模擬国連の教育的価値⑤

こんにちは、もぎこみゅ! メンバーのみたけです。 

梅雨に入り、どんよりとした気候になってきましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか?


本日は模擬国連の教育的価値、五回目の連載になります

今回のテーマは、

「模擬国連における専門性」になります。

実はこの話題、かなり前の記事(模擬国連の教育的価値③)で少し触れている内容なのですが本記事では私自身の体験を含めて、もう少し深く掘り下げていきたいと思います。

ではまず、「模擬国連における専門性」とは何なのでしょうか。

模擬国連の議会において、各国の代表であり参加者たる大使たちは、自分が担当する国と議題を完璧に把握したいわゆるエキスパートでなければならず、でなければ議論が成り立たなくなってしまいます。

現在、世界には解決しなければならない問題が山積しています。つまり、その分だけ国連での議論が行われ、ひいてはそれが模擬国連の議題になるのです。議会で自身が活躍するには、議題への深い理解が必要不可欠であり、議題によっては自身の知りえなかった知識を知るだけでなく、それらを使い、議論を展開していかなければならないのです。

模擬国連の中でもポピュラーな議題と言えるのが「国連安全保障理事会」です。常任理事国、非常任理事国の議席拡大問題についての議会はかなり多く実施されているのではないかと思います。大使たちは、自身の担当する国の主張を展開するためにそこに至るまでの経緯自国周辺の状況等、多くの情報を深く、くまなく理解する必要があります

前述した通り、模擬国連の議題は多種多様です。国連安保理のようにポピュラーなものから、かなり難易度が高い議題もあります。ここからは私が昨年末に参加した第31回模擬国連会議全日本大会(AJMUN31)について少しお話をさせていただきます。

まず、この第31回模擬国連会議全日本大会(AJMUN31)は、昨年12月27日から30日にかけて開催された大学生が主に参加する模擬国連の全国大会でした。私が参加した議会では4日間、合わせて約9時間ほど会議時間があり、高い集中力を長時間継続しなければならずかなりハードなものでした。

そんな中、議論されたのが「クラスター弾の使用規制」についてでした。

クラスター弾というのは一種の兵器で、広範囲に被害をもたらすものであるため、一般人をも巻き込みかねないものとして国家の使用、所持を問題視されてきた過去があります。
そして、この議会は、2008年に実際に開催された軍縮会議である「ダブリン会議」を模して行われたものでした。

ざっくりと概要を説明しましたが、ではこの議会が今回のテーマである「専門性」にどのようにつながってくるのでしょうか。

まず、参加者はこの議会の最大の争点である「クラスター弾」について詳細に把握しなければなりません。一体どんな兵器なのか、過去にどこで使用されたのか、また、どんな影響があったのか。など、軍事的な視点人道支援の観点などからも「クラスター弾」という兵器について分析する必要がありました。

更に、議会の中では実際に今後の国際社会のルールとなる条約、すなわち法律のようなものを作成していきます。その際には「国際人道法」や、「法の不遡及」法令の効力はその法の施行時以前には遡って適用されないという法の一般原則)などについても把握しておかなければなりませんでした。高校生である私の学びの範疇をゆうに超えてしまうような文理またがった、日常ではほとんど触れることの無いであろう専門的な知識を身につけるだけでなく、実際に自身の主張を裏付けるために使用しなければならなかったのです。

このような自身のキャパシティーを大きく超えた専門的な知識を身につけ、議論するのは容易なことではありません。実際に私もかなり苦戦してしまいました…。

しかし、この苦境を乗り越えることによって、自身が達したことのない新たな学びの境地を切り開くことが出来ます。日常では使うことのない知識ではあるかもしれませんが、それらをインプットし、アウトプットした経験は自身の見識を広めたり、思想形成の上で大きな役割を果たすことになるのです。

皆さんも、自身が触れたことのない専門的な知識に触れてみてはいかがでしょうか?一見役に立たなそうな知識でも、新たな視点を養う上で意外と興味深い発見があったりするものです。


いかがでしたでしょうか?

ご意見、ご質問等ございましたらコメント欄までよろしくお願いします!

では、また来週~(@^^)/~~~