的地に向かう途中に偶然見つけた素敵なお店。

退屈な本の中にふと見つけた、心にじんわりと染み入る言葉。

そんな思いもよらない偶然の出会いが、

私には、たまらなくうれしい。

 

情報が手に入るようになった今の時代。

自分がほしい情報には、

スマホひとつですぐにたどり着けてしまう。

訊けばわかる、探せば見つかる。

そんな「想定内」で溢れているからこそ、

思いがけない出会いを、もっと大切にしたい。

 

まずは、この一冊から。

あなたも、Serendipityに出会えたら。