Magadipitaへの想い ー たえ

便利なWEBメディアが普及する傍ら、紙媒体もまだまだ世界から消えていません。紙の本の売り上げが落ちたということもよく耳にするけれど、それでも本屋はちゃんと残っています。紙媒体を求める人も一定数いるはず。そして私もそのひとりです。

 私は紙に触れページをめくるという行為そのものが好きです。指で画面をスライドしてWEB上で本を読むより、紙媒体のページをめくる方が私にとっては何だか落ち着くし、ページをめくる時の、次はどんな世界が私を待ち受けているんだろうと考えるあのドキドキ感もたまりません。

 

そんな「紙好き」の私をもっともときめかせてくれるものが「雑誌」です。例えるなら雑誌は私にとって「引き出し」のようなものです。知りたい情報を目で探しながら、その一方でこれまで興味を持たなかったものにも自然と目を向けることになります。

知りたかったこと、知ろうとしていなかったこと、すごいと思うこと、素敵だと思うこと、とにかくいろいろなものが詰まっている引き出しなのです。情報だけではありません。目を引くデザイン、色遣い、次のページをめくりたいという衝動に駆られるようなレイアウト、読みたくなるようなフォント、ずっと手に持っていたいと思ってしまうような質感。雑誌は私にとってあらゆるものが詰まっている引き出しで、私はその引き出しを開けるのが大好きなのです。

 そんな私が大学生になって雑誌制作に関わることになったのは、何かのふしぎな縁なのかもしれません。所属している学生団体で出会ったのは「Magadipita」という雑誌です。その合言葉は「Serendipity」。読者に素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見してもらいたい、という思いが込められています。さらに世界中の出来事に距離を感じている若者たちに、少しでも身近に物事を感じてもらいたいという意味も込められています。

 それはまさに私が感じる「雑誌は引き出し」という考えにぴったり合っているように感じ、聞いた瞬間からこの雑誌に携わってみたい!と思いました。

スマホでどこでも読めてしまうネットの記事も良いけれど、これから先何年たっても、手にとってページをめくる紙の雑誌の楽しさは変わりません。そしてその楽しさを多くの人に伝えたい。「Serendipity」にそんな私の思いも込めて、これからもずっと大切にしてもらえるような雑誌を作っていきたいと思っています。