岩尾ゼミ3年Aチームの赤川です。
10月23日に行われたゼミでは、沼上幹先生の「わかりやすいマーケティング戦略」の第7章事業とドメイン定義の輪読を行いました。
今回は、そのまとめと討論内容について記述させていただきます。
〈まとめ〉
事業の定義とドメインの定義の違いについて学びました。
・事業の定義=個々の事業部が直面する事業の定義のこと。
事業を定義する際には、3軸に注意する必要があります。
それは、顧客グループ・顧客ニーズ・技術です。
顧客グループwho:対象とするのは誰か。ということ。
顧客ニーズwhat:例)美しくなりたい。部屋の壁をきれいにしたい。等
技術how:ニーズを満たす方法のこと。
※これら3軸は独立して決めるもの。
定義の仕方によって競合他社との差別化要因を明確化し、進むべき方向を定めることが企業にとって重要であると考えられます。
また、多様なビジネスそれぞれに事業の定義が必要なように、それら全体をまとめたドメインの定義も企業が総合力を発揮するために必要です。
・ドメインの定義=全社レベルで行われる事業の定義のこと。
一度出来上がったドメイン定義は、5つの評価基準があります。
- 機能的表現
- 緻密性
- 時間展開
- 資源配分の焦点
- ドメイン・コンセンサスと夢
ドメインの定義は抽象的な問題ではなく、具体的な行動と直結しています。
よって、最適なドメイン定義は機能的表現であると共に、緻密に行われなければなりません。
このように、ドメイン定義や事業の定義は企業の進むべき方向を定める上で重要な定義です。その上、社員の進むべき方向を定める上で重要な役割を果たしています。会社を社員にとってやりがいのある場にするためにも、事業の定義とドメイン定義は重要だと考えられます。
〈討論内容〉
今回は、2グループに分かれてグループワークをしました。
Q1事業の定義とドメインの定義は同じだろうか、違うだろうか?両者が一致する条件はなんだろうか。
案1:事業の定義とドメインの定義は同じ。
理由:ファーストリテーリングとユニクロ・GUのような関係性の場合は一致すると考えられるから。ファーストリテイリングという親会社が決めたドメイン定義の元で事業を行うユニクロやGUは、違うブランドであるため事業の定義は多少異なる(例えば顧客の層など)が事業の根本はドメイン定義と一致する。
案2:事業の定義とドメインの定義は同じ。
理由:企業に事業が一つしかない場合、事業の定義とドメインの定義は一致するのではないかと考えたから。
企業に事業が一つしかなければ、必然的に事業の定義とドメインの定義は一致します。
Q2NECのC&C(コンピューター&コミュニケーション)というドメイン定義は、今日のインターネット社会を予期していたようでさえある。なぜ、NECはインターネット業界の覇者になれなかったのだろうか。ドメイン定義に間違いがあったのか、それとも他の要素が影響したのか。
案1:顧客グループやニーズが広すぎたのではないか。
理由:顧客グループや顧客ニーズ、技術の3軸から考えた。NECがC&Cを出したのが70年前であることから、この時はインターネットが広く普及したおらず今ほどニーズがなかった。そのため、他社に勝つことができなかったと考えた。ドメイン定義には、タイミングも重要であるのではないかと考える。
案2:緻密性が足りなかったのではないか。
理由:コンピュータもコミュニケーションも定義が漠然としていて、緻密性が足りていない。そのため、内部でもズレが出てきて他社に置いていかれてしまったのではないかと考える。
NECが70年も前から現代のインターネット社会を予測していたことは驚くべきことです。しかし、今後どんな企業が出てきてどんな企業が競争相手になるのかということまで考えられていなかったことが原因であると考えられます。
現代のインターネット業界の成長率は高いので、投資を続けなければ簡単に抜かされてしまいます。安心せず投資し続けるという論理にまでたどり着いていたならば、NECはインターネット業界の覇者になっていたのかもしれません。
今回は、事業の定義とドメインの定義の重要性について学ぶことができました。そして、企業にとってだけでなく社員にとっても定義を定めることが重要であるとわかりました。また、自社のドメイン定義を正確に定めるだけでなく、他社や業界の状況まで予測し、行動に移すことが重要であるとわかりました。
次回からは、組織科学の論文を全員で読みます。卒論を書く際の参考にしつつ、今より一段階上の内容に入っていく予定です。
今後も全員で頑張りましょう。
議論の内容がしっかり消化されていて良いと思います。
次回からは卒業論文の下準備を意識していきましょう!