<全科目履修宛の>パラセンのつぶやき
授業をしていても、進路指導をしていても、どうしても触れたくなる話の一つに「自己覚知」の話があります。
この話から、各科目の分野にどのように話をつなげていけるのか、奥が深いものです。
専門職養成の視点で向ければ、「社会福祉の専門職は、対人援助に当たる職だと心得てから学ぼう」として、
自己覚知の話を必ずします。
社会福祉専門職は、援助につく前に自分を知るところから始め、
その自分の知るところが相手にどのような影響を及ぼすのかまで把握、整理していくことが求められます。
なぜならば、わたしたち専門職自体が社会資源であり、相手の生活に影響を及ぼす可能性がある立場になるからです。
これは、専門職養成において大事なことというだけではなく、
「それ以外の学びをする人たちにも、本当は大切なこと」だとして、キャリアデザイン論でも取り上げるテーマにしています。
私の立ち位置では、専門職養成で行う自己覚知が、自分とは何かを考え葛藤する青年期の進路検討においても非常に効果を生む行為の一つだと考えます。
ということで、どの科目においても、
学生の「気づきを促す授業」「考える材料を生む授業」「追い込んで学ぶ(葛藤体験をして学ぶ)空間を創る授業」
になるように工夫をしています。
みなさんには、専門職の質、生活の質を自分自身のこととして受け止め、自身が変容するプロセスを体験しながら成長してほしいと願います。
自分の内面に向き合ったり、情報を得たりすることは、少々苦しい時もありますが、
そこを避けたが故にぶつかる多くの障壁が現場には待っていることもあります。
自己覚知が不足することで、
自分自身の価値観にとらわれた援助(もしくは私生活上の行為)を強行したり、
相手が深いや不安を抱く反応をしたり、
自分自身のキャリアビジョンに偏りがあったり、
バーンアウトに繋がったりなど、
仕事においても個人においてもつまずきになることもあります。
感情のもつれ、劣等感、専門領域の尊重、言い争いなどは、
主観と客観の整理のはざまで主観が前面に出てきたときにぶつかる事柄です。
私たちは、こうした客観的な状況も踏まえたうえでそれぞれの段階に必要なことを学んだ方が、
生活は豊かになっていきますし、専門職(職業人)としての価値付けもできていきます。
ぜひ、新たな理論、知識を学ぶとき、
不意にやってくるつまずき、葛藤の意味することを検討できるように、
今一度、学びの時間に縛られる前に自分の内面に興味を持ってみませんか?
自己覚知は、相談援助を行う専門職が、自分自身の価値観、性格、生活感、経験等を持っているかを整理し、
無意識的にどんな感情になりやすいのか、どのような判断を下しやすいのか、
どのようなコミュニケーションを図りがちなのかをなど知っていくことを指します。
こうして自分自身を知ることで、様々な影響を受けずに中立的な立ち位置を模索していきます。
授業を通して、なかなか自分ではわからない自分の反応に気づくこと、癖に気づくことから始めたいところ。
(キャリア検討についても同様)
モノゴトの見方や考え方、受け止め方を知ったうえで、
知識を持って場面のコーディネート、支援の計画、実践に携わってほしいですし、
自分自身のキャリアの検討をしていってほしいと思います。
自己覚知については、さまざなな専門職が記事を書いていたりもします。
ネットで検索をした時に出てきたもので、学生にも読んでもらいたいものをいくつか紹介しますので、
それらも参考にしながら自己覚知について考え、それを学びの空間の活力にもしてみてください!
そうすれば、いま受講している科目で学習している事柄の本質に迫りやすいかもしれませんよ!!
思い込み(あたりまえを問う)ことにも直結し、不安の払しょくにもつながるかもしれません。
専門職養成の各課程に所属する皆さんにとっては、この学びのスタートからバイスティックの話やコノプカの話に、
どんどんどんどん近づいていきます。
学び方を知るところからはじめて、知識と技術を広く持っていきましょう。
<アクセス日:2022.10.17>
探せば探すほど、参考にしてみたい読み物がたくさん見られる時代ですね。
今回は、読みやすそうな記事を並べています。
https://kansaiworker.com/self-awareness/
https://www.caresapo.jp/fukushi/kihon/shigotojutsu/83dn3a000000ibvy.html
https://swhiro.blog/jikokennsann/
https://www.social-walfare.work/entry/2018/04/20/002434
https://blog.goo.ne.jp/wachi-lucky/e/fdeb62f82da12ade05d82b92fba01352
https://miseki.exblog.jp/25321335/
https://www.kusw.ac.jp/general/introduction/course/welfare/column/20210803
https://www.tokyomirai.ac.jp/library/application/files/7016/4275/6073/131-138_.pdf
https://core.ac.uk/download/pdf/233937652.pdf
*私が精神保健福祉センターでの実習期間中にフィールドインストラクターに言われたことも思い出しながら、
この記事を書いてみました。
*今期初回のガイダンスで配布した似顔絵入りの資料(「藤原は教師である前に人です」)は、実はこの自己覚知のとっかかりになるサンプル教材です。あのくらい簡単な感じから取り組んでみると、少しは気が楽ですね!!