岩尾ゼミ所属の坂口まりんです。私は現在、~開港都市から始める~【日本の夜明けプロジェクト】事業創造デザインプログラムに参加させていただいています。今回はDay2での学習内容を以下にまとめます。
<Day2の目的>
・初期MVPを考える
※MVP:検証をするための必要最小限の製品のこと
・インタビューの準備をする
<Day2の内容>
①ソリューションアイデアを発想する
➁ソリューションアイデアを具現化する
③初期MVPを考える
④インタビューの準備をする
<事業創造デザインプログラムの基本ルール>
①既存の枠にとらわれない
➁相手の意思を尊重する
③振り返りから学びを深める
①ソリューションアイデアを発想する
Day1では、顧客は誰か、解くべき課題は何かについて考えましたが、Day2では定義した課題をどのように解決するかのようにアイデアを考えていきます。
アイデアは既存の要素の新しい組み合わせです。今回考えるソリューションアイデアはソリューションの根本価値とアイデアトランプを組み合わせることで発案できます。
※ソリューションの提供価値:顧客のジョブ(~したい欲求)をソリューションが実現できること
※アイデアトランプ:アイデアを発想するためのたくさんの問が書かれたもの
発案後、アイデアを選択する際のポイントとしては3つ挙げられます。まずは、顧客にとって役立つかを問う有用性です。これは選択において一番重要とされるポイントです。次に持続可能なビジネスになりそうか考える経済的実現性。最後に、現在またはそう遠くない将来、技術的に実現できそうかの技術的実現性です。
➁ソリューションアイデアを具体化する
抽象的なソリューション仮説はソリューションのイメージが湧かず、インタビューの相手は反応しにくいため、具体的な仮説が必要になります。そのため、ソリューション仮説を具体的に作るためにはソリューションコンセプトシートを作成することが大切にです。
○ソリューションコンセプトシートの内容
- ソリューションタイトル:ソリューションアイデアのタイトルを考え、一文で表現
- 価格:仮設定でソリューションの販売方法(売り切りor月額)と金額を記載
- ソリューションの概要説明文:200~300文字
- 機能・性能・差別化要素
- ソリューション概要図
③初期MVPを考える
MVPとはチームが最小限の労力で顧客に関する検証された学びを最大限得ることができる製品のことであり、この製品には必要最小限の機能、アーリーアダプターのみを対象とした作りこまれていない完成度、検証目的が的確になっていることが重要です。作りこまない理由として多くのリソースと時間を費やした結果顧客が欲しがらないものを作るリスクを減らせることが挙げられます。また、対象をアーリーアダプターに絞り込むことでソリューションも更に絞れ、更に早く安く試行錯誤が可能になります。
今回、MVPの概要を設計するためにMVP Planning Canvasに取り組みます。主要な登場人物が複数いる場合はそれぞれの人物ごとに作成する必要があります。
○MVP Planning Canvasの内容
- MVPで検証する仮説 :ジョブが実現できること
ソリューションの根本価値 :顧客ジョブを“できること”に書き換えて記載 - 検証に必要な充足条件の指標(KPI) :お金を投じてでも欲しい人2人以上
- 顧客(アーリーアダプター) :ペルソナの情報をもとに顧客の代表属性が分かるように
- 顧客ニーズのメカニズム :ジョブ/不満/現状対策/満足状況
- MVPの内容
- 概要 :必要最小限として何が必要か
- 顧客にやってもらうこと :提供するにあたり、顧客に対応してもらうことがあれば
- MVPのタイプ :ペーパープロトタイプ型/プロモビデオ型/ライティングペーパー型
※プロモビデオ型:実際のプロダクトの想定を動画化する
※ランティングペーパー型:実際のプロダクトの想定のランディングページを作成し公開する
また、MVPをつくる際はどのタイプを選択しても次の順序を踏む必要があります。
①全体概要 :顧客が課題を抱えている状態(Before)、課題が解決された状態(After)を対比して概要を示す
➁Before :ニーズのメカニズムを明示して、顧客が抱えている課題を示す
③利用シーン :どのように課題が解決されるのか、商品の利用シーンを示す
④画面遷移図 :商品の実際の画面遷移図を描く
⑤After :ジョブが実現を明示して、顧客が抱えていた課題が解決される姿を示す
④インタビューの準備をする
インタビューとは、新たな顧客を見つけ、仮説検証を行うための必須プロセスです。
インタビューのステップ
①目的の明確化
➁インタビュー準備:仮説の整理、トークスクリプトなどを準備する
③アポイント:インタビューするための段取りを立て、アポイントを取る
④インタビュー:課題を掘り下げたのち、ソリューション案のフィードバックを得る
⑤振り返り&整理:仮説を修正
課題の質を高めてから、解決策の質を高める必要があり、インタビューは不の体験をもとにいきなり解決策へ進まないようにするための大切なプロセスでもあります。このように、質を高めるには不の体験から顧客と課題の適合(課題インタビュー)、そして課題と解決策の適合(ソリューションインタビュー)と順を追って進めなければいけません。しかし、全ての人のインタビューが参考になるわけではありません。課題仮説が一致しない人に関してはバイアス混入を避けるため、ソリューションインタビューは原則不要です。また、インタビューをする際には自分たちが聞きたい回答を得られるように誘導しないように注意する必要があります。
○インタビューの目的
- 共通:顧客の特徴把握
- 課題インタビュー:課題の「有無」「切実度」確認
- ソリューションインタビュー:仮説を詰める
○インタビューの概要
- 課題インタビュー(CPF)
実在する課題を特定
アーリーアダプターを特定
現在の代替品の理解 - ソリューションインタビュー(PSF)
解決策の実用性を確認
必要十分な機能を特定
支払い可能価格を特定
Day2での内容はとても今後の活動において重要になるものが多く、とても勉強になりました。現在行っているインタビューでもこの内容がどれだけ詰められるかで密度がかなり異なることを実感しました。今後の活動でも大切な原点になると思うので、しっかり復習したいと思います。
坂口さん、素晴らしいレポートありがとうございます!!
事業創造のプロセスをご自身で咀嚼して言語化して頂いており、嬉しい気持ちになりました^^
ミライストチームでの活動にも大いに役立てていってくださいね。
今後のレポートも楽しみにしています!!
坂口さん、素晴らしく読みやすい記事です!
開港都市ならではのアイデアが出ると良いですね。
新型コロナが無ければ交流会も盛り上がるのですが……。