【第5回】 業界の構造分析について考えよう

皆さんこんにちは。岩尾ゼミ・3年Aチームの安原美穂です。

 

秋学期初回のゼミでは、沼上幹氏の「わかりやすい マーケテイング戦略」の第5章業界の改造分析の内容をメインに3グループに分かれ、以下3つのテーマについて話し合いました。

 

  • 5フォース理論においてある産業における各競争要因がすべて「競争状態が激しい」となっていても、参入すべき場合があるだろうか。あるとするとどのような場合か。
  • フィットネスクラブや美容皮膚科は化粧品の代替品になりうるだろうか。漢方薬、健康食品、野菜、果物についてはどうだろうか。
  • 一言に代替品といっても狭くも広くもとらえることができるが、最適な広さはあるだろうか。

 

業界の改造分析

今回は、企業が儲かるか、儲からないかを左右する5つの競争要因を学びました。5つの競争要因が強ければ強いほど、企業は属している業界で儲けにくくなると考えられます。

《5つの競争要因》

  • 既存企業間の対抗度;

価格競争、広告戦争、新製品開発競争、顧客サービスどれをやっても市場全体の規模が拡大しないほど利益ポテンシャルが下がります。

  • 新規参入の脅威;

新規参入があると業界全体の生産能力が増大、市場拡大を行う意志と能力が生まれます。よって激しい競争が行われる危険性があると考えられます。

  • 買い手の交渉力;

買い手は値引きや良いサービスを要求します。その要求を押し付けるだけのパワーを持っていると、こちらの業界の利益ポテンシャルが下がります。

  • 供給業者の交渉力

供給業者は値上げや品質サービスの低下を行います。その必要とパワーが供給業者にある場合、利益ポテンシャルが下がります。

  • 代替品の脅威

企業が自分たちの製品に設定できる価格の上限を規定することで、業界の利益ポテンシャルを低める方向に左右します。

 

企業にとって5つの競争要因は、他社と差別化を図るため、問題のある要因を明らかにし、それを打破するイノベーションを考え出すためにも必要な構造分析方法です。

つまり、企業は利益を上げるため5つの競争要因を考え明らかにする必要があります。

 

グループワーク

  • 5フォース理論においてある産業における各競争要因がすべて「競争状態が激しい」となっていても、参入すべき場合があるだろうか。あるとするとどのような場合か。


3つの班すべてが、参入する価値があるという結果でした。根拠となる、場面は2つ挙げられました。

競争が激しい状況でも、業界の需要が高い場面

Ex)・すでにホテル業界は競争状態だが、オリンピック前では需要が高まるので、参入する価値がある。

・新型コロナウイルスの影響で世界ではワクチンの開発がすすめられている。グローバル大手が競争相手になるが、開発できれば需要があるので、参入する価値がある

 

自信のある差別化を持っている、またはブランド力がある場合

Ex)ファッション業界でブランド力があるGUは、競争が激しいコスメ業界に新規参入を果たした

②フィットネスクラブや美容皮膚科は化粧品の代替品になりうるだろうか。漢方薬、健康食品、野菜、果物についてはどうだろうか。

③一言に代替品といっても狭くも広くもとらえることができるが、最適な広さはあるだろうか。

 

【代替え品になる】

・フィットネスクラブ

・美容皮膚科

理由:化粧品と同じで、外見をきれいにする目的だから。

 

【代替え品にならない】

・健康食品

・野菜、果物

理由:体内の調子を整える目的だから。

 

基準を決める際にキーワードとなるのは価格の交差弾力性です。

価格交渉力とは、ある商品が値上がり(値下がり)した際に、別の商品の需要がどれだけ増える(減る)を数字で表したものです。

Ex)皮膚科に通っているので、化粧水は今までの製品より安い製品に変える場合

 

よって、価格の交差弾力性は互いに影響を及ぼすかどうかを図る基準になると考えられます。

 

今回から、企業の外側に視野を広げて業界で利益を上げていくためのノウハウを学べました。どんなに顧客のニーズを満たし、自社にマッチしたマーケチングミックスを構築しても、問題がある要因を抱えていると、業界で戦っていくのが難しいことに気づきました。

グループデスカッションでは最近の時事に絡めて、意見交換ができ、考えを深めやすかったです。回を重ねるうちに、内容の濃いデスカッションができ、楽しいです!!

次回以降も宜しくお願い致します。

岩尾俊兵
2020.11.01

過去最高レベルによくまとまってます!
素晴らしい!

関連記事