4/21㈫ に 苗ぷろ。の新歓イベントをオンラインで行いました!
テーマは 「女子大生、結婚を語ろう!」
ゲストに元厚生労働事務次官で現在は津田塾大学客員教授の村木厚子さんをお迎えして、様々な角度から結婚についてお話していただきました。
その後、5.6人のグループに分かれてディスカッションを行いました。
◆ 村木さんのお話 ◆
村木さんには
1. ご自身の結婚への考え方
2.実際に子育てをして思うこと
3. 旦那様のこと
4. 結婚に関するデータから見て分かること
についてお話していただきました!
1. ご自身の結婚への考え方
村木さんは結婚以前から、自分一人で生きていける人間になることが人生におけるメインポイントだったそうです。しかし、26歳の時にご結婚されています。そこにはどのような思いがあったのか...それはふたつの理由があると!
①お父様に「自分のためにだけ生きても褒めてやれない。」と言われたから
②旦那様とはもともと仲が良く、この関係をこれから先続くことを保証するには結婚がいいと思ったから(結婚は最高の茶飲み友達の予約方法だと!)
だそうです。
【結婚のプラスポイント】
・収入が2人分になる。
・子育てを分担できる。
・仕事の気分転換になる。
【結婚のマイナスポイント】
・時間の制約がある。
・妥協がより必要になる。
・常に生活に誰かがいる。
旦那様との素敵な関係を守り、続けていくために結婚をするという考えが新鮮でした!
2. 実際に子育てをして思うこと
村木さんの旦那様は子育てや家事に積極的な方だそうです。
共働きだったのでなおさら子育ても家事も互いに支え合うことが必要ですし、旦那様が協力してくれてとても助かったと!
40年くらい前、子育てを頼むなら自分の親であることが主流で、今のように保育園やベビーシッターに託すことは考えられなかったと。
村木さんはお子様が2~4歳頃の2年間ほどお子様と単身赴任をしたそうです。そのとき、子供といることでご近所付き合いなどにとてもいい影響があったそうです!
これだけ男性の子育てや家事への協力が叫ばれている現在でもまだまだ普及しているとは言えないが、この頃から積極的に協力して下さるというのがとても素敵ですよね!
3. 旦那様のこと
ここまでにもいくつか旦那様のエピソードを紹介させてもらいましたが、最後に...
夫とは!
人生を共に歩く同士であり、自分の子供にとっての親であるという繋がりがある、存在である!
と話してくださいました。
このような言葉を聞くと、結婚したいという気持ちが盛り上がりますね!(笑)
4. 結婚に関するデータを見て分かること
・初婚の年齢が上がっている
・昔は結婚する時期がかなり絞られ偏りがあったが、最近はかなりばらけている。
・結婚まで行かず、お付き合いをする期間が長くなっている。
・女性が結婚する理由として「親や周囲の期待に応えれる」というものがいまだにかなり上位にある。
・女性で管理職の人は圧倒的に独身や結婚していても子供がいない人がいまのところ多い。
ひとつひとつの情報が興味深く、今後もっと考えていきたい内容でした!
◆ グループディスカッション ◆
村木さんのお話のあとは、グループディスカッションを行いました!
そこで出た様々な結婚への意見・考え・思いについていくつかご紹介させて頂きます! (このディスカッションは自分が結婚する前提で行いました。)
・結婚しても仕事を続けたい人がほとんど!
・結婚式や新婚旅行など結婚に関するお決まりのことについて
やりたい人→憧れがある。
やらなくてもいい人→違うことにお金を使いたい。通常より小規模で行えればいい。
・夫のとる育休について、まとめて数ヶ月とかではなく、数日間を何回も取れる制度などがあるといいのではないか。
・子育てにはとてもお金がかかるし、自分のキャリアによっては出産をする選択ができないこともある。なので簡単に子供が欲しいとは言えないと思う。
・子供が産まれると、視野が広がり生活が充実するなど良い影響がある。とてもお金がかかることを知っておくことが大事なのではないか。
・子育てについては性別間で違うのでパートナーときちんと話せば、子育てしながらでも女性が自分のキャリアを広げることだって可能なのではないか。
・結婚や子育てについて考える時に
①結婚、出産をするその時の視点
②何十年後かにどういう影響があるかという視点
があるという考え方。
・大学の選択(短大か四年制大学か大学院まで進むかなど)によってライフプランが大きく変わるので結婚にも大きく影響するだろう。
・自分の親が結婚した年齢が、自分の結婚観に大きく影響していると考えられる。
・事実婚の制度があることで法律で定められてない結婚の形も含むことができるからよい。
・リレーションシップアナーキー(=“私とあなた”という唯一無二の関係)は「夫婦」や「恋人」などのように言葉に引っ張られない関係で、良い考え方だ。
各グループ、簡単な内容から深い考えの共有まで行うことができました!新しい考えを知ることができ、とても良い刺激になったと思います!
◆ アンケート結果 ◆
このイベントに参加してくださった方々に事後アンケートへの回答をお願いしました!
満足と答えた理由の中には、女性だけだったことでより深い話ができたという意見が多くありました。同性同士だと共感も得やすく、同じ目線・立場で話すことができたのがよかったということですね。
また、深い話ができたからこそ男性側の意見が知りたくなったという意見もありました。
この日話題になったことの中には、異性の考えを知ることが必要と思われるものもありました。
「出産へのプレッシャー」「親族との関係性」など自分と相手以外の人が関わってくることへ不安を感じている人が多い印象を受けました。
デスカッションでも話題となった夫婦同姓について、今回の参加者の中にはマイナスに感じている人が多いという結果になりました。
結婚のかたちは時代とともに変化していくことを示しているように思います。
一方で、パートナーに求める条件は、今の若い世代にとっても「経済力」「価値観」が上位となっています。
これだけ夫の家事・育児への協力が叫ばれているので、「家事力」やQ2の「家事の押し付け」が上位に来るかと思われたが、今回の結果からは特にそういった印象は受けませんでした。
アンケートにご協力くださった参加者の皆様、ありがとうございました。
◆ 村木さんへの質問と回答 ◆
- 女性として、「精神的に自立する」とは、どのようなことだと先生はお考えになりますか?
「自立」とは何かと聞かれたときに、私自身の経験に基づいて、私自身の言葉で「これだっ!」と言えるものはまだありません。(もう64歳だけど(笑))。経済的な自立がやはり深くかかわってくると思いますが、それだけでもない。だから、これが答ですという回答はありませんが、私がこれまでに教えてもらった中で、一番、素直に受け入れることができたのは、次の言葉です。
「自立とは、依存しないことではない。自立とは、たくさんのものに、少しずつ依存できるようになることである。」(東京大学先端科学技術センター准教授 熊谷晋一郎)
熊谷先生は、小児科のお医者さんで、ご自身は脳性麻痺で車いすに乗ってお仕事をされています。先生の講演の中でこの言葉を聞き、本当に腑に落ちました。
たくさんのものに頼っていいといわれると、ほっとするし、誰かに全面的に依存されるとつらいかもしれないけれど、その人につながるたくさんの糸の一本にならなれるかなあと思います。
- 結婚・出産をする女性にとって労働環境は良くなっている一方で、その「しわよせ」はどこに行ったと思われますか?(これまで女性が我慢することで収められていたものはどうなったのか)
男女の役割分担で言うと、二つの方向があると思います。一つは、家事や育児が「外部化」「社会化」するという方向です。全自動洗濯機や食器洗い機のような家電製品、家事サービスや食料品、日用品などの宅配、外食などは家事の外部化・自動化、保育所やベビーシッターなどは、育児の外部化・社会化ということができます。
介護もかつては、家族(妻、嫁、娘)が家の中でするものという考え方でしたが、今では、介護の施設やヘルパー、デイサービスを活用することが当たり前で、家族の役割は「心理的なケア」y「心のつながり」というように変化してきています。
もう一つの方向は、仕事も家事・育児も男女で分担するようになりつつあるということです。育児はお母さんの仕事ではなく、子育てはカップルでするものという方向にどんどん変わってきています。ちなみに、日本の6歳未満の子供がいる家庭の父親の家事・育児時間は1日平均1時間超。欧米だと3時間程度ですから、日本はまだ移行期ですね。
「家庭責任」を男性が分担すると同時に、女性も「経済的な責任」を分担することで、バランスが取れていくということでしょうか。
これからは「女性が我慢する」という発想から「みんなで分担する」とか「合理化・自動化・社会化する」方向に行くと思いますが、過渡期にはいろいろな軋轢もあるかもしれません。特に、子どもへのしわ寄せを心配する人は多いかもしれませんが、お母さんが働くことにはメリットもデメリットもあります。でも、私は、仕事をすることと、子どもに愛情を注ぐことは工夫次第できちんと両立できると信じています。
- 塾業界を志望しています。勤務時間がどうしても夜遅くなるので、余程の大企業でないとまだまだ出産した後に辞めざるを得ない、もしくは総合職ではなく事務職としてしか復帰できないという現状があります。なるべく本社勤務など総合職として働き続けられる選択肢が多い会社に受かるように就職活動をしていますが、もし中小企業にしか受からかった場合を考えると不安です。 育休後に復帰する風潮がない企業に入った場合、村木さんだったらどのように対応しますか。(制度を変えるように働き掛ける、転職する、などしか今のところ思い当たりません…。)
塾業界、やりがいがある反面、一部に労働条件が厳しい企業もあるという話を聞きますよね。でも、やりたいこと、行きたいところがあるというのは、素晴らしいことですね。就職活動、頑張ってください。
働き続けられる企業かどうか、就職のときにしっかり質問をぶつけて、選んでいくことは重要だと思います。中小企業は、人員にゆとりがなく、育児休業などがとりにくいといった企業もある反面、個別の事情で融通を利かしてくれるなど柔軟な会社もあるようです。
もし、今まで、誰も育休を取った後働き続けたことがないとしたらどうするか。実際に自分がその年代で、できたかどうかわかりませんが(気が小さかったので)、やり方としてはこんな感じでしょうか。
まずは、自分が第1号になれば、後に続く人も楽になると思って勇気を振り絞って、育休を取って復帰したいと言ってみる。制度はなくても、法律で定められた制度が適用にはなるので(つまり、権利はあるのです)、それをベースにしながら、企業に、自分は子供が生まれてから何時頃職場復帰できるとか、復帰後どんなふうに働けるとか、将来こんな風に会社の役に立てるとか、具体的に言ってみる。その際、「自分も努力するから、会社も考えて」という言い方で要求をすると効果があると思います。社内に一人でも二人でも、味方がいるとさらに強いです。それでもだめなら、見切りをつけて、経験を武器に、転職をするといったところでしょうか。
同業種の人や、他業種の人とネットワークをつくっておくと(セミナーへの参加や、ママ友、同級生など)、いろいろな知恵が得られるかもしれません。時代はどんどん変わって、企業の制度もよい方向に変わりつつあるので、情報収集を欠かさないようにするといいと思います。
- 国家公務員に就いて良かったと思いますか?
良かったと思います!霞が関で、机の前に座ってする仕事だと思われていますが、そんな中でも、現場の人の意見を聞いて、一緒に制度を創ったり、制度ができて現場の人が喜んでくれることがとてもうれしかったです。2年か3年で担当部署が変わるのは大変でしたが、他省庁への出向なども含め、常に新しい仕事にチャレンジさせられていて、飽きることがありませんでした。それから、これは公務員にかぎりませんが、振り返ってみると、毎月きちんとお給料をもらえるというのはとてもありがたいことだし、何より、仲間と一緒に何かに取り組むというのは、すごく、大きな醍醐味でした。
◆ 最後に ◆
村木さん、貴重なお話をしてくださり本当にありがとうございました!
そして、苗ぷろ。のオンライン新歓イベントに参加してくださった方々、本当にありがとうございました✨
当初の予定より多くの方が参加を希望してくださいました。様々な考えを持った方々と意見交換ができてとても有意義な時間にすることができました。
参加してくださった方にとっても有意義な時間になっていたら、とても嬉しいです😊
アンケートでは苗ぷろ。への貴重なご意見もたくさんいただきました。そのご意見も踏まえ、今後はより一層ウェルネスのための活動を頑張っていきます!
今後とも苗ぷろ。をどうぞよろしくお願いいたします🌱!!